徹底的に太陽の匂いのする爽やかな洗濯物を目指して
6月から7月にかけての梅雨時の憂鬱は、しとしと雨による不快な湿気。当然、洗濯物の乾きが悪くなる...。というか、湿度90%の状況では、丸1日干しても満足に乾かないのだ。そして、残るのが生乾き特有の嫌な臭い。(最も嫌な臭いの一つ)一旦この臭いが発生してしまうと、その後いくら洗い直しても、なかなか落ちない。洗濯とは、汚れや臭いを落として、清潔にするのが目的なのに、これなら洗わない方がマシだったと思ってしまう...。
自分にとって洗濯とは常に、この臭いとの戦いであった...。(ちょっと大袈裟、戦っていたというより、放っておいたに近いけど。)で、今までの対策は、かなり消極的。
- 雨の日は洗わない。
- 雨の日が長引く時は、薄手の生地で乾きが速いものだけ洗濯する。
単に、背を向けていただけだった。これでは何の解決にもならない。結局は、洗濯物が溜まり過ぎたり、天候を見誤って、雨の日に洗ってしまうことになる...。結果、生乾き臭に逆襲されて、廃棄、あるいは雑巾として再利用することになってしまう。
そろそろ、MacBookを使いこなす心意気と同じ情熱を持って、洗濯と対峙する時がやってきた。理想は、春秋の爽やかな空気と気持ち良い晴天で乾いた太陽の匂いのする洗濯物に仕上げること。
嫌な臭いの発生条件
- 洗濯物が乾くまでの、湿気・空気・温度、付着物によって雑菌が繁殖して嫌な臭いが発生する。
- 洗い上がりから、乾燥までの時間が長い程、嫌な臭いが発生し易くなる。
- 水の中に付け置く分には、空気が絶たれるので嫌な臭いは発生しない。
- 冬場の寒い時期は、夏場よりも嫌な臭いが発生しない気がする。(気温が低く、雑菌の繁殖が抑えられるから?)
汚れが落ちる仕組み
- 繊維の間を水が通過する時に、付着物を一緒に流し去ることで、汚れが落ちる。
- 水温が高い程、付着物が柔らかくなり、水に流され易くなる。
- 試しに温水シャワーを勢いよく出して、汚れた箇所に接するまで近づけて擦ると、結構、落ちる。
- 洗剤の役割
- 付着物を分解して、水に流され易くする。(お湯で洗う効果と一緒かな?)
- 一旦剥がれ落ちた付着物を包み込んで、再度繊維に付着するのを防ぐ。
- 汚れを落とすのは水であり、洗剤はそれを補助する。*1
仕上がりを左右する要素
洗濯物の仕上がりに影響しそうな要素を考えてみた。
- 洗濯機
- 洗濯物
- 水
- 洗剤
- すすぎ
- 脱水
- 乾燥
上記の観点から、今まで自分がどのように洗濯してきたのか見直してみる。
洗濯機
- 5年前に購入した、一般的な縦型全自動洗濯機。乾燥機能は無し。
- 洗濯槽底の羽(バルセーターというらしい)が正逆に回転して水流を作る方式で洗う。
- ゴミをキャッチするネットがある。この清掃を怠って目詰まりを起こすと、衣類に埃が付着してしまう。黒っぽい衣類では特に目立つ。
水
- 水量
- 上記の洗濯機においては、水量が中程度の48リットルまでで利用した時が、汚れ落ちが良さそう。(自分の感覚的な経験から)
- 最大水量の62リットルにしてしまうと、水流が弱くなる気がした。(特に上の方)
- ちなみに、20・40・48・54・62リットルの水量設定になっている。
- 温度
- 水で洗うよりは、お湯で洗う方が汚れ落ちは良くなる。
- 高温な程、汚れ落ちは良くなると思うが、衣類によっては40度以下等の指定になっていたりするので注意が必要。
- しかし、今までお湯を使ったことはない。洗濯の為に、毎日48リットルを2回給湯すると、そのコストも気になる。
- 風呂の残り湯を利用する方法もあるが、残り湯は雑菌の温床になっていることが多い。
- 洗いの後、すすぎがあるが、やはり雑菌の繁殖したお湯で洗う気にはなれない。
- 以下で書いているように、完全すすぎきることなんて出来ないのだから...。
洗濯物
- 水の中で洗濯物が撹拌されて、踊るように自由に動き回れる量が、一番汚れ落ちが良さそう。(自分の感覚的な経験から)
- 洗濯物が多過ぎると、一箇所に大きな固まりになってしまい、水流の当たり難い中の部分の汚れ落ちが悪そう。
洗剤
- 液体か、固体か(粉、顆粒等)
- 洗剤は水に溶けて初めて本来の機能を発揮する。
- 溶け残った固体の洗剤は、付着してカビ発生の原因になる。
- 液体であれば、溶け残りは無いはず。
- 植物性か、合成か
- 無香料か、芳香剤入りか
- 個人差があると思うが、芳香剤入りを使って、良い香りと思ったことは無い。
- 部屋干し用を謳っている洗剤には、ほとんど入っていると思うが、芳香剤と部屋干し臭が混じり合って、異次元の臭いになってしまうことが多い。
- そもそも、嫌な臭いを良い匂いでごまかしても、根本的な解決にはならない。
- 嫌な臭いの発生原因を絶つことが重要なのだ。
- 無蛍光か、蛍光剤入りか
- 蛍光剤は、白っぽいものをより白く発色させる効果がある。
- 一般的に、洗濯を繰り返しているうちに衣類は黄ばんでくるが、それを防止する効果を狙っているのだと思う。
- 但し、賛否両論あるが、身体に有害なのではないかとの説もある。*2
- また、汚れて黄ばんでいるにもかかわらず、蛍光剤によって白く保たれるのも本意ではない。(漂白剤で落ちた白さならOKなのだが)
-
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- 参考:蛍光剤について/上手な洗濯石鹸・洗剤の使い方(感謝です!)
-
- ちなみに、家で使っている洗剤は、液体・植物性・無香料・無蛍光なのだ。
- 黒カビが発生し易いし、部屋干しの臭いも敏感に感じる、黄ばみ易い。
すすぎ
- 洗剤を徹底的に落とすため、最大限のすすぎコースで設定。(3回&注水)
- しかし、それでも手洗いですすいでみると、さらに水が白っぽく濁る。(洗剤の濁り)
- もう一度、洗いのコースを設定して、洗剤無しの水だけで徹底的に洗い流すという方法もありだが、時間がかかり過ぎる。
- 洗剤は、衣類にある程度は残ってしまう、と考えておいた方が良さそう。
脱水
- 最長の脱水時間で徹底的に絞る。
- しかし、3分でも、12分でも、脱水の仕上がりに大差はない感じ。
- ちなみに、40秒・3分・6分・9分・12分の脱水時間を設定できる。
乾燥
- 晴れ、あるいは曇りの時は迷わず外干し。
- ベランダが南向きなので、晴れれば日当りは良い。
- 雨の日は部屋干し。その際は、なるべく換気が良い状態にしておく。
- しかし、窓を開けられない程の激しい風と雨の時はどうしようもない。
- そんな時は、エアコンを除湿にして、その風を当てるという対策もあり。
- 洗い上がった洗濯物は、なるべく素早く干す。
- いつまでも、洗濯機の中に放置しない。
- 雑菌が繁殖する前に乾燥して、嫌な臭いを発生させない。
- なるべく間隔を空けて、立体的に干す。
- 12連結ハンガーにシャツ4枚干すなら、2ハンガーに1シャツを掛けて、1ハンガー間隔を空ける。
- 30本パラソルハンガーにタオル6枚を干すなら、2本に1タオルを掛けて、3本間隔を空ける。
- ズボンは胴、脚の部分が空洞になるように、ピンチハンガーで洗濯バサミを使いまくる。
黒カビ対策
- 全自動洗濯機のメンテナンスは、黒カビ対策と言っても過言ではない。
- 洗濯槽と脱水槽の二重構造が原因で、その隙間に湿気がこもり、黒カビが発生し易いのだ。
- かつての、洗濯槽と脱水槽が二つ横に並んだ2槽式の洗濯機の時には気にならなかった問題だ。
- いかに黒カビを発生させないか。
- 使わない時はふたを開けて、洗濯槽が乾燥し易い状態にする。
- 乾燥機能が付いている機種なら、洗濯槽を乾燥させる為に、少しの時間、乾燥機能を使う。
- 発生した黒カビは可能な限り除去する。
- 洗濯槽クリーナーで定期的に洗浄する。
- 分解洗浄して、徹底的に落とす方法もある。
- しかし、自分で分解するのは困難な作業になる可能性がある。
- 実際、自分でやってみたが、ネジを外してもバルセーター(洗濯槽底の羽)が固着して、分解することが出来なかった。
- バルセーターさえ外せれば、その後の作業は淡々と進みそうなのだが...。残念。
- 結局、洗濯槽と脱水槽の隙間を塞ぐトップカバーのみ外して、その隙間に棒に布を巻いて差し込み、できるだけ擦り落とした。
- 上記の作業だけでも、かなりの黒カビを退治できる。
改善策
以上のことを考慮して、より良い洗濯環境の為に下記の製品の導入を検討した。
高速脱水機ソメラ(只今、使用中)
使用履歴1週間の感想を書いてみると...
- 良い点
- 全自動洗濯機で脱水まで完了した洗濯物から、1分間に3000回の高速回転で、さらに水分を絞り出す。
- 見た目には脱水できている洗濯物(水48リットルで洗濯した量)でも、さらに軽く400ccは絞り出す。
- 初めてソメラで脱水して、排水口から流れ出す水を見ると、呆気にとられる。
- これだけの量の水分を乾燥させるのに、どれだけ時間がかかることだろう。
- おそらく、乾燥時間は半分以下になるんじゃないだろうか。
- 徹底的に脱水すれば、ここまで乾いた状態になるということを思い知らされた。
- ドライ感を保つ化学繊維のアンダーウェア等は、そのまま着られそうなくらい。
- ワイシャツ等は、そのままアイロン掛けしても良さそうな感じ。
- 作りは非常にシンプル。タイマー無し。スイッチは安全装置を兼ねる。(滅多に壊れなそう)
- 悪い点
- 洗い上がった洗濯物をソメラに詰め込むのが手間かもしれない。
- 高速回転するので、偏りなく均等に詰め込まないと、振動が発生してしまう。(2、3回詰め込むと、要領が分かってきた)
- 一度に脱水できる容量も少なめ(48リットルで洗濯する量なら2回に分けてソメラ脱水している。)
- 所感
- 詰め込みに5分(実際そんなにかからない)かかったとしても、これだけ脱水できるのなら、毎日使うのも苦にならない。
- 洗濯物を干している間に、次の脱水も完了するので、容量の少なさも使い方でカバーできる。
- 洗濯機に望むこと
- 最近の洗濯機は、静音、節水、ドラム式がキーワードとなって競っている気がする。
- でも、それって洗濯に重要な3要素「洗い」「すすぎ」「脱水」の性能向上には寄与していない。
- かえって、節水は「洗い」「すすぎ」を悪くする恐れがあるし、斜めドラムなんかは「脱水」が悪くなる気がする。
- 悪くなる性能を、イオンとか、ヒートポンプ乾燥とかで補っている気がする。
- それが追加機能となって、製品価格を押し上げてしまう...。
- もっとシンプルに(無駄に使うのは勘弁だけど)節水なんてしなくていいから、「洗い」「すすぎ」をしっかりして、ソメラの「脱水」性能のを持った全自動洗濯機が欲しい。
- 洗濯の目的は、汚れや臭いを綺麗さっぱり落とすこと。洗濯メニューも、しっかり洗える1種類で十分。(時短とか、節水とか変なメニューが多過ぎる)
洗濯専花(只今、発注済み、配送待ち)
- もし本当に洗剤を使わなくても汚れが落ちるのであれば、革命的なことだ。
- 「すすぎ」がほとんど不要になる。
- よって、洗濯時間が劇的に短縮。
- 体にも、環境にも優しい。
- 黒カビの発生も抑えられる。
- 洗剤のコストも不要。
- 良いことばかりなので、少々高い授業料だけど、試してみることにした。
- 残念ながら、自分の洗濯環境では全く効果が感じられなかった。
- 水で洗うのと大差なし。
- 高い授業料になってしまった...。
- アマゾンの評価を見ると、4人全員が星5つ。しかし、注意深く分析してみると...
- その評価は2008/12/04〜2008/12/10に集中している。
- レビュアーもスーパー洗濯専花、またはスーパー入浴専花の評価しか、していない方々。
- なるほど...。勉強になった...。
洗濯槽クリーナーN-W1(只今、発注済み、配送待ち)
- 洗濯槽の分解清掃は諦め、メーカー純正の高性能な洗濯槽クリーナーを使うことにした。
- 各メーカーが純正品ということで用意しているが、中身は全てユシロ化学工業の製品らしい。ユシロ化学工業すごい!
- 今まで、メーカー純正のクリーナーを使ったことがなかったので、試してみることにした。
- 説明書きの通りに洗浄してみると、かなりのカビが剥がれ落ちた!
- 但し、バケツで水を追加していると、洗濯機が規定の満水ラインを超えた時、勝手に排水が始まってしまう仕様になっていて少々困った。
- 洗濯機の電源を切りにしてから、バケツで水を追加するようにした。(規定水位に付着したカビも洗浄するため)
- 浸け置き後のすすぎは、かなり大変。何度水ですすいても、剥がれ落ちたカビが浮遊してしまう...。
- 水で洗い流すことは諦めて、浮遊しているカビを網ですくい取るようにした方が良いかもしれない。
- 2週間後に、今まで使っていた旧来の洗濯槽クリーナーで洗浄してみたが、カビはほとんど剥がれ落ちなかった。
- 洗濯槽クリーナーN-W1が根こそぎ洗浄してくれた効果?
- 現在まで、洗濯物に黒カビが付着することはなくなり、洗浄効果の高さを実感。価格相応の効果を感じる。かなり良い!
- 但し、バケツで水を追加していると、洗濯機が規定の満水ラインを超えた時、勝手に排水が始まってしまう仕様になっていて少々困った。
果たしてこれで、太陽の匂いがする爽やかな洗濯物に仕上がるかどうか...。淡い期待を抱きながら、追加発注した製品の到着を心待ちにしている。
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- もし、洗濯を快適にする技をご存知であれば、ぜひ教えてください!
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追記
上記の顛末を経て、現在の運用は以下のようになった。
- 洗濯機、あるいはバケツに洗剤+水を溜めておき、汚れ物は即、浸け置き状態にする。
- 洗濯機は手動で3分間だけ洗濯し、すすぎ・脱水は無しの設定。すると、洗濯完了後、排水されずに浸け置き状態になった。
- 適度に湿ったタオル、シャツ等は、夏場には細菌が発生し易く、いやな臭いの原因になる。
- 洗剤液に浸け込むことで、細菌の発生を抑えられそう。
- 同時に長時間、洗剤の効果が働いて、汚れ落ちも良くなりそう。
- 洗剤はアリエール イオンパワージェルを使用。
- 洗剤については、汚れの種類に得意・不得意があるそうなので、何種類かを使い分けたり、使い回すのが良いという情報もあった。
- 洗う時間は最長に、すすぎ回数は最大、脱水は3分で運用中。
- 全自動洗濯完了後、高速脱水機ソメラで徹底的に脱水。
- 10分間の脱水で、生地によってはほとんど乾燥した状態まで脱水できる。
- 乾燥時間が大幅に短縮され、生乾きの臭いの発生がほとんど無くなった。
- 脱水後は、即干す。
以上の経験から、自分が望む洗濯機は...
- 二槽式で、
- 脱水が高速脱水機ソメラ仕様の洗濯機
それが、最も経済的かつ気持ちよく洗濯できるのでないかと。(どうせ、浸け置き洗いや高速脱水機ソメラ使うのだし、全自動を買っても二槽式使っているようなものだ。)
洗濯機は、全自動になった時点で、人間にとっての便利さを追求するようになり、汚れ落ちや仕上がりは二の次になってしまった...。本質的な洗濯性能は、全く進化していないどころか、逆に退化していたのであった...。
でも、もっと昔の方々に意見を聞けば、手洗いが一番、という声が聞こえてきそう。洗濯は機械に任せるようになって、堕落してしまったと...。