およそ2万人のmacユーザーのソフトウェア環境を快適に閲覧できるサービスがあったとは...。

秋の夜長にコピー&ペーストを繰り返しながら考えていた。(16名のMacユーザーが利用しているソフトウェアの一覧を作るため)

  • こんな指技、力技に頼っている様じゃいけないと。みんなが自由な書式、自由な表現でmacの利用環境を公開してくれるのは読み物としては面白い。しかし、必要なデータとして集めて、分析して、有意義な情報とするためには、書式を決めておく必要があると。
  • 入力したデータを収集するためには、サーバーに登録してもらうのが一番手っ取り早い。そして、こうゆう事ってRailsが最も得意とするサービスだなと。
  • さらに、インストールされたアプリケーションを手作業で拾い出すのは結構大変。ルールを決めて、ソフトウェアを抽出するデスクトップアプリケーションもあればいいのに。もしかしたら、OSX標準のシステムプロファイラは役に立たないだろうかと。

などと、いろいろ考えて、数日が経過した。ふと、思った。もしかしたら、そんなサービスが既にあるんじゃないかと。*1

きっかけは、前回の日記「16名のmacユーザーで利用されているソフトウェアの傾向とか分析とか」についたコメントだった。(彷徨えるiMac使いさんに感謝!)

そこでシステムプロファイラかAppFresh.appですかね?w

コメントの中の気になるAppFreshをダウンロードしてみると、その名の通り、アプリケーションの最新のバージョンをチェックして、アップデートインストールまでしてくれる。(ソフトウェアを最新の状態に保ってくれる)
OSX標準のソフトウェアアップデートの感覚に近い機能だ。(同じようなサービスを提供してくれるVersion Trackerというサイトもあるが、こちらはアプリケーションのアップデートチェックだけで、インストールまではやってくれない。)
その過程で、AppFreshはそのマシンにインストールされているソフトウェアの一覧を表示してくれる。素晴らしいのは、アプリケーションだけでなく、PreferencePane(システム環境設定書類)やInputManager、SIMBLプラグイン、MailプラグインダッシュボードWidgetまで抽出してくれるところ。
当初は、その自動で抽出されたソフトウェアの一覧リストを使えば、より手軽に利用環境を公開できるのではないか、という意味合いのコメントだと考えていた。
しかし、使っているうちにAppFreshのメニューに意味不明な「IUseThis」というメニューがあることに気付く。検索してみると、IUseThisは自分が利用しているソフトウェア環境を公開するWEBサービスである事が判明!求めていたものは、これだった!

利用しているソフトウェアをものすごく簡単に公開できる

AppFreshの真の素晴らしさは、IUseThisと連携していてることだ。自分のマシンから抽出したソフトウェアリストをIUseThisにワンクリックで送信することができる。送信すると、ソフトウェアの一覧が表示されたIUseThisページが開くので、そのリストの「I use this」リンクをクリックすると、そのソフトウェアは利用中として自分のリストに追加され、公開された。*2

素晴らしい仕組みです!100件のソフトウェアを送信したら、すべて登録するには100回クリックする必要はあるが、自分でインストールされているソフトウェアを確認して、ブログに書き綴る手間を考えたら、遥かに手軽だ!
今現在の正確な登録ユーザー数は分からないが、IUseThisのNo.1アプリケーションはAppFreshで19270人が使っていることになっている。おそらく、IUseThisを利用するほとんどの人がAppFreshを利用すると考えられるので、およそ2万人のmacユーザーの利用環境を閲覧することができるのだ。

  • あの、指技、力技の秋の夜長は何だったのかと...。


素晴らしいサービスなんだけど、人間、使っているうちに欲が出るものです。以下、気付いたことなど。

欲しい機能

  • 基本的に英語のサービスなので、最初にアカウント登録して、ソフトウェアを公開するまでが結構ハードルに感じる。(しゃべりが日本語オンリーの自分がそうだった。)
  • 上記に関連して、やはり英語環境と日本語環境では求めるソフトウェアの傾向が変わってくると思う。
    • 例えば、テキストエディタなんかは16名の日本のmacユーザーにはCotEditorが大人気だったが、IUseThisではそれほどの人気はない。
    • 言語環境が違うと求められる機能も異なるし、日本語しか対応していないソフトウェアでは、おそらく英語圏の人達はほとんど使わないだろう。(逆に日本人であれば、英語環境でもなんとか使えると思うが。)
  • だから、アカウント情報に言語環境とか、もっと言えばOSのメジャーバージョンの項目を追加して、それをキーに集計できるようにして欲しいところだ。

抽出されるソフトウェアの種類

  • AppFreshはアプリケーション、PreferencePane、InputManager、SIMBLプラグイン、MailプラグインダッシュボードWidgetと賢く抽出してくれるが、実はそれでもまだ足りない...。
  • その他にも、QuickLookプラグインAppleScriptことえり辞書、スクリーンセイバー、フォントまでもがmacの利用環境を作る重要なソフトウェアだと言える。(それ以外にも、インストールするものはすべてソフトウェア。synergyなんかはコマンドラインのソフトウェアだし。そうそう、Greasemonkeyスクリプトも忘れてた、AutoPagerize外せない。)
  • そういう意味では、OS運用記録さんのmac環境が、徹底的に、分かりやすく公開されていた気がする。
  • AppFreshにソフトウェアを自動で抽出してもらうルールを自由に追加できるようになっていれば良いのかもしれない。
  • AppFreshに自動で抽出されないソフトウェアについても、IUseThisに登録すれば、使用中のソフトウェアとして公開することは出来るはず。

IUseThisにソフトウェアを登録する

  • AppFreshは、IUseThisに登録されているソフトウェアを元に、様々な情報を表示してくれる。(ソフトウェア名、アイコン、スクリーンショット、本家のURL、ダウンロードURL、最新バージョン情報など)
  • だから、IUseThisに登録されていないソフトウェアについては、上記の情報を取得することは出来ないし、IUseThisで利用中のソフトウェアとして公開することも出来ない。
  • そんな時は、自分が登録するか、誰かが登録してくれるまで待つしかない。この辺は、CDDBの感覚に近い。
  • 自分が利用するソフトウェアにも未登録のものがいくつかあった。そこで、IUseThisにいくつか登録してみたのだが、この登録作業には結構な手間がかかる。ブログで公開した時と大差ない。
  • でも、自分が登録することで、その他大勢の方は「I use this」リンクをクリックするだけで、自分のソフトウェア利用状況を簡単に公開できるようになる。
  • ちょっと疑問なのが、最初に登録した人にしか編集の権限がないのかもしれないということ。(自分が登録したソフトウェア情報では「Edit」リンクが表示されるが、他の誰かが登録したソフトウェアでは「Edit」リンクが表示されない。)
  • もしそうだとすると、何だかちょっと責任を感じてしまう...。(決して無責任な情報を書いている訳ではないのですが、今後のソフトウェアがバージョンアップした時の更新とか、もしかしたら、作者さんの意図と違うことを書いているかもしれないとか。)


AppFreshやIUseThisのサービスは、かなり考え抜かれ仕組みだと感じた。*3上記で自分が考えたことは、恐らく中の人達は既に理解していて、改良中かもしれない。今後の改善に期待大です。

*1:Railsプラグインを見つける時に学んだ感覚。こんなのがあれば便利なのにと思ったら、大抵プラグインとして公開されていた。「自分が考えた事は、世界のどこかで既に誰かが考えている」可能性が十分ある。

*2:事前にIUseThisでアカウント登録しておく必要がある。AppFreshを初めて起動した時確認されたのは、もしかしたら、そのことだったのかもしれない。英語なので、適当に読み飛ばしていた...。

*3:AppFreshがアップデートインストールまで実行してくれる仕組みには感動した。ダウンロードURLが直リンクでなくても、AppFreshで開いたwebページでダウンロードリンクをクリックすれば、その後アップデートインストールまで完了する。複数のバージョンが配布されているときなどにはちゃんと選択できるのだ。