ポリカーボネートMacBookの進化と退化の軌跡

世間は最新のアルミ削り出しMacBookの魅力あるレポートで溢れているが、ここでは地味〜にポリカーボネートMacBookの初代モデルと、現行も販売され続けている5代目最終モデルの比較。約2年間のうちに、どのような進化を遂げたか、あるいは退化したか...。初代モデルと最終モデルの両MacBook(どちらも最低スペックモデル)を購入したからこそ可能なレポート?!(何故今更同じモデルを...)

購入する時の方針

  • 絶対にUSキーボードに変更している。だから必然的にUSキーボードを選択可能なアップルストアでの購入になってしまう...。(初代モデルを購入した時はクーポンを利用できて嬉しかった。)
    • コードを入力する時によく利用する括弧類やコロン、クォーテーションのキー配列が好みなので。
    • どんなに価格.comで魅力的な価格で販売されていたとしても、AppleStoreでクリック。
    • ちなみに、アルミ削り出しMacBookからはキーボードの交換サービスがあるらしい。
  • メモリとハードディスクについては割高なAppleStoreでは増設しない。(あとで自分で増設)

スペック上の差異

  • カタログ上のスペック(最低スペックモデル)の違いは以下の内容になると思う。
初代モデル 最終モデル メモ
発売日 2006年5月 2008年2月 1年9ヶ月の差
本体価格 ¥134,800 ¥114,800 2万円値下がり
メモリ購入価格 2GB=約¥15,000 4G=¥5,600 容量は2倍なのに価格は1/3
CD/DVD コンボドライブ スーパードライ DVD書き込み可能になった(2008年10月)
CPU Core Duo 1.83GHz Core 2 Duo 2.1GHz
L2キャッシュ 2MB 3MB
最大搭載メモリ 2GB 4GB 2倍に拡大
システムバス 667MHz 800MHz
グラフィック性能 GMA 950(64MB) GMA X3100(144MB)
無線LAN対応 802.11b/g 802.11a/b/g/n より高速な802.11nが利用可能に
ハードディスク 60GB(5400rpm) 120GB(5400rpm) 容量2倍


スペック上は、すべてが良い方向に改善されているようだ。では、実際に体感してみてどうか?

進化を体感した部分

ディスプレイの品質
  • 初代モデルと比べれば、明らかに品質が向上している。
    • 視野角が広くなった。
    • 色階調もより細かく表現されている感じ。
  • おそらく、初代モデルのディスプレイ品質が最悪だったのだと思う。
    • 上下の視野角が狭過ぎ。ディスプレイの角度によって、暗い色はほとんど黒く見えてしまう。
    • スペック上はフルカラー1677万色のはずだと思うが、6.5万色程度しか表現できていない感じ。(よーく目を凝らせば、影に階調変化の境界が確認できる気が...。)
メモリの最大搭載容量
  • 自分の使い方では、メモリが4GB搭載できるようになった価値はものすごく高い。仮想メモリに頻繁にアクセスすることが無くなり、快適な操作が続けられるようになった。
    • そもそも、MacBookを買い替える一番の動機が、このメモリ搭載容量と発熱の問題だった。
  • 初代モデルでは、ちょっと油断するとスワップファイル6個、7個は、あっという間にできてしまった...。
    • そうすると、レインボーカーソルが回り続けて、反応がものすごく鈍くなる。
    • メモリを増設しようにも最大2GBで、4GBを試してみたが起動できない状態だった...。
発熱
  • キー入力時の熱さが全く気にならなくなった。快適だ!冷却ファンも標準の最低回転数1800rpmで問題なし。
  • 初代モデルの夏場は油断してると低温火傷状態になるくらい。
    • 冷却ファンを最高回転数で回してみたり、分解してシリコングリスを塗り直したりと、試行錯誤していた。

退化を体感した部分

スペック表からは読み取れない、以下の部分が気になった。

キー配列とか
  • 同じUSキーボードなのだが、ファンクションキーの特殊機能(音量の大小と消音など)の割り当てが変わった。
    • 慣れの問題もあるのだが、音量とディスプレイの輝度調整を有効にしつつ、日本語変換時にF7〜F10を利用したいが、それができない?
    • 標準のファンクションキーにしてしまうと、音量と輝度調整の時にfnキーを押す必要がある。
  • numlock機能(部分的にテンキー配列にする)は無くなった。(自分はほとんど利用していなかったので問題ないが、ある方が良い)
  • リンゴマークが消えた...。(使い勝手に影響は無いが、寂しさを感じる)
キーボードの質感
  • キータッチが悪くなった。
    • 初代モデルの方が、明らかに剛性感が高く、しっとりしたキータッチだった。
    • 最終モデルは、入力した時のカシャカシャ音が大きくなって、キーチップが軽く安っぽくなった感じ。特にcapslockキーの反応が悪い。しっかり押し込まないと反応しないことが多い。
    • 初代モデルのキータッチを経験したあとで、最終モデルで入力するとガックリする。コストパフォーマンスは良くなったが、それはこうゆう部分で妥協された成果なのかもしれない。

大差ない部分

スピード
  • より高性能な方向に改善されたはずだが、(CPUの種類、クロック周波数、キャッシュ、システムバスなど)自分の使い方では普段の操作上のスピードの変化はほとんど感じない。(初代モデルで十分なスピード(操作感)だったと言える。)
スクロール
  • グラフィックス性能の向上で、スクロールの滑らかさ向上に期待したが、初代モデルと大差ない。
    • Firefoxでスクロールに若干の遅れを感じるのは改善されなかった。(Safariは素晴らしい滑らかさでスクロールしてくれる。)
802.11n
  • 無線LAN接続でTimeCapsule保存時の時間短縮を期待したが、初代モデルも同時に利用する環境では802.11n 5GHzの運用にできず、802.11b/g互換では接続速度の差は体感できなかった。
    • バックアップの転送容量が多い時は、有線接続してまうことが、最良の解決策だと思った。
    • 経験上、無線LAN < 有線LAN < USB2.0 < FireWire400 の順に右側ほど高速だと感じた。(理論上はUSB2.0の方が高速なはずなのに)

予想外に快適な初代モデル

  • その後、初代モデルは家族共用のマシンとして再デビューすることになった。OSを初期化インストールして必要最小限のソフトウェアしかインストールしていない現状では、予想外に快適に利用できている。
    • 常時起動しているのは、OSX標準のMailとSafariiPhotoiTunesくらい。今まで問題だったメモリ不足には全くならない。ファストユーザースイッチでもう一人ログインしても快適だ。
    • おそらく最低限のソフトウェアしかインストールされていないのが良いのだろうと。人間、便利さを追求すると欲張りになるが、ちょっと我慢して質素に利用することも大事なのかも...。

今後の買い替えで求めること

  • メモリ搭載容量は大事。可能であれば8Gとかそれ以上を搭載したいところ。常に最大搭載容量を目指したい。
  • マシンには、いかに発熱しないで、効率よく稼働するかを求めたい。
    • そういう意味で、新型アルミ削り出しMacBook良い方向に進化して、羨ましい性能だ。
      • 今後は、3Dゲームをやらなくても、GPU性能が大事になってくる。
    • 理想は、冷却ファンも回らず、ハードディスクの回転も無い(SSD)、そんな無音の低価格なマシンが欲しい。
  • キーボードの感触とスクロール性能は重要だと思う。マシンを操作する上で、常に感覚として感じる時間が長いので。
  • 1280×800のディスプレイは狭過ぎ。もし、BTOで広いディスプレイを選べる時は迷わず選択したい。(現状、そのような選択肢は無い。)