無線LAN経由で眠っているMacBookを起こす方法

今まで、有線LAN接続のマシンをスリープ状態から起動する方法は知っていた。*1ところが、一旦無線LANを導入してその快適さを知ったら、ネットワークは無線接続がメインになってしまう。すると、スリープ中のマシンに接続して共有サービスを利用したいのだけど、無線接続のため、ネットワーク経由でスリープから復帰させることが出来きない、という問題に悩んでいた。しょうがなく、マシンのある部屋まで行ってキーボードを触ってスリープを解除したり、特定の時間帯だけは決してスリープしない設定にしたりと、不便を強いられていた。
Snow Leopardで、とうとう、この不便は解消された!無線LAN経由で、スリープから復帰させることができるようになったのだ。(画期的!)アップルはこの機能を「Wake on Demand」と呼んでいる。

Wake on Demand が有効な環境であれば、アクセス先のマシンがスリープ中であっても、システム環境設定 >> 共有 にあるサービスを利用する時、自動的にスリープから復帰して稼働してくれる。また、WakeOnLan で目覚めさせることもできた。複数のMacを利用している自分にとっては、かなり注目の新機能だ。

自分の環境

Wake on Demandに必要な条件

Wake on Demandを有効にするには、以下の条件を全て満たしておく必要がある。

AirMac Exterm あるいは Time Capsule の対応
MacBookのハードウェア対応
  • Wake on Demandに対応していること。
  • 確認するには以下二つの方法がある。
    • システム環境設定 >> 省エネルギー >> 電源アダプタ タブ >> 「ネットワークアクセスによってスリープを解除」と表示されていること。
      • Ethernet ネットワークアクセスによってスリープを解除」になっていると、対応していない。
    • option-リンゴマーク >> システムプロフィラ >> ネットワーク >> AirMac で「ワイヤレス時にスリープを解除:対応」と表示されていること。
      • 上記項目が存在しなければ、対応していない。
    • ちなみに...
      • 2008年10月発売のMacBookは対応しているが、
      • 2006年発売の初代MacBookは対応していない。(CoreDuo)
MacBookのソフトウェア対応
MacBookの稼働状況
  • システム環境設定 >> 省エネルギー >> 電源アダプタ タブ >> 「ネットワークアクセスによってスリープを解除」が、チェックありの状態
  • システム環境設定 >> ネットワーク >> AirMacの詳細... >> 使ったことのあるネットワーク の一番上の無線LANネットワークに接続している状態
  • システム環境設定 >> 共有 で目的の共有サービスが稼働している状態
  • MacBookは電源アダプタで稼働している状態
    • バッテリー稼働ではNG
  • MacBookがモニタを開いてスリープしている状態
    • モニタを閉じたスリープではNG

実験

以上の対応と稼働状況を確認して、すべての条件を満たしたスリープ中のMacBook(ファイル共有を有効にしてみた)にアクセスしてみる。

  • すると、MacBookはスリープ中であるが、アクセス元の(Finderウィンドウの)サイドバーの共有項目にはMacBookが表示されている。
  • それを選択すると、MacBookはスリープから即座に復帰した!
  • アクセス元では、まるで常時稼働中のMacBookにアクセスする感覚で操作できる。
    • ただし、アクセスした瞬間に即座にスリープが解除され、タイムラグなく自然に操作できるのはOSX 10.6環境から操作する時だけ。
    • OSX 10.4環境から操作した時は、スリープが解除されるまで多少の時間が必要で、少し待たされることになる。(約1分、長い!)
  • もちろん、WakeOnLanから利用することもできた。Wake Up! ボタンを押せば、即座にスリープから復帰した。
    • OSX 10.5以前の環境からアクセスする場合は、WakeOnLanを利用した方が無駄な待ち時間が少なくて良いかも。

Wake on Demandがデフォルト設定になる日

Wake on Demandに必要な条件を見ていると、ずいぶん多くのことを気にしなければならないようだが、今後は、OSX 10.6が搭載されたMacが続々出荷されることになる。そのデフォルト設定では、Wake on Demandが有効になるはず。だから、ユーザーが気を付けることは、モニタを開いて、電源アダプタで稼働することぐらいになるはず。Wake on Demandが当り前な環境って素晴らしい。スリープ中のMacBookは、いつでも利用可能な自分専用のエコサーバーに生まれ変わるのだ!

うまくいかない時にやってみる価値のあること

  • Wake on Demandに必要な条件を満たしているか、もう一度確認してみる。
  • MacBookAirMacを、一旦OFFにして、再びONにしてみる。
  • Time Capsule(あるいはAirMacベースステーション)を再起動してみる。
    • Time Capsuleのネットワークに何も接続がないことを確認する。(接続する可能性のあるマシンを電源OFFにしておくのが確実)
    • もし、ハードディスクのアクセス中に作業してしまうと、最悪、工場出荷状態にリセットする必要があるかもしれない...。
    • 電源を一旦抜いて、10秒数えて、再び接続して再起動を待つ。

*1:管理者が Wake-on-LANパケットを送信する方法。WakeOnLan.appを利用すると簡単に実現できる。