ドアの端がめくれ上がってきた時の修理方法
最近の室内のドア*1は、巨大な木目調のシールで装飾されていることが多い。シールの下は安価な合板素材なのだけど、ドア全体をリアルな木目調のシールでラッピングすることで、まるで高級な木材を使った質感を感じさせる仕上がり。素晴らしい技術である!
ところが、時は流れて5年、10年経過してくると、場合によってはシールの端がめくれ上がってくることがある。入居当初はシールということをまるで感じさせない本物の質感であったのだが、めくれ上がったシールを見てしまうと、フェイクであることを強烈に感じてしまう。
最初はドアの端の一部がほんの少しめくれ上がった程度であったが、一旦剥がれ始めたシールは、日常のちょっとした身体や荷物との接触によって、そこから加速度的に広がって、現在に至る。なんらかの対処をしなければ、めくれ上がった範囲はさらに広がり、状況は悪化することが懸念される。今の時点でどうにかしなければならない。
リフォーム業者に修理を依頼すると、たいていOD化粧テープやダイノックフィルムによる補修を勧められるハズである。
幅30mm程度のドアの側面(厚み側の面)が剥がれている場合は、OD化粧テープで補修可能である。費用もそれほどかからない。 しかし、今回の事例はドア正面の広い面である。剥がれているのは端の数ミリなのだが、リフォーム業者は全面張り替えを勧めてくる。お勧めどおりに依頼してしまうと、1万円コースとなる。(ありえん!)確かに、全面張り替えすれば最高の仕上がりとなるかもしれないが、端っこがわずか数ミリ剥がれているだけなのに、そこまで費用をかけるのは納得できない。
では、端の数センチを部分的に張り替えてもらうとどうなるか?リフォーム業者はまったくお勧めできないと言う。部分的に張り替えた境目も見れば分かってしまうし、満足できる仕上がりになることも保証できないと言う。また、部分張り替えでもダイノックフィルムを貼る手間はそれほど変わらないので、費用もそれほど安くならないらしい。
なるほど、もう業者に頼むのはやめた。自分でどうにかしてみる。
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- 注意)以下の話は、自己所有の物件の話であって、賃貸物件では自分勝手な補修は許されないと思う。
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作戦1:透明なテープで覆う
まず試したのが、梱包テープのような透明なテープで、剥がれた箇所を上から押さえて貼り付けてみた。
- しかし、めくれ上がったシール部分は、若干引き伸ばされ、強烈に癖が付いている。それを元どおりにした状態で上から透明なテープで貼り付けるのは、かなり難しい。
- また、透明テープといえども、部分的に貼ると光の反射率から、そこにテープを貼ってあることは明確に見える。
- めくれ上がりを直してうまく貼れたとしても、補修で貼ったことがバレバレであり、ケチくさい仕上がりとなる。
NG...。
作戦2:OD化粧テープをL字型に貼る
次に、OD化粧テープをドア側面から正面にかけて、L字型に貼ることを考えた。
- しかし、OD化粧テープには0.5mmの厚みがある。シールとして0.5mmは結構な厚さである。たぶん、境目の段差ははっきり分かるに違いない。
- そして、本来水平なOD化粧テープを、ドアの上から下まで、真っ直ぐに、シワなく、L字型に貼る、というのも難しいと思う。
- 2、3回失敗を繰り返すことになりそう。運よく綺麗に貼れたとしても、0.5mmの段差がどう見えるか?上品な仕上がりとなるのか?自信がない。
しばし悩んだが、この方法もやめた...。
作戦3:補修用クレヨンで塗る
めくれ上がった部分のシールだけ切り取り、フローリングの傷を補修するクレヨンで塗ることも考えてみた。
- しかし、色が合わなかったときには、残念な仕上がりとなりそう。
- 取っ手近くの常に見える位置なので、目立ってしまうかも。
- そして、この補修キット自体の価格も決して安くはない...。
結局、この方法もやめた...。
作戦4:上から下まで数ミリの幅で剥がしてしまう
ドアの端から数ミリの幅で、めくれ上がった部分を含めて、上から下までシールを剥がしてしまうことも考えてみた。
- しかし、めくれ上がった現状を確認すると、少なくとも4mmくらいの幅で剥がすことになりそう。
- 下地の素材が4mmの幅で上から下まで見えてしまうと、ちょっと違和感を感じるかもしれない。
- もっと初期の段階で、幅1、2mm程度の幅で剥がすなら、試してみる価値はあるかもしれない。
今回は、この方法もやめた...。
作戦5:エッジガードで保護する
- やはり部分的な補修では、完璧に仕上げる(補修の跡が分からないように仕上げる)のは無理だと思った。
- 発想を変える必要がある、そう思いながらコーナンを歩いていると、面白そうなものを見つけた。
- たぶん、鋭く直角に切り立ったコーナーに被せて、保護するための部材と思われる。
- これを被せてしまえば、めくれ上がったシールも気にならなくなりそう。
- 単純なL字アングルではなく、段差で装飾されたL型アングルになっている。
- 多少の色の違いは、デザイン上のアクセントとして許容される範囲だと思う。
- コーナーに被せることでドアの幅が2mm拡大するが、この程度なら蝶番の立て付け調整で対応できそう。
- L字アングルは硬質の樹脂でできており、素人でも貼り付けるときのシワとか、曲がりを気にせず貼れる。
- 一方、シールの場合はコーナー部分に、シワなしに、まっすぐ貼るのはかなり難しいのだ。
- さっそく、このL字アングル2000mmと強力な両面テープを購入してみた。
- ドアの高さ1815mmにカットして、両面テープでコーナー部分に固定してみると、結構いい感じ。
- 幸運にも、ミディアムオークの色柄が、ドアの色柄とベストマッチだった。
- エッジガード=678円、両面テープ=376円、合計1054円と自分の手間だけ。
これでいいじゃん!
*1:ドアに限らず柱や梁、窓枠などもシールで装飾されていることが多い