Snow Leopardを上書きインストールしてみた

OSをバージョンアップする時は、現在の作業環境はそのままに、OSの機能だけバージョンアップできるのが理想だと思う。具体的には、アップルメニューのソフトウェアアップデートのような気軽さでバージョンアップしたい。

しかし、OSの内部に大きな変更があると、それまで使ってきた環境がOSの動作に思わぬ悪影響を与えることが多かった。だから、トラブルを最小限にするため、新規インストールして、必要なファイルを手作業で地道にコピーするのが一番信頼性が高い。ところが、ここ数年のMacBookにインストールしてきたソフトウェアは(UNIX系のソフトウェアも含めて)半端なく多い。手作業で移行なんてもはや考えられず、従って、移行アシスタントや上書きアップデートを試みることになる。

60GBの外付けHDに、Snow Leopardを実験的に何回かインストールして、大きなトラブルがないことは確認できた。いよいよ、メインのLeopard環境に上書きインストールすることにした。Time Machineで最後のバックアップを確実に行い、いざという時は安定したLeopard環境にいつでも戻れるようにしておく。これがとても心強い保険となる。以下、事前に分かっていたことも含めて、Snow Leopardにアップデートした後の自分の状況。

うまく動かなくて困っているアプリ

Smart Scroll 3.2b1J SL
  • Snow Leopard対応バージョンなのだけど、滑らかスクロールがSafariであまり効いてない感じ。
  • あまりメリットがないので、とりあえず「切」にしておく。
    • 3.2b2J SLで、32ビット起動のSafariも滑らかスクロールするようになった!
      • ただし、システム環境設定でSmart Scrollの設定を開くと、落ちてしまう様子。
      • マニュアル通りアクセス権の修復、初期設定ファイルを削除してみるが、状況は変わらず。
      • もう一度インストーラーで再インストールして、再起動すると、滑らかスクロールが復活。
      • でも結局、一度でもマシンを再起動したり、Smart Scrollの設定を行うと、その後は無効になってしまうようだ...。
Wide Mail
  • I am working hard trying to port WideMail to the Snow Leopard version of Mail.app and...
  • Snow LeopardバージョンのMail.appをWideMailにしようと、懸命に作業している状態らしい。
Xmarks for Safari 1.2.1
    • バージョン1.3.1からSnow Leopard対応(感謝です!)
スティッキーズ 7.0
  • OSX 10.6では、スティッキーズ内のnibファイルが編集できなくなってしまった...。
    • よって、スクロールバー付きに改造できない?
  • また、OSX 10.5のスティッキーズをコピーしても起動できなかった...。
  • そろそろ、Mail >> 忘備録 >> メモ をメインに使うべきかも。
  • 標準で、スクロールバーは付いているし、Spotlightにも完全に対応しているし。
  • iPhone OS 3.0から、メモ アプリケーションとUSB接続でiTunesを経由して同期するようになって便利。
visior 1.9
  • 任意のショートカットから、心地良いUIで、ターミナルをシートのように呼び出すSIMBLプラグイン
    • バージョン2.0からSnow Leopard対応(感謝です!)
    • http://visor.binaryage.com/
    • 最新バージョン2.1では、controlキーのダブル押しでターミナルを呼び出せるようになった!
PopfileMgr 1.3.0
  • ベジアンフィルタによるメール分類サービス。(POP方式のメールにおいて)高精度なスパムフィルタにもなる。
  • 暫く更新されていないが、ソースコードはダウンロードできるようになっている。
  • うまくビルドすれば、OSX 10.6対応バージョンになるのだろうか?

OSX 10.6に対応して動くようになったアプリ

iStat menus 2.0
  • カラー表示で、グラフの色分けも出来るようになっていた。
SIMBL-0.9.4b
  • 32・64ビット対応(自分の環境だと、0.9.3bでは、Choose Applicationウィンドウがしょっちゅう表示される不具合があるようだ。)
    • 最新バージョンSIMBL-0.9.6c
ミニマムメニュー 0.2b1

とりあえずそのまま使えてホッとしているアプリ

SafariSIMBLプラグイン
Growl 1.1.6
  • OSやアプリケーションが発するメッセージをウィンドウに表示してくれる。
    • ただし、GrowlMailは使用停止になってしまった...。
KeyRemap4MacBook 5.1.0
  • キーボードをリマップしてくれる。(キー配列を任意に設定できる)
  • USキーボードの左右のcommandキーに英数・かなを割り当てている。
Quicksilver B56a7(3825)
  • 数文字のキータイプでアプリケーションを起動したり、
  • AppleScriptと組み合わせて、ショートカットを割り当てることで、あらゆる操作をキーボードから実行可能にする。
  • OSX 10.6環境では新たなショートカットを追加できないが、OSX 10.5で設定済みのショートカットは問題なく機能しているようだ。
synergy
MenuMeters 1.4b1
  • iStat menusと同じく、CPU・メモリ・ネットワークの稼働状態をグラフで表示してくれる。
    • 最新バージョン1.4b2
StartupSound(起動音)1.1b2
  • 電源投入直後の「ジャーン」の音量を調節できる。
ImageUp 0.7.3
  • マウスカーソルの右下に、入力モード(英数・かな)を表示してくれる。
  • 視線を移動せずに、入力モードを無意識に確認できるところが良い。
  • マウスカーソルの見失い防止にもなる。
日めくり 3.1.1
  • メニューバーに表示されるシンプルなカレンダー。月齢、六曜が確認できる。
Expogesture 1.1.4b
smcFanControl 2.2.2
  • 冷却ファンの回転数をコントロールする。
  • 今年の夏は、4000回転で快適なMacBookになった。(キーボードが熱くて不快な思いをしないで済んだ。)
multiFinder 0.4.0
  • Dockの表示・非表示をアプリケーションごとに設定できる機能を利用している。
Isolator 4.4
  • アクティブなアプリケーション以外の背景(ウィンドウやデスクトップ)のぼかしと明度を設定できる。
  • 一眼レフで撮影する時のぼかした背景のような効果で、アクティブなウィンドウがくっきり浮かび上がる!
  • 必須ではないけど、こうゆう機能を提供してくれるソフトウェアって、インストールせずにはいられない。

うれしい新機能とか

  • 新しいフォント
    • Menlo
    • Chalkduster
    • Heiti SC(黒体-簡)
    • Heiti TC(黒体-繁)
    • Hiragino Sans GB
  • Dockのグリッド表示の時...
    • スクロールする。
    • クリックしてフォルダ階層を移動できる。
  • Exposeでtabキーを押した時、スペース全体からアプリケーションのウィンドウを集めて一覧表示してくれる。
    • しかし、並べ替えのアルゴリズムは、OSX 10.5の相対的にウィンドウの大きさを維持する方式が好み。
    • OSX 10.6では、分割した表示領域に収まるように縮小され、ウィンドウの大小に関係なく、ほぼ同じ大きさで表示されてしまう。
  • プリンタドライバを自動アップデート。
    • プリンタを接続すると、(ソフトウェアアップデートのように)WEBから探して自動インストールされた!快適!
  • プレビューでスキャナから読み込めるようになった。
    • インストールDVDで、一般的なプリンタドライバをインストールしておけば、一般的なスキャナも利用できるようになった。
  • システム環境設定 >> 共有で、スキャナ共有が追加されていた。
  • メニューバーの日付と時刻をアナログ表示にしておくと、クリックした時、時刻が秒までリスト表示される。
  • メニューバーに日付と時刻を簡単に両方とも表示できる。

不具合とか

  • Mailで、メモが備忘録だけでなく受信のメールボックスにも出現する。
    • Mail >> 環境設定... >> アカウント >> メールボックスの特性 >> "受信"トレイにメモを表示 をチェック無しにする。
  • MailとiPhoneで、同じメモが重複する。
    • 地道に重複するメモを手作業で削除した。(Mail・iPhone両方のメモで)
  • MailとiPhoneで、更新されたメモが、過去のメモに上書きされず、新規メモとして増えてしまう。
    • 最新のメモを残して、過去のメモを手作業で削除した。(Mail・iPhone両方のメモで)
  • インストール後、デスクトップのアイコンの位置が崩れる。
    • 苦労して並べ替えた。
  • Time Machineの過去が表示されない。
    • 一旦キャンセルして、もう一度起動したら正常に利用できた。

移行アシスタントと上書きインストールの使い分け(我流)

ハードディスクの中身 = OSのファイル + OS以外のファイル、と考えると...

  • 移行アシスタントの場合...
    • 先にOSX 10.6のファイルを新規インストールして、
    • 後でOS以外のファイルをコピーする。
  • 上書きインストールの場合...
    • OSX 10.5のファイル + OS以外のファイル、環境に対して
    • OSX 10.6のファイルを上書きコピーする。

どちらも最終的には、OSX 10.6のファイル + OS以外のファイル、という構成になるのだけど、移行アシスタントの場合、OS以外のファイルをコピーする時に漏れが発生する可能性がある。(特にUNIX系ソフトウェア)

  • 完全に漏れなく今の環境を移行したいのであれば、(問題が起こらなければ)上書きインストールの方が確実だと考えている。
  • 移行アシスタントは、上書きインストールで問題が発生してしまい、OS以外のファイルを部分的に選択してコピーしたい時には便利。問題の切り分けにも役立つ。

考えてみれば、今回のSnow LeopardのインストールDVDは、自然に作業すれば上書きインストールになる。(普通は、素直に「続ける」ボタンを押したくなると思うので。)

  • それまでのOSXとは違い、初期化してインストールとか、アーカイブしてインストールというオプション指定は無い。
    • 初期化インストールしたい場合は、「ユーティリティ」ボタンを押して、インストールDVDで起動して、ディスクユーティリティで初期化して、インストールする手順になる。
    • アーカイブしてインストールという方式は、Time Machineがある現状ではあまり意味のない方式になりつつある。

アップルは、上書きインストールを推奨しているのかもしれない。この方式は今回のLeopardの改善バージョンのSnow Leopardだけの特例なのか?それとも今後のOSXは、自信を持って上書きインストール推奨になって行くのだろうか?