iOS4環境のDisable EDGE/3Gを完全に削除する手順
iOS4では、設定 >> 一般 >> ネットワーク >> モバイルデータ通信 オン/オフ がコントロールできるようになり、3G回線経由のパケット通信のコントロールが容易になった。今までは、Disable EDGE/3Gを利用して、プロファイルのインストール・削除&再起動で対応していた。それがOSの設定をオン/オフのみで可能になったのだから画期的である。...がしかし、喜んだのも束の間、OSのアップデートに落とし穴があった...。
問題
iOS4にして5日後、Disable EDGE/3Gを削除して、モバイルデータ通信のオン/オフで快適に利用しよう!と思ったのだが、それができないことに気付いた。
- Disable EDGE/3Gプロファイルをインストールした状態で、iOS4にアップデートした。
- すると、iOS4でも、Disable EDGE/3Gプロファイルがインストールされた状態で引き継がれていた。
- この状態で、モバイルデータ通信をオンにしても「モバイルデータ通信サービスに加入していません」と表示された。
- 引き継がれたDisable EDGE/3Gプロファイルの影響だと思い、プロファイルを削除して、iPhoneを再起動してみる。
- しかし、Disable EDGE/3Gプロファイルが削除された状態でも「モバイルデータ通信サービスに加入していません」と表示された。
- プロファイルからDisable EDGE/3Gは、確かに削除されている。にもかかわらず、Disable EDGE/3Gが有効な状態が続いている...。
復元
とりあえず、復元してみた。
- 新規iPhoneとして復元すれば、Disable EDGE/3Gプロファイルは完全に削除され、無効になった。
- しかし、それではカメラロールの写真・映像、SMSメッセージなど、保持しておきたいデータも消えてしまう...。
- そうかといって、バックアップのiPhoneを指定して復元すると、Disable EDGE/3Gの効力まで復元されてしまった。
- Disable EDGE/3Gを無効にしたいがための復元だったのに...。
リセット
設定 >> 一般 >> リセット >> ネットワーク設定をリセット も試してみた。
- やはり「モバイルデータ通信サービスに加入していません」と表示される。
- Disable EDGE/3Gを無効にすることはできなかった...。
仲間
iOS4で、Disable EDGE/3Gを無効にする方法を検索してみた。すると、同じ状況に陥っている方々がやはり居たのだ。(こちらはapn disablerによる影響かもしれないが)
最後まで目を通したが、どうも新規iPhoneとして復元するしか方法はないようだ...。(と解釈してしまった)
option + 復元
バックアップの在処
- ふと、iPhoneを同期させた時、毎回バックアップされているのだが、そのバックアップはどこに保存されているのか?知らないことに気付く。
- 調べてみると、以下の場所に、iPhone・iPod Touch・iPadの携帯端末&日時ごとにフォルダ分けされて保存されていた。
- ~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/8e4f63aca70f2bc6ad705ed034cf04f779a8ec71/
- ~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/8e4f63aca70f2bc6ad705ed034cf04f779a8ec71-20100217-073412/
- ~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/8e4f63aca70f2bc6ad705ed034cf04f779a8ec71-20100627-064919/
WINDOWS環境では、バックアップファイルは以下の場所にあります。
iPhone4 下での Disable EDGE/3G が及ぼす障害 | ワンコ、ゴルフ、映画、オーディオ、帆船模型三昧
C:\Documents and Settings\Administrator\Application Data\Apple Computer\MobileSync\Backup
バックアップの内容
- Backup以下のフォルダ名は英数字の羅列になっていて、見ただけではよく分からない...。
- さらに、上記フォルダの中身も、ファイル名が英数字の羅列となっていて、内容がよくわからない...。
- そんな時はiPhone / iPod Touch Backup Extractorを利用すると、分かりやすいファイル名・拡張子に変換してくれた。
- ちなみに、自分の場合は、iTunes >> 概要 >> オプション >> iPhoneのバックアップを暗号化していない。
- そして、ファイル名で当りを付けて、設定ファイルの内容を確認していると、気になるファイルが見つかった。
- iOS Files/mobile/com.apple.managedCarrier.plist
- Property List Editorで開くと、以下のように表示された。
com.apple.managedCarrier.plistに対応するバックアップ
- iOS Files/mobile/com.apple.managedCarrier.plistの情報を確認すると、113バイトの設定ファイルであった。
- 内容は、バイナリ形式のプロパティリストであった。
- テキストエディタで開くと、文字化けしたファイルのように見える。
bplist00ムTapns。モSapnXusernameXpassword_disabled-EDGE-3GUblank&/B
- ならば、~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/以下のバックアップの中にも113バイトのファイルがあるはずだと予想した。
- そして、その内容が上記のように確認できれば、それがcom.apple.managedCarrier.plistに対応するバックアップだと想像できる。
- そのようにしてバックアップファイル 48e9887e8197183ef32d808af75a610f8ffa4f4c を見つけた!
不要なバックアップを削除して復元してみる
- 次に、Disable EDGE/3Gな状態が不要なのだから、それを保持しているかもしれない上記バックアップファイルを削除してから、復元してみた。
- もちろん、作業前にはTimeMachineでMacBook環境をちゃんと保存して。
- すると、処理が完了した時点で「一部のファイルをバックアップから復元できなかったため、iPhoneを復元できませんでした。」と表示された。
- 気にしないでOKボタンを押して、その後にiTunesとの同期まで実行してから、モバイルデータ通信を確認してみた。
- まずは、設定 >> Wi-Fiをオフにしてから、設定 >> ネットワーク >> モバイルデータ通信をオンにして、SafariでGoogleにアクセスしてみた。
- 結果は「モバイルデータ通信サービスに加入していません」と表示され、状況変わらず...。
- やはり、ダメだったかと諦めかけたが、念のため、設定 >> 一般 >> リセット >> ネットワーク設定をリセット を実行してみる。
検証
- 「一部のファイルをバックアップから復元できなかったため、iPhoneを復元できませんでした。」というメッセージが気になった。
- 一部のファイルがDisable EDGE/3Gの状態を保持するファイルだけなら問題ないのだが、
- それ以外にも復元できないファイルがあったりすると、後でがっかりすることになってしまう...。
- アップルによると、iPhoneのバックアップ対象は以下の項目だそうだ。
iPhone OS 1.1 以降の場合
- Safari ブックマーク、Cookie、履歴、および現在開いているページ
- Map ブックマーク、最近の検索、および Map に表示されている現在位置
- アプリケーション設定、環境設定、およびデータ
- アドレスブックとよく使う項目
- カレンダーのアカウント
- 壁紙
- メモ
- 通話履歴
- メールアカウント
- YouTube のブックマーク
- SMS メッセージ
- 保存されている変換候補 (これらは、変換候補を採用しなかった場合に自動的に保存されます)
- カメラロール (iPhone で撮った写真とスクリーンショット)
- ボイスメールトークン (これは、ボイスメールのパスワードではありません。接続時の確認のために使用されます。SIM カードで同じ電話番号が利用できる--電話にのみ復元されます)
- Web クリップ
- ネットワーク設定 (保存済みの Wi-Fi スポット、VPN 設定、ネットワーク環境設定)
- 登録されている Bluetooth デバイス (これは、バックアップを行った同じ電話に復元する場合にのみ使用できます)
- キーチェーン (メールアカウントのパスワード、Wi-Fi パスワード、および Web サイトやその他のアプリケーションに入力するパスワードなどです。キーチェーンは、バックアップから同じ iPhone または iPod touch にのみ復元できます。新しいデバイスに復元する場合は、これらのパスワードをもう一度入力する必要があります。)
iPhone 2.0 以降の場合
iPhone 3.0 以降の場合
- カメラロールのビデオ
- ロケーションサービスの使用を可能にするアプリケーションごとの環境設定
- オフラインの Web アプリケーションのキャッシュ/データベース
- ボイスメモ
- Web ページの自動入力
- 証明できない証明書を持つ信頼されたホスト
- デバイスの場所の取得を承認された Web サイト
- アプリケーション内で購入したもの
iPhone、iPad、iPod touch をバックアップする方法 - Apple サポートiPhone 3.1 での新しいバックアップ対象
- 2 GB 以上のカメラロール内のビデオはバックアップされません。
- かなりの項目数があるが、自分にとって重要そうなものを重点的に、一通り見てみた。
- 結果、たぶん問題なく復元されていると思った。(但し、自分の目で見て、記憶を頼りにチェックしているので確実とは言えないが)
以上、ここまでかなりの試行錯誤を繰り返したが、これ以上時間をかけてもメリットはないと感じたので、iPhone3GS・iOS4はこの環境で使い続けることに決めた。
作業環境
まとめ:Disable EDGE/3Gを削除する手順
すべての環境で有効な対策とは言えないかもしれないが、自分の場合は以下の手順で Disable EDGE/3G を無効にできた。同じ状況で悩んでいる場合、試してみる価値はあるかもしれない。(作業前にMacBook環境のバックアップを忘れずに)
- ~/Library/Application Support/MobileSync/Backupを開いて、復元したいバックアップフォルダを日時から特定する。
- そのバックアップフォルダ中のファイル 48e9887e8197183ef32d808af75a610f8ffa4f4c を見つけて削除する。
- iPhoneの設定 >> 一般 >> リセット >> ネットワーク設定をリセット を実行する。
- iPhoneの設定 >> 一般 >> ネットワーク >> モバイルデータ通信 をオン・オフして検証してみる。
以上で、Disable EDGE/3Gを無効にする復元完了。