なるべく苦労したくない浴室ドアノブの交換

浴室のドアノブが握り玉で15年以上経過している場合、注意した方がいい。


外見はステンレスなので問題なさそうだが、内部は錆びてかなり腐食が進んだ状態であることが多い。動きは渋いけど、開け閉めできるからまあいいか、と思ってそのまま使い続けていると、ある日突然、ドアが開かなくなるかもしれない...。風呂に入る時はちゃんと開け閉めできるのに、浴室から出ようとした時に開けられなくなるのだ。

おそらく、浴室内側のドアノブ内部は湯気やシャワーや結露によって、錆による腐食が相当進む。どれくらい錆びているかというと、これくらい錆びている。


多くのドアノブ(握り玉)は、外側(外皮)がステンレス覆われていている。しかし、内側の本体はスチール(鉄)なのだ...。よって、上記写真のように激しく錆びてしまう!このように錆びてしまうと、もはや簡単に取り外すことはできなくなる...。

正常な取り外し方法

  • ドアノブのラッチ側に握り玉を固定しているロックを解除する小さな穴がある。

  • そこをピンなどの細長い棒で押しながら、ドアノブを引き抜く方向に力をかける。


  • ↓これはAGEの交換用ドアノブに付属の工具

  • 上記の状態のまま、ピンで押すのをやめると、カチッという感触とともにドアノブが外れる。


引き抜けない時は...

  • しかーし、浴室ドアノブを交換する時において、メーカーが想定した上記の方法では99%引き抜けない...。
  • なぜなら、ページ最初の写真にあるように、浴室の湿気によりその内部が激しく錆びてしまっているから。
  • まず、ドアノブを引き抜けない。止め板が錆びで固着してしまって、ロックを解除できないのだ...。
  • 力ずくで引っ張ったとしてもビクともしない。
  • そのまま力ずくの限度を超えると、ドア本体や取り付け穴自体を変形させてしまうかもしれない。

ドア本体は破壊せずに、ドアノブを取り外す技が必要である!

  • ドアノブを固定しているロックを解除するのは諦め、ドアノブの根元を切断することにした。
  • 切断には、ステンレス用の金切鋸を使用した。
  • 半信半疑でギコギコ始めると、少しずつ切れていく。
  • 15分くらい格闘して、切断できた。大汗かいた。


ネジ山のないネジの外し方

  • ステンレスの丸座(ローズ)を取り外しても、さらに試練は続く。

  • 上記のように、下側のネジが激しく錆びている。
    • たぶん、水分が下に垂れてくるので、下半分の錆がひどくなるのだ。
  • 本来は上側のネジと同じものが、存在するはず。
  • 試しにドライバーで回してみると、一瞬にしてネジ山は失われた...。
  • こうなったらネジを回すことは諦め、ネジの頭にドリルで穴を開けてみる。
    • ネジ本体の太さの径よりも僅かに大きい穴を開ければ、ネジの機能は失われる。
    • 上側のネジ径を調べてみると、どうやら6mm径のドリルでいけそう。

  • 回転数を上げすぎないように注意しながら、ネジの頭を掘り進むこと10分、

ようやく、取付板の取り外しに成功した!

  • 取付板さえ外せれば、浴室外側のドアノブは静かに引き抜くだけ。
  • ラッチを固定しているネジ2本を外せば、取り外しは完了する。



交換用ドアノブの選定

      • ドアノブを取り外す前に、仕様を確認して発注する。
      • 取り外すのは交換用のドアノブが手元に届いてから。
  • メーカー名はラッチに書かれている。AGEだ!


  • 仕様
    • バックセット=60mm
    • ドア穴径=54mm
    • ドア厚み=30mm
    • ラッチ板 サイズ=25.4mm × 57mm
    • ラッチ板 ネジピッチ=41mm

錆の対策

  • 上記ドアノブもその内部はやはりスチール(鉄)だ。
  • おそらく1年以内に錆び始め、10年後には錆びだらけ。
  • 少しでも錆の発生を抑えるべく、鉄部に防サビ塗料(ROBAL 常温亜鉛メッキ)をスプレーしてみた。




そもそも...

  • ドアノブ内部まですべてステンレスで作ってくれればいいのに。
  • そういった製品はないのか?調べてみると1件だけ見つかった。(時すでに遅し...)
  • AGEやGOALとは内部構造がだいぶ異なるが、仕様としては取り付けられそうな気がする。
  • オールステンレス製のためか、ちょっと高価。(2000円対4633円)

取付

  • 取り外しでは苦労したが、取付はマニュアルどおりの手順で大丈夫。
  • ラッチを取り付け、
  • 浴室外側からドアノブ本体をラッチに噛み合わせながら差し込み、取付板で固定する。

  • ちなみに、上記写真は取付板の上下が逆。(取り付け直したが、写真を撮るの忘れた)
  • 丸座(ローズ)を被せて固定し、
  • 浴室内側のドアノブを差し込み、カチッとロックすれば完成!

問題なく開け閉めできることを確認して、取付完了!

注意

  • 柱側のラッチを受ける穴用のカバーは、既設のものをそのまま使ったほうが無難。
  • アルミサッシの内部にネジ固定用の板があって、
  • 無闇にネジ2本を外してしまうと、アルミサッシの中にその板が落下してしまう...。

外す時は構造をよく理解してから外すこと!