とっても明るいレンズ選び

D40の付けっ放しレンズとして長らくNikon AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gを使っていた。撮像素子がAPS-CサイズのD40にとって、35mmは52.5mm相当の画角になり、人の目で見る感覚に近い素直な写真が撮れる。そして、F1.8の明るさ。多少薄暗くても、その場の雰囲気を壊さずに撮れる。明るいF値は同時に周辺をぼかし、狙ったところだけにピントが合う。感動が浮き上がってくる。とても気に入っていた。

しかし、しばらく使っていると欲が出てくる。もっと明るい、もう少し望遠側のレンズが欲しくなってきた。欲しいのは中望遠域のレンズ。APS-Cサイズのカメラにとっては、望遠側のレンズの選択はお得だと思っている。35mmフルサイズ換算で1.5倍相当な焦点距離の画角になるので、50mm でも 75mm 。標準的な短めのレンズでも中望遠域が手に入るのだ。小さなD40のボディーに短めの中望遠レンズ。携帯しやすい一眼レフが好きだ。

一方、D40は広角側は苦手。35mmフルサイズ換算で28mmが欲しかったら、18mmのレンズを選択しなければならない。18mmの明るい単焦点なんて特殊だし、かなり高価である。17mm前後から始まる明るいズームレンズもあるのだけど、長くて重い...。(下手するとD40ボディーよりも重いのだ!)だから、広角側は超コンパクトなGXRの28mmユニットにおまかせ。ほぼ満足している。

58mm F1.4のレンズ

そんな風に考えながら入手したのが、以下のレンズ。


  • D40に装着すると、35mmフルサイズ換算で87mm相当(58mm×1.5)になる。

ちなみに、オートフォーカスではない...。

  • オートフォーカスに頼りきった撮影しかして来なかった自分に、果たして使いこなせるのか?
  • D40の倍率0.8のファインダーでピントの山を感じられるのか?

そんな不安を抱えながらの決断であった。しかし、その不安を振り切る魅力がこのレンズにはあった。

  • マニュアルフォーカスなので駆動モーターが不要な分、レンズは短い。(最大径×長さ:65.9x47.5mm 重量:320g)
  • これは今まで付けっぱなしにしていたNikon AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G AFSDX35 1.8Gとほぼ同じ長さである。
  • 手に持った時の重量は、ずしりと重さを感じる。(重すぎる訳ではない)
  • ピントリングはヌルっとした感触で滑らかに動く。
  • 回す意思に連動してゆっくり動き始め、力を抜くとピタッと止まる。
  • 心地よい。無駄に回したくなる。そうだ、この感触はCanon EX EEである!

そして何より、このレンズが描き出す世界に惹かれてしまった。

f/1.4の世界

  • 好みは分かれるところかもしれないが、開放にすると、ソフトフォーカスがかかったような描写となる。

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とろけるようなボケ、大好きである!

f/2.0の世界

  • 少し絞ると、一般的なボケ味になる。

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f/2.5の世界

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f/4.0の世界

  • この辺りから、クッキリ感が半端ない。

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ピント合わせ

  • D40の倍率0.8のファインダーでも、上記の写真程度に合わせられている。(まだ失敗も多いけど)
  • もう少し慣れたい。まだ、ピントの山を見つけるまでに時間がかかる...。
  • ピントを合わせやすい被写体と、合わせ難い被写体がある。
    • 輪郭がクッキリ見やすい場合は、合わせやすい。
    • 境目がはっきりしない対象は、合わせ難い。
  • フォーカスエイド*1も見ながらピント合わせを行うことで、ピンぼけが減少する。
  • フォーカスリングだけでなく、場合によってはカメラの位置も前後させて調整している。

素早く、確実に合わせられるようになりたい!

マニュアルフォーカスの効能

  • マニュアルフォーカスは、被写体のどこにピントを合わせるかをオートフォーカス以上に強烈に意識してしまう。
    • オートフォーカスの時は、フォーカスエリアを示す小さな四角い範囲しか見ていなかった。
    • マニュアルフォーカスでは、さらに四角い範囲の中のどこかを狙うかまで意識してしまう。
  • ピンポイントな点で狙っておく必要があるのだ。そうしておかないと、すぐピンぼけになってしまうから。
  • すると、何に感動して、どこを撮りたいのかが、自然と明確になってくる気がする。
  • その意識はオートフォーカスレンズに戻しても持続される。良い傾向だと思う。

*1:ピントが合った時にファインダー左下に表示される●印。