テレビをどうやって見るかという問題
先日、テレビが壊れた。6年前に買ったアナログ放送専用のテレビだ。壊れ方としては、突然、画面になにも映らなくなるという状況。電源はオンになるが、チャンネル操作、入力切替、ボリューム操作、画質調整の設定など、出来るはずの操作に何も反応しない...。リモコン電池の交換もしてみたが、状況変わらず。SONY製の液晶テレビである。これが俗に言うソニータイマーという奴かと思ってしまった。
最近、テレビをあまり見なくなった。だから壊れても「まあ、いいか」なんて思っていたけど、やはり生活環境から完全に無くなってしまうと、心に不足を感じる。かといって、今の時期、今更アナログテレビを買うのも馬鹿げている。だから地デジを買おうかとも考えたが、アンテナ立てて、テレビ買ったら、軽く10万円超えるコースなのは分かり切っている。果たして今、テレビにそれだけ投資する価値があるか?
予定では2011年夏までの2年弱、今のアナログテレビでしのぐつもりでいた。その間、テレビとインターネットの関係が変化して、今とは変わった状況になるかもしれない。2年後に状況を見て、その時自分にとってベストな機器や環境を整備しようと考えていた。しかし、残念ながらソニータイマーの方が早かった様だ...。
テレビの見方
ここ最近、自分がどんなふうにテレビを見ているか振り返ってみた。
- ニュース・天気予報
- 朝は見ない。
- 夜に何かのついでに見る。(ながら見)
- ほとんどのニュースは、WEB経由で先に知っていることが多い。
- 映像よりもしゃべりを聞いている感じ。
- 天気予報も、気になる時にいつでもパソコン・iPhoneで即確認できる。
- バラエティ・クイズ番組
- ほとんど見ない。
- チャンネル選局中に、たまたま気になるシーンがあれば、そのまま ながら見する程度。
- ドラマ
- 以前ほど見なくなった。
- 自ら予定して毎週見る連続ドラマは1、2話。
- 他の誰かが見ているドラマを、ながら見することもある。
- その他
- 番組欄を見て、面白そうなタイトルは時間が合えば見ることもある。
- わざわざビデオに録画することはしない。(録ってもどうせ見ないので)
- 面白そうな映画は再放送に継ぐ再放送なので、過去に見ていて話を知っているケースが多い。
- 話題の映画で見たことがなければ意識して見てみたくなる。(例:「おくりびと」など)
よく見るかもしれない番組
具体的に何を見ているのかリストアップしてみた。
- その時、テレビの前に居たら見る番組
- ビートたけしのTVタックル(テレビ朝日)
- NHKスペシャル(NHK)
- プロフェッショナル 仕事の流儀(NHK)
- ガイアの夜明け(テレビ東京)
- 週間こどもニュース(NHK)
- 報道ステーション(テレビ朝日)
- ワールドビジネスサテライト(テレビ東京)
- 大改造!!劇的ビフォーアフター(テレビ朝日)など...
以上、思いつくままにリストアップしてみた。自分がどうしても見たいと思うのは、一番上の「土曜ドラマ」くらい。このNHKのドラマ枠はとっても高品質だと思っている。「ハゲタカ」で初めて意識して見始めて、その後もかなりの確率で、高品質なドラマが続いていると思っている。(気に入らない時期はもちろん見ないが)
それ以外は、その時間に自分がテレビの前にいたら、たぶん見ると思う。(内容によるが)
NHK教育
そして、侮れないのがNHK教育の幼児向け番組。すべてがかなり緻密に計算されていて、高品質だ。出演者もその筋で有名な方々が多い。手抜きを思わせる映像は皆無で、おそらく日本のテレビで一番真面目に制作されている番組なのだと思う。だから、幼児はもちろん一緒に見ている大人も、そのエンターテイメントの世界に引きずり込まれることが多い。
- おかあさんといっしょ
- 歌・踊りのお姉さん・お兄さんが繰り出す歌とダンスのエンターテイメント
- 特に先代のお姉さん(はいだしょうこ)は宝塚出身で抜群の歌唱力、踊りのセンスがあり、ひとつ一つの歌や踊りに感動を覚えた。(天然キャラも魅力の一つかも)
- ドンスカパンパンおうえんだん(ユニクロックのダンス振り付けをしたair:man)
- ピタゴラスイッチ
- 日常雑貨を利用して、ドミノ倒しの連鎖を表現している。
- かなり凝った仕掛けが用意されていて、見ていて飽きない。
- アルゴリズム体操・行進(いつもここから 山田・菊池)
- 自分の動きが、隣の人の動きと連動していて、複数人で並んで体操すると、意味のある動作が見えてくる。
あれあれ?ほとんどテレビを見ないと言っていたのに、こうしてみると気に入った番組は結構楽しんで見ていたことに気付く。そして、子供の横で ながら見していた自分が、いつの間にか幼児番組のファンになってしまっていた。最近、好きな歌は「こころよ(うなりやベベン)」「みいつけた!(トータス松本)」「1より小さい数(うなりやベベン)」など。どの歌もシンプルで分かりやすいメロディーだけど、歌詞には深い意味が込められていて、聴くたびに感動する。子供のために録った番組も、いつの間にか自分のコレクションになりつつある。
MacKeyHoleTV
KeyHoleTVなら、インターネットに接続できる環境にあれば、MacBookでテレビが視聴できる。チューナーとか、アンテナとか、一切必要ない。フリーウェアなのでダウンロードすれば、即テレビを見ることが出来る。素晴らしい技術だ。Snow Leopardになってメモリリークする不具合*1が発生していたが、タイミングのいいことに、2009年11月6日のアップデートで修正された。これで、快適に視聴できるようになった。
- 但し、映像サイズは320×240。秒間のコマ数も制限されて、決して滑らかな動画とは言えない。でも、状況を理解するには十分だ。
- 音質も良くない。でも、話の内容はちゃんと聴き取ることが出来る。音楽もちゃんと聴ける。
つまり、テレビとして必要な最小限の性能は維持されているのだ。だから、ながら見する程度の視聴には十分楽しめる。しかもMacBook(白・2.1GHz)にかかる負荷も予想以上に小さい。
- ネットワーク負荷が、平均して25KB/秒くらい。
- CPU負荷は、15%前後がMacKeyHoleTVに割り振られている。
- メモリ使用量も50MBくらい。
この程度なら、MacBookのファンはほとんど回ることもなく、非常に静か。「なんだ、これでいいじゃないか」と一瞬思った。しかし、ちゃんと見たい番組もあり、もう少し大きな映像で、高画質で見たいと言う欲求もある。何より、NHK教育の幼児向け番組が、せっかくの高画質・高音質で視聴できないのが悔やまれる。もう少し大きな映像を、高画質で、見さてあげたい。
デジタルネイティブの感覚
生まれた時から当り前のように携帯電話やテレビ、パソコンに接してきた世代は、そうした機器に接する時、大人とは明らかに違う世界観・価値観を持っている。
娘(5歳):パパ、テレビ止めて!もう一回観たい!俺:YouTubeじゃないから止められないの 娘:なんで?…じゃ、ねこちゃんが観たい!俺:テレビは検索できないの 娘:意味わかんない!……みなさま、これが本当のデジタルネイティブです
http://twitter.com/suzukinao/status/5699705145
正にこんな感じで、同じ映像なのに、どうしてパソコンはいつでも好きな時に繰り返し見られて、テレビはその時間じゃないとダメなのか?と考えているようだ。同じ映像を流す機械なのだから、パソコンもテレビも区別がないのだ。見たい時に、見たい番組を、見たいだけ繰り返したい、という原始的な欲求が底辺にあり、ベストなのはその欲求を満たしてあげること。(もちろん、時には我慢することも覚えてもらいたいのだけど)そうゆう環境を整えてあげたいと思った。
Capty TV Hi-Vision 導入
デジタルネイティブの感覚を満たしてあげるには、手軽に移動できるノートパソコンで試聴するのがベストだと考えた。結局、2台あるMacBookの1台で、地デジを試聴することにした。MacBookで利用できる地デジチューナーの選択肢はそれほど多くない。ソフトウェアの使い勝手の良さそうな、Capty TV Hi-Visionを購入することにした。
また、アンテナについては、様々なページのレポートを読んでいると、従来のVHFほど大掛かりなアンテナは必要なく、都市部であればかなりの確率で室内アンテナでも用が足りてしまうらしい。室内アンテナなら兼価だし、試してみる価値は十分あると思い、Amazonで即購入。
結局、地デジを見るための追加投資は以下の3点。計¥22,251-で地デジ環境が整った。
- CaptyTV Hi-Vision PIX-DT181-PU0 > 地上デジタルテレビ放送キャプチャ - ECカレント ¥18,239-
- Amazon.co.jp: YAGI 地上デジタルアンテナ: 家電・カメラ ¥3,472-
- Amazon.co.jp: PLANEX F型ネジ固定式アンテナケーブル: 家電・カメラ ¥540-
商品が到着して、それぞれを早速セットアップ。試してみる。
- MacBookに視聴ソフトウェアStationTV LE.appをインストール。
- Capty TV Hi-Visionに添付されていたB-CASカードを挿入。
- MacBookとCapty TV Hi-VisionをUSB 2.0で接続。
- Capty TV Hi-Visionと地デジアンテナをアンテナケーブルで接続。
- StationTV LE.appをダブルクリックして起動。
- シリアルIDなど初期設定をして、受信できる局のサーチが完了すると...
あっさりと高品質な地デジ映像がMacBookに表示された!(感動ーーー!)
- かなり美しい映像だ。今までMacBookで再生した映像で一番品質が高い。
- その代償に、かなりのCPUパワーが必要とされる。(初代MacBook、動作クロック:1.83GHz、メモリ:2GB の場合)
- 録画なしの受信だけで50%前後、録画や再生をすると70%前後のCPU稼働率になる。常に冷却ファンが唸って回る。(6200rpm、84℃)
- つまり、CPUの性能を無駄なく使っている訳だ。映像が高品質だから、CPUに負荷がかかるのは仕方ないことだと思っている。(初代MacBookにおいては)
これで、MacBookで地デジを試聴するという当初の目的は達成できた!WEBで発注して、その二日後にはもう地デジ環境が整ってしまった。今時の通販は迅速だ。価格も、送料込みで考えても十分納得できる。何よりも、こんな簡易なアンテナとチューナー一つで、これだけ高品質な映像が見られてしまうことに驚いた。
Capty TV Hi-Vision 雑感
- USBから給電するので接続が簡単。取り回しが楽だ。本体も想像以上に軽い。
- アンテナは東向きの窓際に置くと、感度が最も良くなった。(ちょうどザリガニの水槽の上がベストポジションだった。常に60以上。)
- さすがに、部屋の中央付近は受信感度が低く、視聴することができなかった。
- 窓際であれば、全局問題なく受信できた。
- おまけに、今まで視聴できなかったUHFの地方局と放送大学も受信できるようになった。
- 番組の視聴はもちろん、ハードディスクに録画もできる。(1時間の映像で、7.7GB程度必要)
- アップルリモートをリモコンとして利用できる。(選局、音量調整、録画、再生、早送り、巻戻し)
- 予約録画もできる。電源オフのMacBookから、時間になるとMacBookが起動して、StationTV LEが実行され、録画が終了すると再び電源がオフになる。
- 録画中の番組を、追っかけで再生することもできる。(かなり便利)
- 録画した映像はDVDに書き出すことができる。(但し、CPRM対応メディアに10回まで)
- マルチユーザーには対応していない。(ファストユーザースイッチで切り替えて、複数ユーザーで同時に利用できない)
- 画面共有・画面キャプチャのソフトウェア利用中は、視聴を制限される。(利用中はStationTV LEに映像が映らない)
- 録画した映像のコピーは制限されている。(ダビング10)
- 録画した映像を再生するには、録画した時のCapty TV Hi-VisionをUSB接続しておく必要がある。(アンテナの接続は不要)
- CMカット、特定のシーン抽出などの編集も出来ない。
著作権保護のためらしく、うざい制限があるが、MacBookでテレビを見る、録画したものをそのまま再生する、というシンプルな欲求は概ね満たされた。これで十分かもしれない。
*1:試聴していると、もりもりメモリを確保しまくり、30分試聴するだけで軽く4Gのメモリを使い切ってしまう...。