ローパスフィルタは何をしているのか?
D40 ローパスフィルタの黒いシミ問題は解決され、再び、清々しい気分で気持ち良く撮影できるようになった。ところで、今までCCDだと思っていた部分は、ローパスフィルタと呼ばれていた。たぶん、CCDの上にローパスフィルタが乗っているのだと思うが、何のために?どんな仕事をしているのか?調べてみた。
デジタルカメラの仕組み
カメラの歴史は非常に古く、検索すると達人たちが深く、詳細に掘り下げた記事が山ほど見つかる。もはや、自分のような素人が下手に書き直す必要性は全くない。参考にさせて頂いたページへのリンク(感謝です!)と、自分の理解した内容のみ書くことにした。
- カラーフィルムの構造は、3層、あるいは4層の色別に感光する層構造になっている。
- 一方、多くのデジタルカメラでは、CCDやCMOS(フィルムに該当する部分)は単層構造である。
- しかも、CCDやCMOSは、色を感じるのではなく、光の強弱しか検出できない。
- つまり、CCDやCMOSは、そのままでは白黒フィルムなのだ。
- そこで、色を検出するためにCCDやCMOSの上にカラーフィルタを並べて、検出するようにしている。
緑赤緑赤 青緑青緑 緑赤緑赤 青緑青緑
- 上記のような配列をベイヤー配列と呼ぶらしい。
- 緑が多いのは、人間の目が緑に敏感だから、それに合わせてらしい。
- レンズから入った光は、このベイヤーフィルタで色分けされるのだ。
- ところが、運悪く赤青緑のフィルタの位置にそれ以外の光が差し込んでしまうと、その光は透過されず真黒になってしまう。
- 本来は、黒ではない何らかの光があるにもかかわらず。まあ、真黒になってしまうのは極端な話しだが...
- 画素と同程度の細かな変化があるモノだと、正確な色再現ができず、モアレと呼ばれる縞模様が発生しやすい。
- 上記のような現象を抑えるため、ある1画素に入力する光を周辺の4画素にぼかすフィルタを追加した。
それがローパスフィルタ!
- しかし、欠点もあって、せっかくいいレンズを通った精度の高い光をぼかしてしまうので、解像度が落ちてしまうらしい。
- その解像度を補ったり、周辺の画素から補完して元の色を再現するのが、画像処理エンジンの役割。
フィルムのように感じるCMOS
- 一方、フィルムと同じ3層構造のFoveon X3と呼ばれるCMOSセンサーもある。
- 1画素で3色を検出するので、原理的にはローパスフィルタが不要と言われている。
- その解像度、色再現性はサンプルを見る限り、実に素晴らしい。
- Foveon X3の解像度は343万画素と、今時の1000万画素当り前の時代には一瞬見劣りしてしまうが、
- ベイヤー配列方式のCCDが、4画素で赤青緑を補完して、計算で色を再現していることを考えれば、
- その解像度・色再現性は、ベイヤー配列方式を凌ぐ感じ。
- ところで、ニコンやその他のメーカーもサンプルを見る限り、実に素晴らしい。
- 要は、そのカメラの特性を最大限活かして、いい絵を撮る腕が大事ということかもしれない。
- そのカメラの得意な被写体、苦手な被写体というのもあるかもしれない。