ローパスフィルターとの格闘

再び、ローパスフィルターにゴミが付いた...。以前はニコンのサービスセンターに持ち込んだのだけど、毎回持ち込むのも手間である。

最近は3本の交換レンズを付け替える機会も多く、一眼レフの宿命として、イメージセンサー手前のローパスフィルターにゴミが付着してしまうのは宿命である。しかし、D40は古いモデルである。付着したゴミを払い落とす機構なんて備わっていないのだ。ローパスフィルターを清掃する技術さえ身に付けておけば、ゴミが映り込んでも途方に暮れずに済むはず。ならば、今回は自分で清掃してみることにする。

ゴミの確認

  • キットレンズのAF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mmを装着して、
  • 思い切り絞る。最大ズーム55mmにセットするとF36まで絞れた。
  • 絞るほどにピントの合う範囲が広がるので、ゴミはくっきり写る。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • 中央上部の黒い点が、今回その存在を気付くことになったゴミである。許せない大きさである。
  • また、左下にも小さな黒点が3カ所、さらに右上にも小さな黒点が1カ所、確認できる。

全部で5カ所あるこれらのゴミを除去したい!

乾拭き

  • ところで、ローパスフィルターを清掃する道具なんて持っていない...。さて、どうするか?
  • 自分の身の回りを確認すると、レンズや眼鏡を拭くクリーニングクロスはたくさんある。
  • とりあえず、それらのクリーニングクロスでかる〜く払ってみて、汚れが落ちれば儲けモノである。

若干悩んだが、試してみた。(真似しちゃダメ!!なのだ)

送信者 ローパスフィルタのゴミ

ところが... 余計に汚れた...。(だから絶対やっちゃダメ)

  • 最悪である。5カ所のゴミを取るどころか、そこら中にゴミが広がってしまった...。

正しい清掃手順

  • これはいかん。やはりローパスフィルターを清掃する正しい手順を学ぶ必要がある。

http://www.youtube.com/watch?v=tP6e8wZ9X1I
クリーニングミラーアップ
  • バッテリーがフル充電であることを確認して、スイッチONにする。
    • AC電源を持っていないので、バッテリーのフル充電で対応した。
  • MENUボタン >> セットアップメニュー >> クリーニングミラーアップ >> する
  • その後シャッターボタンを押すと、ミラーが上がって、シャッター幕が開く。
  • これで、イメージセンサー(表面はローパスフィルター)が見えるようになる。
  • スイッチOFFにすると、ミラーが下がって、シャッター幕が閉じ、元に戻る。
  • 作業中に誤ってスイッチOFFにすると、シャッター幕やミラーを破損してしまう。
  • よって、作業中は絶対にスイッチOFFにしてはならないのだ。
  • バッテリーが空になっても、スイッチOFFと同じ結果になる。
  • そのため、バッテリーがフル充電であることを確認してから作業を開始するのだ。
ブロワーでゴミを吹き飛ばす
  • 大きなゴミが付着したままでは、イメージセンサーを傷つけてしまう可能性あり。
  • まず、カメラを下向きにして、ブロワーで大きなゴミを吹き飛ばす。
  • この時、ブロワー先端でイメージセンサーを突いてしまわないように気を付ける。
シルボン紙で拭き掃除
  • いよいよ、丸箸にシルボン紙を巻く。(1:40からのシルボン紙の巻き方に注目)
  • シルボン紙を三角に折って、底辺に対して丸箸を垂直にする方向で巻き始めるのだ。

http://www.youtube.com/watch?v=tP6e8wZ9X1I
  • こうすることで、シルボン紙先端の巻き終わりが広がってしまうことを防げるのだ。
  • もし、帯状に巻いてしまうと、シルボン紙先端は無駄に広がって、作業がやり難い。
帯状巻き 三角巻き
巻き終わりが先端で広がってしまう。 巻き終わりが手元に来るので先端が広がらない。
もう少し先端を揃えて巻いた方が良いかもしれない。
  • シルボン紙の先端に無水エタノールを数滴たらす。
  • 無水エタノールが多すぎると、センサーや周辺部品に悪影響を及ぼすので、適量をたらす。
  • 適量はたぶん、センサーを拭いた時に2、3秒でエタノールが揮発してしまう状態だと思う。
  • 2:34からの拭き作業で、拭き終わった部分のエタノールが次々と蒸発して、無駄に残留しない状態に注目。
  • 拭き方は中心から外側に向かって、一筆書きで拭く。
  • 中心は丸く、外周部は四角く、シルボン紙の先端を動かす。
  • 一筆拭いたら、そのシルボン紙は捨てる。
  • センサーの掃除は非常にデリケートである。
  • 綿ゴミ1つでも、大きな影として気になってしまう。
  • 一筆拭いたら、新しいシルボン紙に巻き直し。
  • 無駄なようだが、確実にゴミが減少していく。
  • 最後の拭き終わりの場所が、センサー枠の外側で拭き終わるようにすると、奇麗に仕上がることが多かった。
  • 一回の拭き作業で満足できる拭き上げになることはまずなくて、2度、3度と繰り返すことになる。
  • 一筆拭いては、レンズを付けて、最小絞りで撮影し、ゴミの映り込みを確認、再び拭き作業、この繰り返し。
  • 自分の場合は10回繰り返しても納得できず、結局、20回以上繰り返してやっと満足できるレベルになった。
  • 繰り返すほどにセンサーを傷つける可能性が高まるので、事前に練習した方が良さそう。

格闘の経過

  • ゴミだらけの最悪な状態...。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • 少し良くなるが、まだまだゴミだらけ。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • かなり良くなったが、左下と右下に残っている。(リンク先の拡大画像だとよく見える)

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • 惜しい!左上の黒点だけ気になる。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • しまった...。中央下部に綿ゴミが残ってしまった。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • あれれ、ゴミが増えてしまった...。シルボン紙を巻いた後、汚れた机の上に置いてしまったのかもしれない。
  • シルボン紙を巻いて無水エタノールを含ませたら、そのまますぐにセンサーのの拭き掃除を行うべきなのだ。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • かなり良いのだけど、右上部分の大きめの黒点が気になる...。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • ぐはっ...。また増えてしまった。なんだか泥沼にハマっている気がする...。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • よしっ!と思ったのだけど、右下の黒点が残っている。また、よく見ると左下にも淡い黒点が見える。
  • このレベルで満足しておくか?いや、せっかくここまで繰り返してきたのだから、もうちょっと頑張る。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • やっぱり右下と中央にゴミが残る。どうする、どうする、これくらいでやめておくか?悩む...。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • もうここまで来たら徹底的にクリーンにしてやろうじゃないかと開き直った。
  • 今回もまたゴミが増えた...。何だか3歩進んで2歩下がる的な進捗状況である。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • 中央下部と右下に黒点を確認。まだまだ!

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • 今までで最高な仕上がりな気がするが、左側のうっすら残る黒点を気にしてる。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • よく見ると、中央上部と中央寄り右上に黒点が残っているが、そろそろやめにする。
  • 特に中央寄り右上の小さな黒点はずっと残っているので、今回の作業では諦めた。

送信者 ローパスフィルタのゴミ

  • ここまですべてF36まで絞ってゴミを確認しているが、通常使用でF36なんてほぼ使わない。
  • 自分がよく使うのは、せいぜいF16くらいまで。(稀にF22なんて写真も少しだけあった)
  • 今の状態ならF16で黒点は薄くぼやけてしまう。F8にすれば、まったく感知できないレベル。

ならば、この状態でしばらく使ってみようと思う。

  • ほどほどのレベルで満足しておくのも1つの解決法である。
  • これ以上やっても、いずれセンサーを傷つけてしまうだろう。

ノウハウ

  • 作業前に手洗いして、手の汗や油を流しておいた方が良さそう。
  • 作業机の上も拭き掃除をして、綿ゴミ等がない状態にしておく。
  • もちろん、ほこりっぽい場所での作業は厳禁。
  • レンズを外したカメラ本体は、開口部を常に下向きにしておく。
  • シルボン紙を巻く時、先端部分はなるべく指で触らない。(汗や油が付着するので)
  • 先端部分を整形したいときは、別のシルボン紙で包んで触る。
  • シルボン紙を巻いた状態で不用意に机の上等に置かない。(ほこりが付着するので)
  • 自分が行った拭き掃除の手順としては...
    • レンズを取り外し、カメラの開口部を下向きにして置いておく。
    • クリーニングミラーアップのメニューを表示しておく。
    • シルボン紙を巻いて、先端に無水エタノールを含ませる。
    • クリーニングミラーアップを実行して、一筆書きで拭き掃除。
    • 一筆書きの拭き掃除が終わったら、すぐに電源OFF。ミラーとシャッターを閉じる。
    • レンズを付けてテスト撮影。
    • 画像を確認して、ゴミが残っていたら最初から繰り返し。

気になる商品

最後にどうしても残ってしまうゴミは、この棒で取り除けそうな気がする。今度、試してみる。

追記

なるほど、なるほど、とても参考になる。(感謝です!)