そのアウトランダーPHEVはあと何km走れるのか?
アウトランダーPHEVは日常生活圏内ではほぼ完全なEVでありながら、遠出した時にはガソリン&エンジン併用で発電しながら、ハイブリッド走行で長距離も駆け抜ける。その航続距離は少なく見積もっても550km以上は走破できると予想していた。
- ガソリン使用量40L、燃費13km/Lと見積もると520km。
- 45Lタンクの約1割の5Lを残す余裕を見積もって、ガソリン使用量は40Lとした。
- 真冬のスキー場を暖房を効かせながら往復しても、これまで燃費13km/L以上はキープしている。
- バッテリー100%充電で30km。
- 暖房を効かせると、カタログ値60kmの半分くらいになる。
- 冷暖房未使用なら、カタログ値の8割、50kmくらい走る。
実際にガソリン満タン、バッテリー満充電にした時のインフォメーションパネルに表示される総合航続可能距離は、550kmを余裕で超えている。
だからその日も、片道250kmの往復なので、家まで給油無しで余裕と思って帰途に着いた。
航続可能距離---km!
- 最後のサービスエリアを出発する時に確認した航続可能距離は、確かに70km以上あった。
- サービスエリアから家まで、ナビが計算する距離はあと50kmくらい。
- 20kmの余裕があるので、無給油でも十分家まで辿り着けると考えた。
ところが...
- 走り始めてしばらくすると、総合航続可能距離が---kmと表示された!(やばい?!)
- ついさっきまで70kmの表示をしていたのに、これは一体どういうことなのか?
- 不可解なのは、バッテリーのみのEV航続可能距離は4kmと表示されている。
- それなのに、バッテリー+ガソリンの総合航続可能距離は---km?
- 仮にガソリンが空っぽでも、少なくとも4kmは走れるのだから、バッテリー+ガソリンの航続可能距離も4kmと表示するべきではないのか?
- そもそも、ついさっきまで70kmの表示をしていのだから、ガソリンタンクが空っぽということはあり得ない。
- 実際の走行距離とこれまで経験した燃費から考えても、10L前後はガソリンが残っていると予想できる。
- しかし、今確認するとガソリン残量のバーもまったく表示されず、給油してくださいの警告も出ている...。
- もし本当にガソリンが空っぽの状態なら、あと4kmで動かなくなってしまう恐れがある。
- 非常に追い詰められた精神状態となった。
- 暖房をオフにして、巡航速度を落とした。
- 最短コースで高速を降りて、ガソリンスタンドを目指した。
- ドキドキしながらガソリンスタンドに辿り着き、給油してみて安堵した。
- 走行距離500kmに対して、入ったガソリンは36Lくらい。
- 全然ガソリンが空っぽという訳ではない。
では、インフォメーションパネルの総合航続可能距離はガセネタなのか?!
---km = 0kmではない
- 上記の経験をディーラーに確認すると、---km = 0kmという意味ではないとのこと。
PHEVのマニュアル(P6-13〜)によると...
- EV航続可能距離が約1km未満になると、EV航続可能距離表示は"---"を表示します。
- 総合航続可能距離が約50km以下になると、総合航続可能距離表示は"---"を表示します。
- なるほど、確かにマニュアルに書いてある...。
---km = 約50km以下の意味だったのだ!
仕様と感覚の差
- しかしながら、PHEVユーザーは日常的にEV航続可能距離が約1km未満で---kmと表示される経験を何度もしているはず。
- その経験から、---km = 1km未満なんだと思い込んでいる。
- その状態で、総合航続可能距離を50km以下で---kmと表示されてしまうと、あと1kmも走れないと誤解してしまうのは自分だけだろうか?
- また、1km未満と50km以下の異なる単位を---kmに丸めてしまっているため、
- EV航続可能距離が数値のkmでも、総合航続可能距離は---kmで表示されるという、矛盾に満ちた表示となる。
- そもそも、焦って給油したのに入ったガソリンは36L。9Lのガソリンが残っていた計算となる。
- 少なめに見積もって燃費12km/Lで考えても、あと108km走れる計算となる。
- 逆に9Lで50kmしか走れないとすると、5.55km/Lという最悪の燃費になる。
- ガソリン航続可能距離の計算を少なく見積もり過ぎているのではないか?
燃料残量警告の意味
- 調べていて気付いたが、燃料残量警告にも以下のような意味がある。
PHEVのマニュアル(P6-10〜)によると...
- 燃料が約7L以下になると、インフォメーション画面が燃料残量警告表示の割り込み表示に切り換わり、燃料残量表示のマークがゆっくり点滅(1秒間に約1回)します。
- マークが速く点滅(1秒間に約2回)したときは、燃料がほとんどありません。
なるほど、
- 先日の総合航続距離が---kmと表示された時点で、燃料残量警告は速く点滅(1秒間に約2回)してした。
- 9Lも残っているのに、燃料がほとんどありません状態だった。
- 早めの給油を促す仕様なのかもしれないが、もう少し正確さが欲しい。
改善要望
- 総合航続可能距離も1km未満になるまで数値で表示して欲しい。
- 燃料残量メーター&警告をもっと正確に表示して欲しい。
運用の工夫
- 総合航続可能距離が---kmと表示されたら、トリップメーターをリセットして距離を測る。
- 少なくともあと50kmは走れるはず。
- 帰途は「EV航続可能距離」=「自宅までの残距離」になるまで、CHARGE・SAVEモードを活用して充電しておく。
- EV航続可能距離は1km未満まで数値で表示してくれるので。
勝手な想像
- その後も幾度かの---km表示を経験するうちに、興味深い現象に気付いた。
- 以下のように、総合航続可能距離 = ---kmと表示されてしまった後でも、
- 一旦、PHEVの電源をオフにしてから再度オンにすれば、数値表示に戻る。
- しかし、走り始めて少しすると、再び---km表示に戻ってしまう...。
もしかして...
- 走っているときは、加速・減速・路面の凸凹・勾配などで、車は常に揺れている。
- よって、タンク内ではガソリン液面が常に波打っていると想像できる。
- もし、センサーが液面を見てガソリン残量を計測しているとすれば、
- 瞬間的に波の谷間になった液面を計測してしまうと、実際より少ない残量となる。
- 瞬間的であっても計測された最小値をガソリン残量とする仕様なのかもしれない。
- PHEVの電源をオフにする時は、停車している。
- 停車している時の液面は凪いでいると思われる。
- そして電源をオンにした直後は、過去の最小値もリセットされるかもしれない。
- 凪いだ液面で正確な残量が計測されるので、電源オン直後は数値で表示される。