身体に染み入るジンジャーエールの作り方

ジンジャーエールを作りたくなった。

きっかけ

事情があって、最近よくノンアルコール系のビール風飲料(ノンアルコールビール)を飲む機会が多かった。ところが、ビールの代わりと期待して飲んでみると、どう考えても出来損ないのジンジャーエールにしか思えない...。ビールという表現を表に出さず、新種のジンジャーエールとして出てくれば、もっと美味しく飲めた気がする。

そうか!ならば、こちらも最初からジンジャーエールを注文すれば良いのかもしれない!そう思ってジンジャーエールを注文。ジンジャーエールなんて久しく飲んでいなかったので、新鮮な感覚で美味しく飲めた。(大手飲料メーカーのドライ・ジンジャーエールを飲んだ)しかし、所詮甘いジュースである。

そもそも、ジンジャーエールのジンジャーが生姜を意味すると知った時、なぜ?と思った。どう考えても、生姜の味?しないのに。田舎のばあちゃんが作る生姜湯は、もっと強烈に生姜の風味を醸し出している。子供の頃は薬と諭されて、飲まされていた。大人になった今、それを炭酸で割って飲んだらどう感じるのだろう?本物のジンジャーエールになるのではないか?しかし、その味は未知である。

そう思って検索してみると、やややっ、手作りジンジャーエールのレシピが、わんさかヒットした!手作りジンジャーエールは相当旨いらしい。

      • ちなみに、一般に出回っているドライ・ジンジャーエールの「ドライ」はマイルド(辛さを抑えた甘口)を意味するようだ。(日本でビールのドライ=辛口とは反対の意味)だから甘いジュースと感じる。世の中には辛口でもっとパンチの効いたジンジャーエールも存在するようだ。

レシピの選択

では、数あるレシピの中から、どれを選ぶか?悩んだのだけど、「脳内で鮮烈に味を再構築できる...」という表現に惹かれて、以下のページで紹介されているレシピを使わせて頂いた。

もう、なんというか、いまこの瞬間にも、脳内で鮮烈に味を再構築できるくらい印象的な味に仕上がったですよ!

www.さとなお.com(さなメモ): めっちゃうまい自家製ジンジャーエールの作り方

材料

本来のレシピの材料 自分が用意した材料 購入先
生姜 200g 皮が褐色の生姜(古生姜) 近所のスーパー
黒砂糖 200g きび砂糖 近所のスーパー
水 300cc
青切りレモン 1個 国産の黄色いレモン 1個 近所のスーパー
ブラックペッパー 10粒 近所のスーパー
シナモンスティック 1本 近所のスーパー
クローブ 6粒 インド食材店
カルダモン 6粒 インド食材店
炭酸水 近所のスーパー

      • 生姜/レモン
      • シナモン
      • ブラックペッパー/カルダモン/クローブ


      • きび砂糖


    • 近所のスーパーで購入
      • シナモンスティック
      • ブラックペッパー


道具

  • レモン絞り器
  • ざる
  • ざるを受けるボール

作り方(ジンジャーシロップ)

  • 生姜は皮ごと使うので、よく水洗いしておく。
    • 傷んでいるところはなどは、指で強めに擦って、剥がした。
  • スライサーで生姜を皮ごと薄くスライスして、鍋に入れる。

  • 上記の鍋に、砂糖を投入して、よくまぶす。


  • 砂糖による浸透圧によって、30分ほどで水分が出てくる。

  • 焦らずに、そのまま一晩置く。


翌朝...

  • カルダモンの皮を剥いておく。(中の実だけを使う)

  • 上記の鍋に、水・シナモン・ブラックペッパー・カルダモン・クローブを投入して、中火にかける。
  • 沸騰したら、弱火で20分ほど煮る。
    • 最小の弱火で、控え目な沸騰状態を維持する。(決して盛大に沸騰させてはいけない)


煮ている間...

  • レモン絞り器でレモンを絞っておく。


20分後...

  • 上記の鍋に、レモン汁を加えて、かき回す。
  • 一煮立ちしたら、火を止めて、冷ます。


冷めたら...

  • ざるで濾して、保存する。
    • ざるは鍋と同じくらいの大きさがいい。
    • そのまま保存容器で受けたい衝動に駆られるが...
    • 小さな器で受けると溢れるので、やめた方がいい。(ハイ、溢しました)


作り方(ジンジャーエール

  • ジンジャーシロップと炭酸水を冷やしておく。
  • ジンジャーシロップと炭酸水の割合は、1:3から1:4くらいが目安。
    • 例:ジンジャーシロップ大さじ2:炭酸水90~120ml
  • 先にジンジャーシロップをグラスに入れる。
  • その後、炭酸水を注ぐ。

試飲

グビッと一口飲むと、今まで経験してきたジンジャーエールとは全然違う!

  • 生姜の風味を強烈に感じる。
  • 生姜・スパイス・炭酸の辛さが合わさって、パンチの効いた爽快な喉越しになっている。
  • そのまま一気に飲み干すと、ジンジャーエールが通過した部分に、じわっと熱気を感じ始める。
  • 喉の奥、食道から胃へと、順にその熱気は広がっていく。
  • その後、その熱気は徐々に弱まり、ジンジャーエールが身体に染み込んでいくような感じ。

うまい!

  • これ、アルコールは含まれていないのだけど、確実に食前酒の代わりに通用する。

アレンジ

新生姜vs古生姜
  • この時期、新生姜も出回っている。
  • 新生姜の瑞々しさを見ていると、試さずにはいられなくなる。
  • さっそく、新生姜で試してみると...

ドライ・ジンジャーエールになってしまった...。

  • 市販のものよりは生姜を感じるのだけど、自分としては失敗作。
  • 新生姜は、生姜臭さとか辛みが弱いらしいので、パンチの効いたジンジャーエールにはならないようだ。


という訳で、お勧めは古生姜(ひね生姜)

おろすvsスライス
  • ジンジャーエールのレシピは、二つに大別できる。
  • 生姜を擦りおろす方法とスライスする方法である。
  • 感覚的には擦りおろした方が、生姜のエキスを余すところなく抽出できそうな気がする。
  • 擦りおろした時点でほぼ液体になるので、一晩寝かす必要もないし。
  • さっそく、擦りおろす方法で試してみると...

スライスした方が、生姜の風味をより強く感じた。

  • 擦りおろした方が、生姜エキスが濃くなりそうなのに、なぜだろう?

以下は、自分の勝手な想像。

  • 擦りおろす過程で、生姜の香りが気化して飛んでしまうのかもしれない。
    • 擦りおろしていると、強烈な生姜臭が充満していた。
  • 一晩寝かせる浸透圧による抽出は、想像以上に強力なのかもしれない。
    • 浸透圧という物理法則に長時間さらすことで、擦りおろし以上の抽出効果があるのかもしれない。
    • 巨大な大木も浸透圧の力によって、てっぺんまで水を吸い上げ、数百年以上も生命を維持している。
  • 北風と太陽の童話を思い出した。(どちらが先に旅人のコートを脱がせられるか、北風と太陽が競争した話)
    • 北風は、服を吹き飛ばそうと強烈な風を吹き付けた。しかし、あまりの寒さに旅人はボタンをかけ直して、服を脱がすことは失敗に終わった。
    • 太陽は、穏やかな天気でただひたすら照らし続けた。すると、旅人は次第に汗をかき始め、やがて自らコートを脱いでしまった。太陽の勝ち。
  • 擦りおろすのは北風の技。スライスするのは太陽の技。
  • 外部からの力技よりも、内部に宿る性質を利用した方が、物事はうまく進む。


という訳で、お勧めはスライス

      • スライスする方が手間もかからないし。