MacBookで文章を入力する時の操作方法

最近のことえりOS9の頃から比べると見違える進化を遂げているはず。しかし自分勝手なもので、ことえりにはもっと賢く、もっと便利にと要望し続けていたのに、いざ進化したことえりの機能を使いこなしていたか、というとそんなことはなく、ずいぶん過去に身に付けた習慣的な操作方法を今も繰り返しているだけなのであった...。
ことえりが変わったのなら、それを使いこなすために自分も変わらなければないことに気付いた。

マニュアルを読む

まず始めに、ことえりのマニュアルを読み直した。今までインストールディスクと一緒に入っている冊子「かんたん日本語入力ガイド」*1をちらっと眺めたことぐらいしかなかったが、実は、重要なのはMacBookにインストールされている「ことえりヘルプ」の方であった。トップページの以下のタイトルからリンクするすべてのトピックをちゃんと読み直してみた。(重複するトピックもあるかもしれない。)

  • 辞書を使用する
  • 文字を入力する
  • 文字を変換する

読んでみると、ことえりの機能を的確に説明する素晴らしいマニュアルになっていた。精読する価値が十分にあると思う。これを読まずに今までMacBookを使っていたことを後悔してしまった...。すべてのトピックを読んだとしても情報量としてはそれほど多い訳ではなく、時間もそれほどかからないので、一読することお勧めです。(読んでないのは自分だけ?)

キー操作

マニュアルを読んでいる中で、知っている操作方法も多いのだけど、知らなかった操作方法を見つけた時の感動がかなり大きくて、次にどんな未知の操作方法が見つかるかワクワクしながら読んでいた。ことえりのキー操作については、以下の操作方法でかなり網羅できていると思う。操作方法とは機能そのものなので、この操作方法から今まで自分が知らなかった、あるいは使っていなかった便利な機能をきっと発見できるはず。

  • 入力メニュー
      • mac独特のショートカットキーの記号については、以下のページがとても参考になりました。感謝です!

わかばマークのMacの備忘録 : ショートカットキーの記号


環境

便利に使うための作戦

再変換(一旦確定した文章を、確定前の状態に戻す操作)
キー操作 メモ
かな を連続2回押す おすすめ
control-shift-J を連続2回押す
control-shift-K を連続2回押す
control-shift-R
option-shift-R
control-delete 直前の確定をキャンセルするのみ。再変換の文字範囲を指定することはできない。
  • 今まで、入力メニューのcontrol-shift-Rしか知らなかった...。(かなり押し難いコンビネーション)しかも、必ず再変換したい部分を選択しておく必要があると思い込んでいた...。
  • 同じことは何と!かなキーの連続2回押しで実現できる。(「nihonngo」「にほんご」の変更だけではなかった...。)しかも、(control-shift-Rでも)再変換したい部分を選択する必要なし。
    • 再変換したい部分を選択しなかった場合は、直前の確定をキャンセル、あるいは直前の文節区切りを再変換してくれる。
    • もちろん、再変換したい部分を選択すれば、その部分だけ再変換してくれる。
  • 直前の確定をキャンセルする方法を有効利用するため、文章は最後の「。」まで一括入力して変換するように心掛けるべき。
    • 今まで自分の入力する時の癖として、文章の「。」の手前まで一括入力して変換、「。」で確定してreturnとしていた。
    • この癖だと、直前の確定をキャンセルした時、「。」が再変換されるだけになって、がっかりしまう...。

文章を一括入力して、ことえりが効率よく学習するように心掛けているので、この再変換のキー操作を覚えたことは大きな前進だ。(よく考えずに確定してしまって、あとから修正したい衝動に駆られることが多いので。)

ショートカットの関係
  • 一つの機能に複数のショートカットが割り当てられていて迷ってしまうが、かなキーとは、control-shift-Jcontrol-shift-Kの機能を一つのキーに割り当てたものと考えることができる。
    • 試しに「nihonngo」と入力して control-shift-J を(Jだけ)連続2回押してみると「にほんご」となり、変換中の状態になった。
    • つまり、かな == control-shift-J あるいは カナ == control-shift-K なのである。
    • 今まで、KeyRemap4MacBook等のリマップソフトを使わないと出来ないと思い込んでいた。OSのバージョンアップ等でリマップできなくなった時に役立ちそう。
  • 同様に、↑・↓・←・→ == control-F・B・P・N と考えることができる。(Forword・Back・Previous・Next)
  • 日本語変換中に限定されるが 、↑・↓・←・→ == control-E・X・S・D あるいは option-I・K・J・L も考えることができる。(キー配列は矢印キーを意識した配置)
モードの選択
  • 基本的に以下の操作でモードを選択してから入力する。
キー操作 動作
command-space 前の入力モードに切り替える
commandーoption-space すべての入力モードを順に切り替える
shift-control + J・かな ひらがなモードを選択
shift-control + K カタカナモードを選択
shift-control + L 全角英字モードを選択
shift-control + ; 半角カタカナモードを選択
shift-control + ' 英字モードを選択
      • ひらがなモードでshiftを押しながらの かな入力 は、カタカナになる。
  • しかし、時にはひらがなモードと英字モードを勘違いしてしまうことも多い...。
    • 「にほんご」と入力したくて「nihonngo」としてしまった時は...
      • かな あるいは control-shift-J あるいは control-shift-K を連続2回押しで幸せ。
    • 「japanese」と入力したくて「じゃぱねせ」と入力してしまった時は...
      • 確定前であれば、control-' あるいは F10 で幸せ。
      • 確定後であっても、かな あるいは shift-control-' を連続2回押しで幸せ。
    • 「http」と入力したくて「hっtp」と入力してしまった時でも...
      • 続けて「:」まで入力すれば、「http:」と表示され、一時的に英字モードになる。(確定した時点でまたひらがなモードに戻る)
      • その他に次の単語を入力すると一時的に英字モードになった。「www.」「https:」「file:」など。
control・option併用のショートカットの活用

横書き入力の変換操作で、矢印キーあるいはspaceキーと同じ意味合いで、以下のように利用できることが分かった。

  • 慣れや好みの問題もあるが、ホームポジションの移動が少ないcontrolキー併用のショットカットに可能性を感じた。
  • KeyRemap4MacBookで、caps lockキーをcontrolキーに割り当てれば、非常に操作し易いショートカットになった。
  • 変換対象の文節の移動
control-B control-F
control-S control-D 可能性を感じる
option-J option-L
  • 文節の区切り位置の調整
shift-← shift-→
control-Q control-W 可能性を感じる
control-O control-I 可能性を感じる
shift-option-J shift-option-L
  • 変換候補の選択
shift-space・↑ space・↓
control-P control-N
control-E control-X
option-I option-K
shift-↑ shift-↓
control-V control-R
shift-option-I shift-option-K
削除
  • 削除と言えばdeleteキーなのだが、これについてもcontrolキー併用のバリエーションが用意されていた。
delete・control-H カーソル左側の1文字を削除
fn-delete・control-D カーソル右側の1文字を削除 control-Dはとても使い易い!
control-K カーソル右側から改行まですべて削除 正確にはカット操作。control-Yでペースト可能。
command-delete カーソル左側から先頭まですべて削除
  • ブックマークコメントで未知のショートカットを教えてもらった!また一つ賢くなった!他にも漏れてるショートカットがあれば、ぜひ教えてください!

option-delete カーソル左側の単語を削除 == option-shift-← と delete
option-fn-delete カーソル右側の単語を削除 == option-shift-→ と delete


直前に入力した読みを再入力
  • 今まで使い道が思い付かなかったけど、さっき閃いた。
    • ユーザー登録やアドレスブックに登録する時、「よみがな」を入力する需要は結構ある。そんな時 control-shift-Y で幸せを感じる。
    • それから、この日記で今回矢印の「上下左右」を入力する時、やはり control-shift-Y が活躍した。
control-shift-Y 直前に入力した読みを再入力
ひらがな・カタカナ・英字の変換
  • 昔はF6からF10を使っていた。
  • 今はホームポジションをキープできるcontrolキー中心のショットカットで選択するよう心掛けている。
  • option-tabは今まで知らなかった。意外と良いかも。
control-J・option-z ひらがなに変換
control-K・option-x カタカナに変換
control-L・option-c 全角英数に変換
control-;・option-a 半角カタカナに変換
control-'・control-A・option-s 半角英数に変換
F6 ひらがなに変換
F7 カタカナに変換
F8 半角カタカナに変換
F9 全角英字に変換
F10 英字に変換
option-tab ひらがな→カタカナ→全角英字→半角カタカナ→英字を切替
日本語変換中は、ひらがな→カタカナ→半角カタカナを切替
指定変換

control-1・control-2もあまり利用していなかったが、使ってみると意外にも便利。


  • control-2で同じ部品を含む漢字に変換する。


  • control-2で部品となる漢字を複数選択して変換することも出来る。


上記例では確定後の文字を再変換したが、もちろん変換中の文字でもOK。

半角カタカナ入力
  • OSXのデフォルト設定では、全角ひらがな・全角カタカナ・半角英字が入力可能な文字種となっている。(半角カタカナと全角英字は入力メニューから選択できない状態)
  • 以前、自分は半角カタカナを入力しようとした時に、その設定をどこで有効にできるのか探しまわってしまった...。少しスクロールしないと、ことえりの項目が見えないので意外と盲点?
    • システム環境設定 >> 言語環境 >> 入力メニュー


ひらがな入力中の全角スペース入力
option-space ひらがな入力中の確定前の状態であっても、変換されずに全角スペースを入力可能
ひらがなモードで半角スペース入力

テキスト編集全般のキー操作

ことえりに限らず、テキスト全般のキー操作が以下のページにまとめられていた!

  • 非常に多くの操作が紹介されているのだが、今まで知らなかった以下の操作に可能性を感じた。
control-K 選択文字あるいはカーソル位置から改行までをカットする
control-Y control-Kでカットしたものをペーストする(command-C・Xで操作した内容とは区別される)
control-T カーソルの左右の文字を入れ替える
control-O カーソル位置はそのままで改行する
control-L カーソル位置がページの中央になるようにスクロールする
  • 英語単語の場合のみ、スペルを補完する機能もあった。
esc・F5 単語入力補助


テキストカーソルの操作

最も基本的なことなのだが、知っているのといないでは編集する時の気持ち良さが違ってくる。

      • 以下は自分が理解している操作方法ですが、その他にも便利な技があったらぜひ教えて頂きたいです。
  • クリック・矢印キーでカーソル位置を指定して、shift-クリック・shift-矢印キーで範囲を設定する。
    • 矢印キーで一文字ずつ移動する。
    • option-矢印キーで単語単位で移動する。
    • shift-option-矢印キーで単語単位で選択範囲を調整する。
  • command-←・→・↑・↓で、行の先頭・行の末尾・ページの先頭・ページの最後に移動する。
    • 上記操作にshiftキーを組み合わせることで選択範囲も指定できる。
    • command-←・→ == control-A・E でもOK。
  • ダブルクリックで単語を選択する。
    • 英語の場合はspaceやハイフンで区切られた単語
    • 日本語の場合はことえりが解釈した品詞単位の単語
  • ダブルクリックで単語を選択した状態でshift-クリックすれば、shift-クリックした位置の単語までが選択される。
    • きっちり単語の最後文字位置をクリックしなくても大丈夫なところが気楽でいい。
  • トリプルクリックで行全体、あるいは改行までの1段落すべてを選択する。
  • option-マウスドラッグで四角領域を選択してコピー、別の四角領域を選択してペーストすることができる。
    • コピーしたい文字列が項目ごとに縦に並ぶ時、幸せを感じる。

辞書の登録方法

ことえりの辞書の仕様もちゃんと記載されていた。(あまりないけど)独自の辞書を整備しようとした時に役立ちそう。

  • ことえりヘルプ >> 辞書を使用する >> 辞書に読み込むためのテキストファイルを作成する

辞書に読み込むテキストファイルを作成できます。ファイルは、次のフォーマットで記述されたカンマ区切りのテキストでなければなりません:

単語の読み, 単語, 品詞, [,,注釈文](,,メモ), 〈改行〉

注記:このフォーマットは、「ことえり単語登録」を使用してユーザ辞書の内容をテキストファイルに書き出すときにも使われます。

テキストファイルの作成や編集には、スプレッドシートソフトウェアまたはテキスト編集ソフトウェアを使用できます。ファイルは、カンマ区切りのテキストとして保存してください。


辞書に読み込むテキストファイルを作成するときは、以下のフォーマット規則に従ってください:

  • 1 つの単語のデータは、単語の読み、単語、品詞、メモの順に入力します。
  • 各単語要素の間には、必ず ASCII カンマ(,)を入力します。
  • 新しい単語のデータを入力する場合は、改行します。1 つの単語のデータを入力したら、Return キーを押してください。(上のフォーマットでは <改行> となっています。)
  • 各行の長さは 127 文字以下にする必要があります。
  • 読みはひらがなを使って入力し、32 文字以下にする必要があります。
  • 単語を入力するときには、適切に変換されるような読みを読みフィールドに入力します。1 つの単語の長さは 64 文字以下にする必要があります。「ことえり」を使って入力できる文字と記号であれば、どのような文字と記号でも使用できます。
  • 品詞として、普通名詞、サ変名詞、人名、地名、形容詞、副詞、数字列接尾語、無品詞のうちの 1 つを指定します。
  • メモは省略できます。(このフォーマットで [] で囲まれているフィールドには、何も入力しなくてもかまいません。)
  • メモを入力するときには、メモの開始位置に 2 つの ASCII カンマ(,,)を入力します。メモはユーザ辞書には登録されません。
  • 同音異義語や品詞が異なる単語は、異なる行に記載します。
  • 単語の中に ASCII カンマやスペースを含める場合は、単語の文字列を引用符("")で囲みます。
  • 単語の文字列の中に ASCII 引用符(“)を入力する場合は、文字列を 1 バイトの引用符で囲み、1 バイトの引用符が入力されていた場所には連続する 2 つの 1 バイトの引用符を入力します。


単語のリストを登録する場合、または辞書を結合する場合は、「辞書」>「テキストや辞書から取り込む」と選択します。

読み込むテキストファイルまたは結合するユーザ辞書を選択します。「開く」をクリックします。

  • ことえりヘルプ >> 辞書を使用する >> 辞書に読み込むためのテキストファイルを作成する

辞書にテキストを読み込むときには、「ことえり単語登録」に記述されている 8 種類の品詞(「普通名詞」、「サ変名詞」、「人名」、「地名」、「形容詞」、「形容動詞」、「数字列接尾語」、および「無品詞」)と、「JIS X 4062:1998 仮名漢字変換辞書交換形式」(JIS X 4062:1998 Format for Information Interchange for Dictionaries of Japanese Input Method)で定義されている品詞を使用できます。
具体的には、JIS X 4062 品詞分類の「小分類」と「中分類」に属する品詞名のうち、「カ変動詞」以外のすべてを使用できます。「〜くる」形式の動詞を「カ変動詞」として登録するには、次の例で説明するように、最初の部分を独立した単語として登録します。
「もってくる,持って来る,カ変動詞」を登録するには、その代わりに「もつ,持つ,タ行五段」を登録します。


次のテキストファイルの内容を単語として登録することができます:

  • でんき,電気,普通名
  • たかさ,高さ,普通名
  • ゆだ,ユダ,人名
  • たなか,田中,姓
  • いちろう,一郎,名
  • むらさきしきぶ,紫式部,その他の人名
  • かりふぉるにあ,カリフォルニア単純地名
  • かりふぉるにあしゅう,カリフォルニア州,接尾語付き地名
  • あっぷる,アップル,組織名
  • ふぁいんだー,Finder,その他の固有名詞
  • べんきょう,勉強,サ変名詞
  • じゆう,自由,形動名詞
  • わが,我が,連体詞
  • たいした,たいした,連体詞
  • がたがた,ガタガタ,副詞
  • がたがたと,ガタガタと,副詞
  • しかし,しかし,接続詞
  • まあ,まあ,感動詞
  • かく,書く,カ行五段
  • さがす,探す,サ行五段
  • うつ,打つ,タ行五段
  • しぬ,死ぬ,ナ行五段
  • のむ,飲む,マ行五段
  • のる,乗る,ラ行五段
  • おもう,思う,ワ行五段
  • およぐ,泳ぐ,ガ行五段
  • えらぶ,選ぶ,バ行五段
  • 「さす,指す,五段動詞」は「サ行五段」ですが、中分類が「五段動詞」であるため、接尾辞から「サ行」だと判断されます。
  • 「とぶ,飛ぶ,五段動詞」は「バ行五段」ですが、中分類が「五段動詞」であるため、接尾辞から「バ行」だと判断されます。 
  • みる,見る,一段動詞
  • うける,受ける,一段動詞
  • さっする,察する,サ変動詞
  • あんずる,案ずる,ザ変動詞
  • うつくしい,美しい,形容詞
  • しずか,静か,形容動詞
  • へいせい,平成,数字列接頭語
  • さま,さま,人名接尾語
  • ぐん,郡,地名接尾語
  • おんちゅう,御中,組織名接尾語
  • えん,円,数字列接尾語
  • きをみてもりをみず,木を見て森を見ず,成句
  • おんぷ,♪,無品詞
  • こんま,",",無品詞
  • だぶるくぉーと,"""",無品詞
  • スペース,” “,無品詞

*1:この冊子にはホントに基本的な操作しか書いてなくて、あまり読む価値を感じなかったが...。