駐車違反の弁明書が認められるまでの経過

発端

  • 平成21年8月21日
    • 放置車両確認標章がフロントガラスに貼付けられる。(ガーン)


言い訳

  • 出発前に目的地の駐車場は確認しておいた。
  • 予定通り目的地に到着した。しかし、平日その駐車場は閉鎖であった。
  • 仕方なく、その他の駐車場所を探す。ところが、近くに駐車場は無し。
  • そこで路上に目を向けると、今走って来た道には、車がスッポリ収まる十分な幅の路側帯が延々と続いている。(一本の白線で道路表示されていた。)
  • 周辺には駐車禁止の道路標識もない。(今まで走って来た道をUターンして、十分確認した。1往復した。)
  • 路側帯には、乗用車や大型トラックがまばらに停まっている。
  • その道路は交通量も少なかった。前後に車が走行していないので、路上で切り返しをしながらのUターンも簡単に出来た。
  • 以上の状況判断から、路側帯の内側に駐車することを決意する。(他の迷惑にならない様、細心の注意を払ったつもり。)
  • ところが、1時間後に車に戻ってみると、黄色い紙に「駐車違反」と書かれたステッカーが無情にも貼付けられていた...。
      • 右上が閉鎖されている駐車場
      • 左車線のみ、幅広の路側帯が続いている。



  • なぜこんなところで駐車違反になるのか、一瞬理解できなかったが、40m程先に停車していた大型トラックが移動すると、そこには駐車禁止の道路標識が見えた。トラックの陰に隠れていたのだ...。
  • 見落としだ。悔しかった。もう一度、今度は徒歩で周辺を確認してみる。確かに、駐車位置の手前200m以上にわたって駐車禁止の標識はない。
  • しかし、さらに手前へ歩いて行くと、駐車禁止の標識発見。
  • 駐車位置の40m先は、見落としていた駐車禁止の標識。(横断歩道の近く)
  • そして、100m先は路側帯の幅が狭くなる。そこにも駐車禁止の標識があった。
  • 以上すべての駐車禁止の標識には、区間表示はなかった。


  • 悔しかったが、駐車禁止の標識があったのだから仕方ない...。違反は違反だと、その時はそう思った。
  • しかし、帰宅後考えてみて、ふと疑問を感じた。
  • なぜ、路側帯に十分な広さがある、交通量の少ない、あのような道路で駐車禁止なのか?
  • 公園は路側帯に接するように造成されており、まさに公園に用がある人のための駐車スペースにも見える。
  • もし、本気で駐車禁止にしたいなら、路側帯の幅をもっと狭めておくべきである。少なくとも車がスッポリ収まる幅なんて、必要ないはずである。
  • これじゃまるで、駐車違反を誘う罠のようだ。そんな場所で取り締まる行為には、悪意さえ感じる。
  • こちらは最初から悪質な路上駐車をするつもりは全くなかった。細心の注意を払って、なるべく迷惑がかからない場所を探して駐車したつもりである。
  • そもそも、車というのは、駐車する場所があって、初めて役立つ乗り物だ。動かしたら、どこかに駐車しなくてはならないのだ。
  • こんな状況で駐車違反をとられていたら、車の利用価値なんてなくなってしまう。(車離れの理由は、こんなところにもあるのかもしれない。)
  • 放置車両確認標章のお知らせによると、自分には弁明の機会が与えられるそうだ。それなら徹底的に戦うことにしようと、決意した。
  • この弁明の目的は、他の交通の妨げにならない状況でありながら、些細なことでも違反として、とにかく一律に集金目的で取り締まる現状に対するささやかな反抗である。
  • 弁明の結果、最終的に違反金の納付命令が送付されなければ、こちらの勝利である。
  • もし納付命令が送付された時には、素直に負けを認めて支払うことにしよう。(15000円)

弁明の方針

  • WEBで検索すると、どうやら弁明では人情に訴えるやり方は通用しないようだ。
  • 駐車場が満車だった・近くに無かった、急なトイレに行っていた、ほとんど車が通らないから問題ないんじゃないか、全て却下されるようだ。
  • だから、上記で書いたように、他の交通の妨げにならない状況でありながら、些細なことでも違反とする、集金目的の取り締まりだと批判しても、弁明が認められることはないのだ。
  • あくまでも法律を適用して、問題ない駐車である、と論じる必要がある。相手は法律に基づいた駐車取締をしているので、法律を武器とすることで、最も効果的に弁明することができると考えた。
  • まず、放置車両確認標章をもう一度、詳細に再読する。
登録(車両)番号 □□□XXX□XXXX 号の使用者 殿
  • 間違いない。自分の車だ。
  • 違反状況には、日時・場所・態様が記載されている。
    • 日時と場所には間違いない。
    • 態様には、以下の通り記載されていた。
《放置》駐車違反 指定
指定駐車禁止(45条)
禁止場所放置(指定)
規制時間(終日)
  • 車のナンバー、日時、場所については、弁明の余地のない事実であった。(もし間違えていたら、そこを弁明で攻めるられるのだが。)
  • よって、弁明できるとすれば、態様に記載される部分である。
  • この部分で駐車違反でなかったと、証明できれば良いはず。しかし、法律に疎い自分に、果たしてそんなことが出来るのだろうか?

思考1

  • 駐車した位置は、前後250mに渡って駐車禁止の標識がない区間である。
  • しかも、その沿道にある駐車禁止の標識には、区間表示がない。
  • 区間表示がない場合、その標識の効力はどうなるんだろうか?
  • もしかしたら、駐車した位置は、駐車禁止の効力が及ばない位置だったのではないか?
  • しかし、この予想は無惨にも否定された。
  • 区間表示がない場合、その標識は区間内であることを意味するらしい。(近くの交番を訪問して警察官に確認した。)
  • それでは区間の始まりを示す標識はあるのだろうか?
  • それがなければ、その点で攻略できるのではないか?
  • しかし、この発想も無惨に否定された。
  • Google Mapのストリートビューで確認してみた。
    • 画像が荒いので非常に確認しづらいのだが、幹線道路との交差点まで戻ると、そこには区間の始まりを示す駐車禁止標識が辛うじて確認できた。
  • また、仮に区間の始まりを示す標識がなかったとしても、そのことで駐車禁止の効力が及ばなくなる訳ではない。おそらく攻略ポイントにはならないだろう。

思考2

  • やはり駐車違反は認めざる得ない事実かと、半分諦めかけていた。
  • 事の発端から一週間すると、弁明通知書と放置違反金の仮納付書が郵送されてきた。


  • 弁明のある人は弁明して、ない人は仮納付書で支払ってしまえばそれで終わりだよ、ということらしい。
  • 弁明通知書は、自分に弁明の機会があることをお知らせする書類である。
  • そこには納付命令の原因となる事実が記載されていて、違反態様「道路交通法第45条1項」となっている。
  • どうやら自分は、道路交通法第45条1項 に違反したことになっているらしい。
(駐車を禁止する場所)
第四十五条  車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。
一  人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から三メートル以内の部分
二  道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から五メートル以内の部分
三  消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽の側端又はこれらの道路に接する出入口から五メートル以内の部分
四  消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置又は消防用防火水槽の吸水口若しくは吸管投入孔から五メートル以内の部分
五  火災報知機から一メートル以内の部分
  • 上記条項を読みながら、学生時代の出来事を思い出していた。
  • アルバイト仲間とつるんで、海に行った時のこと。
  • 車とバイク数台で分乗して、着いたところが辺ぴな岩場の穴場的な海。
  • 当然、駐車場などないので、路上駐車した。駐車禁止の標識のある道路であった。
  • 運良く、路側帯が部分的に広くなっている箇所があり、車はそこに停めた。
  • そこから路側帯は、徐々に狭くなる。バイクは狭まる路側帯の途中に順に停めていった。
  • 暫しの海を楽しんで、戻ってきて目にしたのは、駐車禁止を張られたバイクであった。
  • 1台だけ路側帯の白線を若干オーバーして、道路にはみ出ていたのだ。そのバイクだけ、駐車禁止を張られていた。
  • 悪ふざけでみんな大騒ぎして、そのバイクの持ち主を馬鹿にした。笑い話だ。
  • ちなみに、厳密に今回の駐車状態を測定したら、道路交通法第45条1項以外にも違反している法律があるかもしれない。
  • しかし、この弁明で必要なのは、道路交通法第45条1項に違反しているという指摘を覆すだけで十分である。
  • だから、そのことだけに集中して弁明し、それ以外のことについては一切触れない方針で書くことにする。

弁明の書式

  • 自分なりには、かなり理論的に筋が通っている気がする。あとは上記の理解で導かれたことを弁明書に仕上げるだけだ。
  • 弁明通知書によると、弁明書の書式は自由で、氏名・住所・連絡先・弁明の件名*1と内容を記載すれば良いとのこと。
  • 書式は自由とのことだが、おそらく、ビジネス文書の書式で書いておけば間違いないだろう。
  • 自分に弁明の機会を与えてくれた、弁明通知書が良いお手本になる。
  • また、ビジネス文書に余分な感情は不要である。今回の駐車違反取締について、言いたいことは多々あるが、弁明のための事実と論理のみ記載することにした。
  • そして、弁明を認める・認めないを判定するのは人間である。最低限の敬意を払って、ですます系の敬体で書くことにした。(民間のビジネス文書と同じ)


平成21831

□□□公安委員会 御中

□□ □□

□□□□□□□□X-X-X

電話:XXXX XXXX XXXX


放置違反金の納付命令に関する件(第 XX-XXX-XXXXXX-XXXXXX 号)


貴方より8月27日付の弁明通知書を受領しました。それにより弁明の機会を付与されましたので、下記弁明を記載します。



弁明:

貴方の弁明通知書によると、納付命令の原因となる事実に「違反態様:道路交通法 第45条第1項 違反」と記載されていますが、私は以下の理由により「道路交通法 第45条第1項」には違反していないと認識しています。


理由:

道路交通法 第45条第1項を確認すると、以下のように定義されています。


「第45条 車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。

1.人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から3メートル以内の部分

2.道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から5メートル以内の部分

3.消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽の側端又はこれらの道路に接する出入口から5メートル以内の部分

4.消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置又は消防用防火水槽の吸水口若しくは吸管投入孔から5メートル以内の部分

5.火災報知機から1メートル以内の部分」


「道路の部分においては、駐車してはならない」と書かれていますが、ここで言う「道路の部分」とは具体的に道路のどの箇所を指しているのでしょうか?その定義は、同法第17条にあります。


「第17条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第47条第3項若しくは第48条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。

2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。

3 二輪又は三輪の自転車(側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)以外の車両は、自転車道を通行してはならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ないときは、自転車道を横断することができる。

4 車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第9節の2までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。

...以下省略...


上記下線を引いた箇所の定義より、歩道等(歩道又は路側帯)と車道の区別のある道路においては、「道路の部分」とは「車道の部分」であると理解できます。そして、同法第2条第1項で「車道」と「路側帯」は明確に区別されています。


「第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

1.道路

道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路、道路運送法(昭和26年法律第183号)第2条第8項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。

2.歩道

歩行者の通行の用に供するため縁石線又はさくその他これに類する工作物によつて区画された道路の部分をいう。

3.車道

車両の通行の用に供するため縁石線若しくはさくその他これに類する工作物又は道路標示によつて区画された道路の部分をいう。

...中略...

3の4.路側帯

歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。

...以下省略...


私は、貴方の指摘する納付命令の原因となる事実の日時・場所において、車両が完全に路側帯の中に収まるように駐車しました。(当該駐車場所には「歩道」が設置されていません。よって、そこは路側帯であると認識しています。)「車道」に駐車した事実はありませんので、駐車禁止の道路標識等が設置されていても違反にはならないと認識しています。また、同法45条1項の1号から5号で定義するその他の道路の部分にも当たらないと認識しています。

以上

郵送手続

  • 弁明書はA4用紙2枚になった。印刷して、自分の名前の箇所に捺印した。
  • 弁明書の提出先は弁明通知書に記載されている。
  • また、仮納付書中段部分を切り取って、弁明書に同封した。(弁明通知書に、事務処理上必要なので一緒に送付して欲しいと書かれていた。)
  • 郵送方法は、特定記録を選択した。通常料金に+160円で、先方の郵便受箱に到着するまでをWEB上で追跡できる。
  • 翌日、追跡サービスで弁明書の到着を確認できた。(素早い!)
  • あとは、弁明が認められるのをひたすら待つだけ。

弁明の照会

  • 頭に来ることに、弁明が認められても、認められたという通知はされないらしい。
弁明が認められた場合は放置違反金の納付命令は行いませんが、弁明に対する個別の回答はいたしません。
  • 納付命令が行われないだけでは、いつまでたっても弁明が認められたのかどうか、確実には分からないのである。
  • あれから約1ヵ月が経過した。そろそろ結果が出た頃ではないか。そう思って郵送先の代表番号に問い合わせてみた。
  • 電話してみると、代表番号は要件によって番号選択するコールセンターだった。
  • 必要なプッシュ操作をして、弁明書について問い合わせ先のオペレーターに転送された。
--自分:「弁明書を提出したのですが、それが認められたかどうか、確認したいのですが。」
--オペ:「弁明の内容について個別にお答えすることはできませんが、今後の処理が実行されるかどうか確認することはできます。」
--自分:「弁明が認められた場合、弁明者に認められた通知はされるのですか?」
--オペ:「通知されません。その後の処理が停止されるだけです。」
--自分:「その後の処理とは、違反金の納付命令ですよね。それが停止されたら、弁明書が認められたと考えていいんですね?」
--オペ:「そうゆうことになります。」
--自分:「それでは、現在の処理状況を確認してください。」
--オペ:「かしこまりました。それでは、弁明通知書の番号をお願いします。」
--自分:「xx-xxx-xxxxxx-xxxxxx」です。
--オペ:「少々お待ちください...。」
--オペ:「お待たせしました。はい、今後の処理は停止されています。」
--自分:「それはこの件についての納付命令が永久に行われることがない、ということですか?」
--オペ:「そうゆことになります。」
--自分:「弁明が認められたと考えていいんですね?」
--オペ:「そうです。」
--自分:「ありがとうございました。失礼します。」
--オペ:「失礼致します。」
  • 以上の会話から、弁明は認められたと理解した。(嬉しい!苦労が報われた。)
  • ところで、上記のやり取りを見ると、どうもオペレーターは「弁明は認められました」と答えてはいけないらしい。
  • 一言「弁明は認められました」と伝えてくれれば、半分以下の時間で通話が完了するのに。
  • どうしてこんなに遠回しな物言いをするのか...。
  • 自分もオペレータさんも、聞きたいこと・言いたいことは一つなのに、いつまで経ってもそこ辿り着けない、もどかしさだけが残る。
  • そもそも、コールセンターを設置して、オペレーターを常駐させるのなら、弁明が認められた場合に通知(郵送)するようにした方が、遥かに効率的だ。
  • 何故、弁明が認められた通知をしないのか?官の考えることは謎が多い。
  • 駐車違反取締を民間委託して、些細(悪質でない)or無実の駐車違反の言いがかりをつけて、無駄なコールセンターを設置する。
  • 日本の経済成長率GDPは向上するかもしれないが、無実の運転者を数ヶ月に渡って精神的に苦しめる。(弁明が認められて、ちょっと強気になってる。)
  • また、文章では伝わらないが、オペレーターの方もこちらの一言一句に少しおどおどした感じで、かなり疲れている様子だった。
  • もし日本の国全体の幸せ指数というのがあるとしたら、確実に低下していると思う。
  • 弁明が認められたということは、今回の駐車取締は誤認だったということだ。
  • 一言「今までお手間を取らせて、申し訳ありませんでした。」くらい、普通の会社だったら出てくるはずなのに。上記の会話の流れからは、期待できない...。
  • 最後に自分が「ありがとうございました」と言いながら、疑問を感じていた。

違反点数について

  • 駐車違反の取り締まりが民間委託された現在の制度では、放置車両確認標章が貼付けられた場合、その後の手続きに2通りの方法がある。
    • 管轄する警察署に出頭して、手続きを行う。
      • 違反金の納付 + 違反きっぷによる減点
    • 公安委員会からの放置違反金の仮納付書の郵送を待って、手続きを行う。
      • 違反金の納付のみ
  • 明らかに、警察署に出頭した方が割が悪い。違反きっぷによる減点までされてしまうのだから。(民間委託される前は、すべての駐車違反で減点されていた。)
  • 現行の制度に変わるにあたり、駐車違反で運転者の責任だけでなく、所有者の責任まで追求することになった。
  • 公安委員会での手続きは、おそらく所有者の責任としての違反金のため、減点対象ではなくなったと考えられる。
  • web上には、自分が運転者であれば、警察に出頭して違反きっぷによる減点を受けるべきとの意見もあるが、
  • 実際に警察署に出頭しても、今すぐ警察で手続きをするか、公安委員会からの通知を待つか、選択する権利を与えられるそうだ。(交番で確認した。)
  • 認められた権利は、最大限有効に利用するべきで、迷わず公安委員会からの通知を待った方が得策だ。
  • 減点されなければ、ゴールドあるいはブルー免許も維持されるのだから。(免許更新時の手続きが簡略化されるのだから)
  • ただし、駐車違反を繰り返して、公安委員会での処理を繰り返していると、車の使用停止命令を受けることになる。
  • 警察で違反きっぷの減点を繰り返せば、いずれ免許停止処分になるのと似ている。抜け目なく、よく考えられた制度だ。

所感

  • 弁明書を提出するまでに、現場を確認するために計二回、現地に足を運んでいる。
  • 一度は早朝に現場近くの交番を訪ねて、居合わせた警察官3人と駐車違反についていろいろと質問させてもらった。(体格の良い3人を相手にするのは迫力負けして大変だった。)
  • 結局「この区内に駐車禁止でない道路なんてないよ。」という警察官の発言に、「そうですよね。」と返すしかなかった...。
  • 弁明書を提出するまでにかかった時間と手間を考えれば、それは15000円以上になってしまうかもしれない。
  • 今回は、運良く弁明が認められたが、疑わしき場所には駐車せず、駐車違反を取られないことが一番である。


ブックマークコメントへの返信

  • > RRDさん:左75センチ空けてないから駐車違反には変わらない。正しくは白線をまたいで止める。
    • その通りです。自分でも無余地駐車違反の可能性を考えました。
    • そのため、現地に赴き、現場の路側帯の幅を計測しました。
    • 結果、路側帯の幅は245cm(75cm+170cm)ありました。(絶妙な幅です。神が味方した感じ。)
    • 駐車違反を指摘された車は5ナンバー枠ですから、うまく駐車すれば、路側帯の中で左75cmの余地が確保できる訳です。
    • 取り締り時、左余地を計測していない限り、75cm無かったとは証明できないはずです。
    • また、偶然にも車には臨月に近い妊婦も同乗していたので、左側の余地は可能な限り広く取って駐車しました。
    • もしかしたら、左75cm確保できていたかもしれませんが、今となっては確認する方法がありません。
    • 今回、もし無余地駐車違反として、左余地を計測されて取り締まられていたら、おそらく弁明の余地はなかったでしょう。
    • しかし、今回の違反は「道路交通法第45条1項 」に対する違反です。
    • それを覆すには、必要最小限の今回の弁明で十分だと考えました。
  • > RRDさん:法解釈の作業って一種の数学パズルみたいなものだから実は理系と相性がいい。
    • 今回、道路交通法を理解しようと試行錯誤しながら、そう感じました。
    • 一種のコードリーディングと同じですね。
    • しかも、オブジェクト指向のようにクラス定義が拡張されていたりして、元のクラスを見ただけでは詳細は分からない...。
    • Railsソースコードを読む感覚に近いですね。
    • 例えば上記の左75cmの余地を確保する規定さえも、道路交通法で直接規定されている訳ではないのでした。
    • 道路交通法47条3項
車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
(路側帯が設けられている場所における停車及び駐車)
1 法第47条第3項の政令で定めるものは、歩行者の通行の用に供する路側帯で、幅員が0.75メートル以下のものとする。
2 車両は、路側帯に入つて停車し、又は駐車するときは、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める方法によらなければならない。
 1.歩行者の通行の用に供する路側帯に入つて停車し、又は駐車する場合
 当該路側帯を区画している道路標示と平行になり、かつ、当該車両の左側に歩行者の通行の用に供するため0.75メートルの余地をとること。この場合において、当該路側帯に当該車両の全部が入つた場合においてもその左側に0.75メートルをこえる余地をとることができるときは、当該道路標示に沿うこと。
 2.歩行者の通行の用に供しない路側帯に入つて停車し、又は駐車する場合
 当該路側帯の左側端に沿うこと。
    • 上記の政令に辿り着いて初めて、75cmの余地が必要だと理解できるのでした。
    • その政令が、道路交通法施行令だとは素人の自分には想像もつかない...。
    • 何だか、Railsの validates_presence_of がどんな仕組みで入力チェックしているのか、Ruby始めた頃の自分が悩んでいる感覚に似ているのです。

トラックバック先でのコメントのやり取り


zariganitosh 2009/10/11 08:25
トラックバックありがとうございます。
> (ソースコードを読む作業の要領)そういう作業で理解していって、時にはトンデモ主張をして笑われちゃうことがあったりするらしいしね。でもエラーを恐れてたら弁護士は務まらないわけで。

今回の一番の心配はその点でした。弁明が認められた今は、今回の違反態様は誤認だと自信を持って言えますが、最初はトンデモ主張なのではないかと、不安でなりませんでした。

> 緑虫こと駐車監視員がよく持ってる「確認の手引き」にも「ポイント」として載ってる。

何と!そうだったんですか。敵を知るために、そのような冊子をひとつ購入してみようかと考えました。これからも車を運転する以上、常に駐車取締には気を付ける必要があることなので。
教習所では教えてくれない、合法・違反のギリギリの境界を正確に理解しておく必要があると思いました。

ちなみに、今回の駐車方法、左75cmの余地が確保できていたとして、駐車違反を指摘されることはあるのでしょうか?
(気になるのは縁石の黄色破線です。ただし、左側は歩道ではなく、公園です。)
今後の参考のため、RRDさんのご意見を頂けると助かります。



RRD 2009/10/12 00:10
zariganitoshさん
>最初はトンデモ主張なのではないかと、不安でなりませんでした。
弁護士でさえトンデモ主張をしちゃうんですから、俺たち素人はなおさら恐れず主張しちゃえばいいんですよ。

>ちなみに、今回の駐車方法、左75cmの余地が確保できていたとして、駐車違反を指摘されることはあるのでしょうか?(気になるのは縁石の黄色破線です。

多分ないと思います。俺の知らないなにかがある可能性は否定しませんが。不安だったらここにとめてもいいか、所轄署の交通課規制係(名前は違うことがありますが警察署の代表番号に「ここ駐車してもいいですか?」って言えば多分つないでくれます)に電話するのが手っ取り早いと思います。標識の1本1本まで把握してます。
縁石の黄色破線は標識と同じ効力です。
駐車できない路側帯は「実線2本」か「実線と破線」で区切られています。つーか、そもそもこの路側帯が駐車するべきでない路側帯であれば、実線1本で区切られていることが間違ってます。(逆に駐車禁止の標識がこの一帯だけ少なかったのは路側帯に駐車していい、という暗黙のメッセージです)



zariganitosh 2009/10/12 07:18
見解を頂きありがとうございます。
自分と同じ考えで、安心しました。

確認の手引き、見つけました!まさに今話題のページが閲覧可能になっています。
何と!「歩道・路側帯と車道の区別のある道路については、車道の部分のみが駐停車禁止場所になります。」書いてあるんですね。
道路交通法を引用した弁明を書くまでもなく、「路側帯の中は標識による指定駐車禁止場所にはなりません。確認の手引きで確認してください。」でOKだったかもしれませんね。(確認の手引きにどれほどの法的有効性があるのか悩むところですが。)

 確認の手引き
 http://www.tokyo-horei.co.jp/shop/hp_sample/sample.htm?9620

駐車禁止の標識の有効範囲については、微妙に状況は違っているのかもしれませんが、判例でも意見が分かれていますね。ただ、確認の手引きでは、前後40mを目安に取り締まることが勧められているような図がありました。

 矢印のない駐車標識
 http://okwave.jp/qa4109066.html

ちなみに、所轄署が公開している重点駐車取締区間に、自分が駐車した場所も含まれているようでした。ただし、どちらの車線かまでは指定されていないようなので、おっしゃるように今度問い合わせてみよと思います。(今後のためにも)
いろいろありがとうございました。



RRD 2009/10/13 00:36
http://www.tokyo-horei.co.jp/shop/hp_sample/sample.htm?9620
ぉぉぉ、ちょうどこのページがサンプルになってるんですねw

いずれにせよ、国語辞典で当該法律の条文を解釈している衆には分からないことですが、法の世界は根っこの部分は不文律で動いています。その不文律には明確性の原則というのがあって、世間的な常識で考えてなんだかよく分からない、というときにはそのことを理由に争うことが出来ます。
法は本来は常識的な市民の味方です。



minoru-n 2009/10/14 21:39
イイハナシダー

zariganitosh 2009/10/19 10:06
報告です。所轄署に確認してみました!詳細は、以下のページの後の方に書いておきます。
http://d.hatena.ne.jp/zariganitosh/20091018/1255855521

警察(そこの所轄署)のスタンスとしては、すべての道路は駐車禁止と考えてもらいたいそうですね。
おそらく、駐車禁止の場所なら「そこは駐車禁止です。」と明言してくれるのでしょう。
そして、路側帯の中のような合法地帯であっても、法律では規制されませんが、駐車して良い場所とは決して言わないようです。車は駐車場に駐車してくださいとのことです。正論で説教されてしまいました...。

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*1:弁明通知書で指定された件名を使った。