AirMac Extremeベースステーション丸型の無線LAN環境に、Time Capsuleを導入するまでの試練
Time Capsuleが動き始めた。しかし、現在の設定に辿り着くまで、試行錯誤の連続だった。
Time Capsule導入前の無線LANの利用環境
- 丸型AirMac Extremeベースステーション1台(802.11b/g対応)に、以下のマシン環境が接続する。
上記ネットワーク環境を維持して、AirMac Extremeベースステーション丸型と連携させてTime Capsuleを導入しようと考えていた。結構、過去の環境を引きずっている状態だ。でも、とりあえず「設定アシスタント」に沿って操作しておけば、何とかなるだろうと気楽にTime Capsuleに電源を接続してみたが...。実は、この先に数々の試練が待ち受けていたのだ...。
作業前に
Appleが用意する説明書
Time Capsule1台のみで無線ネットワークを設定する場合は、おそらく何の迷いも無くAppleが宣伝しているように数回クリックするだけで設定が完了すると思う。しかし、AirMac Extremeベースステーション等2台以上と連携させる予定があれば、上記のドキュメントを精読しておくべきだった。(自分は全く読まずにやっていた。最初に読んでおけば良かった...。)
作業開始
Time Capsuleが起動しない
- 電源を接続して、初っ端から躓いた。いつまで経っても動き出す様子が無い。オレンジ色が点灯し続けたままだ。
- 最初は起動に時間がかかるのかと思い直し、念のためそのまま放置してみるが状況変わらず。
- 電源を一度抜いて、もう一度接続してみるが、やはりオレンジ色が点灯し続ける状態。起動しない。
- その間に読んだ付属のマニュアル冊子の対応策を試す。
- リセットボタンを5秒以上押し続けて、オレンジ色のランプが素早く点滅したら、離す。→状況変わらず。
- さらに奥の手。電源を一度抜いて、リセットボタンを押し続けながら、電源を接続する。→起動成功!ようやくAirMacユーティリティに表示された。
箱から出した最初の起動ぐらいは、すんなり動いて欲しいものだ。
アシスタントの質問に悩む。
ネットワーク部分の設定は、以下の質問から始まる。
- 「既存のワイヤレスネットワークが検出されました。ワイヤレスネットワークがすでにありますか?」
「1」を選択すると、さらに以下の質問が続く。
- 「Time Capsule を使って何をしたいかを選択してください。」
- この時点で、いったいどれを選択すべきなのか...ラビリンス。まず、自分が2台のベースステーションをどのように連携させたいのか意思決定しておく必要があった。
- とりあえず作業をシンプルにするために、Time Capsuleは、以前から使っている丸型ベースステーションのネットワークを拡張する方式で連携させようと決意。
- さて、この場合アシスタントの質問にはどのように答えていくべきか?何パターンかやってみたが、ことごとくTime Capsuleが無反応になってしまう...。アシスタントによる設定は諦め、「手動設定」に切り替えることにした。
最新の802.11n対応機器同士なら、優秀なアシスタントがうまくやってくれるのかもしれない...。
ワイヤレスモード:「WDSネットワークに接続」と「ワイヤレスネットワークを拡張」どちらを選ぶべきか?
- AirMac >>「ワイヤレス」タブ >>「ワイヤレスのモード:」の項目。ここでTimeCapsuleは、以下の3つのモードを選択可能だ。
- ワイヤレスネットワークを作成
- WDSネットワークに接続
- ワイヤレスネットワークを拡張
- TimeCapsuleでネットワーク拡張するように接続するためにはどれを選ぶべきか?自分は当初「3.ワイヤレスネットワークを拡張」を選択してしまった...。が、これは間違い。
- 「ワイヤレスネットワークを拡張」は802.11n対応のマシン同士で拡張したい時に選択すると、素晴らしくシンプルな手順でネットワークの拡張が完了するらしい。(その環境が無いので試していないが...。)
- おそらく、対応している機器であれば、「ネットワーク名:」の下に「このネットワークの拡張を許可」というチェックボックスが表示されるのだと思う。
- Time Capsuleには表示されていたが、丸型AirMac Extremeベースステーションには表示されていない。両方の機器が対応している必要があると思う。
- 丸型AirMac Extremeベースステーションは「3.ワイヤレスネットワークを拡張」に対応していないので、ここでは「2.WDSネットワークに接続」を選択するのが正解。
- ちなみに、「1.ワイヤレスネットワークを作成」は、ベースステーション1台のみの無線LAN環境のモード。
WDSのモードと接続先の指定
- 「WDSネットワークに接続」を選択すると、その隣に「WDS」タブが出現する。
- 「WDSのモード:」は以下の3つから選択する。ここでは「WDSリモート」が正解。
WDSメイン | ネットワークを拡張する時、インターネットに直接接続しているネットワークのモード |
---|---|
WDSリレー | WDSメインとWDSリモートの間で中継し、無線ネットワークの範囲をさらに広げる時に利用する。 |
WDSリモート | WDSメインやWDSリレーに接続して、ネットワークを拡張する時のモード |
-
- WDSメインとWDSリモートの間には、一つだけWDSリレーを設定可能。
- WDSリレーを設定したら、必ずWDSメインとWDSリモートの両方が存在しなければならない。
- 「WDSのモード:」の下には接続先のベースステーションの「AirMac ID」(MACアドレス)を入力するテキストフィールドが表示される。入力必須。
上記設定は、リモート側とメイン側の両方に必要だ。AirMac IDによってお互いの存在を認識しているようだ。
WDSネットワークを実現するための条件
さらにWDSメイン・リレー・リモートで、「設定 >> AirMac」の「ワイヤレス」タブで、以下の項目はすべて同じ設定にする必要がある。異なる設定ではネットワークを拡張できなかった。
- 無線モード
- チャンネル
- 自動以外の数値で指定する。
- ワイヤレスセキュリティ
- WEP(Transitinal Security Network)*1と、WEPは同じ設定と見なされる。
- ワイヤレスパスワード
- パスワードを変更したら
- WEPにおいて「ネットワーク名:」は異なっていて問題ない。
- (WPAでは同一の必要あり)
- 同一のネットワーク名であれば、電波の強いベースステーションが自動的に選択されることになる。
- 異なるネットワーク名のときは、電波の強さに関係なく、ネットワーク名を指定して接続先を選択可能になる。
接続共有の設定
- インターネット >> インターネット接続の「接続共有:」
- WDSリレー、WDSリモートの場合は、常に「切(ブリッジモード)」を選択しておく。
AirMacカードのワイヤレスセキュリティはWPAまで。
WPA2も選択可能だが、WPA2を設定すると、AirMacカードでは接続できない状態になる。(利用できない機能なら、選択できない状態にして欲しい。)
MacBook CoreDuoは802.11nに対応していない。
- なんと、intelCPU移行当初のMacBook CoreDuoは、802.11nに対応していないようだ。がっくり...。Core 2 DuoのMacBookから対応しているようだ。スピードを求めて11nのみの接続モードを選択すると、接続不能の状態になってしまう。
- http://store.apple.com/0120-APPLE-1/WebObjects/japanstore?productLearnMore=D4141J/A#overview
- Time Capsuleまたは11n対応のAirMacファミリーなら、「802.11n Enabler for Mac」は付属CDに収録されているので、購入の必要は無いとのこと。
- AirMacカードの対応状況は以下の手順で確認できるそうだ。
- アプリケーション >> ユーティリティフォルダのネットワークユーティリティを起動。infoタブの「ネットワークインターフェース(en1)」を選択して、確認できる。
ここまでやって、ようやくTime Capsuleで既存ネットワークを拡張する接続が可能になった。長かった...。その後、やはりTime Capsuleをメインに、丸型AirMac Extremeベースステーションをリモートにしたいので、設定を逆にして変更しておいた。
とりあえずは繋がったが、まだまだ試行錯誤は続く...。
*1:WPA、WPA2に対応していない環境からの接続の場合だけWEPが利用され、対応した環境ではWPA、WPA2が利用される。