玄関引戸に電子錠を取り付けるまで

玄関の鍵が壊れて中に入れなくなったことを契機に、鍵について調べることが多くなった。そうしているうちに、電子錠を取り付けてみたい!という欲求がふつふつと湧いてきた。鍵に頼らず、暗証番号と電気的なコントロールによって施錠・解錠するという継続的な体験をしてみたい。指紋認証ICカードで解錠できるものもある。電子錠なら鍵穴もないので、ピッキングや鍵穴の詰まりとか、鍵の紛失といった心配も無用になる。
もちろん、DIYで取り付けるのだ。自分自身で作業して取り付けることによって、未知の電子錠の仕組みを漏らさず理解しておきたいから。それに、このブログにも書けるし。

引戸用の電子錠

ところで、電子錠を取り付ける場所は玄関の引戸である。具体的にはTOSTEM(現在LIXILに統合)のエルミナという引戸。2枚の引戸が中央で若干重なるタイプ。

  • 中央で引戸が若干重なる位置の鍵を「引き違い召し合わせ錠」と呼ぶ。
  • そして、両端の壁に接する位置の鍵を「戸先錠」と呼ぶ。


電子錠の取付方法を検索してみても、ヒットするその多くはドアへの取付例である。玄関の引き違い戸への取付をしている例は皆無である。

やはり引戸には取り付けられないのか?そう思いながら、引戸対応の電子錠を検索してみると...あるじゃん!

どうやら、デッドボルトストライクが、がっちり組み合わさるタイプなら引戸でも使えるみたい。

http://www.kagi-shop.com/product/47

取付可能かどうか?

  • 引戸用の電子錠は見つかったが、果たしてそれが取付可能かどうか、確認しておく必要がある。
  • 取付には1つ穴を開けて、外側のキーパッドと内側の電子錠本体を配置するスペースが必要である。
  • その判定をするために、ドアの厚みとバックセットを測定してみた。
  • 以下は、TOSTEM エルミナ 8060を真上から見た見取図である。


  • 閉めた時に壁側と接する戸先の枠幅は76mmあり、見た目十分な取付スペースがあるように見えるのだが...
  • 実は、アルミサッシ内部は上図のような構造となっており、実際の取付スペースは53mmしかないのだ!
    • 戸先の枠幅76mmのうち23mmは格子を取り付けるスペースとなっている。

  • 直径30mmの取付穴を開ける場合、バックセットは38mm(53mm - 半径15mm)となってしまうのだ。
  • いや違った、引戸を閉めた時に戸先が5mmほど壁に埋まる構造となっているので、さらに5mm差し引く必要がある。

よって、バックセット=33mm、ドアの厚み=33mm。

  • この条件に見合う引き戸に取り付け可能な電子錠を探してみるが、バックセット=33mmがかなり厳しい...。
  • デットボルトと噛み合うストライクを引戸とかぶる位置に取り付けることになるので、バックセットBが33mmで取り付け可能な電子錠を見つける必要がある。
  • しかし、バックセットBは34mm以下の電子錠は見つけられなかった...。(若干1mm長い)
    • 一番短いバックセットBはGATEMANの34mmでだった。
  • こうなったら1mm長いけど、リスク覚悟でGATEMANを購入してみる!
    • アルミサッシの厚みが1mmあるので、部分的に1mm削ればどうにかなるのではないか?という大雑把な予想で見切り発注してしまった。
  • この見切り発注によって、後で痛い目を見ることになるとも知らずに...。

GATEMANの電子錠の種類

認証方法
  • GATEMANの認証方法には、以下の4つに分類できる。
    1. 暗証番号(キーパッドで登録した暗証番号を入力して認証)
    2. タッチキー(センサー部に接触させることで認証)
    3. ICカードキー(非接触ICカードMifareによる認証)
    4. 指紋(指紋による認証)
  • 基本機能として、すべての電子錠に暗証番号による認証機能が付属する。
  • 暗証番号と2〜4の認証方式の組み合わせによって、製品が区別されている。

例:

  • V10(暗証番号+タッチキー)
  • V20(暗証番号+ICカードキー)
  • F10(暗証番号+指紋)
  • 指紋認証に惹かれたが、末長く、ノーメンテナンスで稼働して欲しいので、

暗証番号+ICカードキーの認証機種を選択した。

デッドボルトの形状
シンプルな棒形状 例:WV20(旧 V20)
しっかり組み合わさるフック形状 例:WV60-FH(旧 V20 HOOK)
棒形状の先端に二つのストッパー 例:F50-FD


引戸に取り付けるのでフック形状を選択した。

バージョン違いに注意
  • GATEMANの一部機種は、型番を以下のようにバージョンアップしているらしい。
  • その違いは、耐火性能を強化したようだ。
旧バージョン 新バージョン
V10 HOOK WV50-FH
V20 HOOK WV60-FH
F10 HOOK F50-FH
  • また、表示されているサイズも微妙に違う。
室外リモコン 室内電子錠本体
V20 HOOK 縦160.2mm×横64.6mm×厚19mm 縦85mm×横158mm×厚36mm
WV60-FH 縦170.0mm×横68.0mm×厚26mm 縦85mm×横158mm×厚36mm
  • 耐火性能のためか、WV60-FHの室外リモコンは、縦横厚みとも一回り大きなサイズとなっている!
  • 実は、バージョンアップによってサイズが違ったことは、V20 HOOKを発注してから気付いた。
  • 旧バージョンのV20 HOOKの方が低価格だったので、それを選択したのだ。
  • 価格がそれほど違っていなかったら、新バージョンのWV60-FHを発注していたかもしれない...。
  • もし、WV60-FHを発注していたら、バックセットが33mmしかないTOSTEM エルミナには取り付けられなかった。
    • V20 HOOKの場合、64.6mm÷2=32.3mmのバックセットが必要。
    • WV60-FHの場合、68.0mm÷2=34.0mmのバックセットが必要。
    • つまり、引戸を閉めた時に室外リモコンがぶつかって、1mmの隙間が開いてしまうのだ。
  • 室内の電子錠本体を取り付けるスペースばかり気にしていたので、室外リモコンのことはあまり気にしていなかった。

幸運にもV20 HOOKを発注していて、安堵する。

GATEMANが届いた


  • 期待はしていなかったが、日本語訳されたマニュアルも付属していたので助かった!
    • Web検索でGATEMANの日本語マニュアルくらい見つかるだろうと思っていたのだが、見つけられなかったのだ。
  • もしハングルの韓国語マニュアルしかなかったら、たぶん相当苦労することになったはず。

引戸に穴を空ける方法

  • GATEMANを取り付けるには、アルミサッシの枠に直径30mmの穴(円形)を空ける必要がある。
    • 今回は既存の鍵はそのまま使える状態で、戸先に電子錠を追加することにした。
  • たった一つ、穴を空けるだけなのだが、自分にとっては結構ハードル高い作業なのだ。
  • まず、30mmの穴を空ける工具がない。
  • また、アルミサッシなどの金属に穴を開けた経験がない。
  • さらに、取り付けスペースとしてバックセット33mmはギリギリの寸法なので、0.5mm以下の精度で正確に穴を開ける必要がある。
  • もし穴の位置が戸先側に1mmずれたら、引戸を閉めた時に室外リモコンのキーパッドが壁にぶつかってしまう。
  • 以上の精度を保持しながら、室内と室外の両方から同じ精度で穴を開ける必要がある。
  • 玄関なので失敗は許されない。穴を開けたけど、取り付けられませんでした...では済まないのだ。
手に入れた工具
  • 差金とノギス
    • 穴のサイズと位置を正確に計測するために使用。


  • ホールソー
    • アルミサッシに直径30mmの穴を空けるために使用。
    • 金属対応のもの。六角軸で対辺6.35mm


練習
  • いい工具があっても、使い方がお粗末だと失敗する。
  • Webの動画や説明書なども読んで、注意することを頭に叩き込む。
  • しかし、どんなに知識を詰め込んでも、いきなり本番では失敗する。
  • 知識だけでは実技は上達しない。練習が必要だ。
  • 金属製の缶とか、身近にあるものを見つけて、何度も練習した。
    • 但し、練習しすぎると刃の切れ味が悪くなってしまうかも。ほどほどに。
  • 金属に穴を空ける場合は、適正回転数を超えてしまうと摩擦で刃が焼けてしまい、ドリルやホールソーをダメにするらしい。
  • ドリルの回転を抑えて(遅すぎてもNG)、適度な圧力で押し付けると、金属粉がよく出て効率よく掘り進むようだ。

ダンボールのモックアップに取り付け

  • 幾度かの練習を重ねて、狙った位置に穴を開けられる自信もついた。
  • さっそく玄関の引戸で本番の穴あけと行きたいところだが、念には念を入れてダンボールのモックアップに取り付けてみることにした。
    • 取り付けスペースではバックセットが33mmしか取れない。
    • たとえ正確に穴を開けられたとしても、取り付けられない可能性もある。
  • ダンボールをステンレス枠に見立てて、実際に穴を開けて、GATEMANを取り付けてみた。
  • そしてダンボールに取り付けた状態のGATEMANを、同じ配置で玄関の引戸に重ねてみると...

バックセットが足りない!

なんと!どう考えてもバックセットが足りない!

  • 1mm出っ張るとかのレベルじゃなく、10mmくらい動かす必要がありそう。
  • 購入前に「バックセットB 34mm」というのを確認したはずなのに、なぜ?
  • そう思って考え直すと、実は自分が確認していたのは、WV60-FHのバックセットBだった。
    • バックセットA=34〜90mm。
    • バックセットB=34〜90mm。
  • WV60-FH(旧V20 HOOK)と表記されているが、V20 HOOKのバックセットBではない。
    • V20 HOOKがバージョンアップして、WV60-FHとなったようだ。
  • 実際、WV60-FHの室外リモコンは、V20 HOOKのものよりひと回り大きくなっているので、
  • もしかしたら、WV60-FHとV20 HOOKのバックセットBは、違っているかもしれない。
  • では、V20 HOOKのバックセットBはいったい何ミリなのか?
  • 残念ながら、Web上では確認できなかった...。
  • ちなみにV20のバックセットは以下のとおり。
    • バックセットA=33〜 73mm。
    • バックセットB=65〜105mm。
  • V20のバックセットBは、バックセットAよりも長くなっている。
  • デッドボルトの形状が違うので一概には言えないが、V20 HOOKのバックセットBも長くなると予想できる。
    • あるいは、WV60-FHのバックセットA・Bともに同じ寸法を書いている上記ショップの表記が間違っている可能性もある。

万事休す...。

  • とにかく、玄関の引戸に穴を開ける前にGATEMANを取り付けられないことに気付けて、幸運だった。
    • 穴あけ後に気付いたら、ショックでか過ぎであった。
    • 2万円超のちょっと高いお勉強代となってしまった...。

密かな作戦

  • そのまま1週間が経過した。取り付けられないGATEMANは玄関先に転がっている。
  • 2万円の電子錠をこのまま取り付けられずに終わってしまうのは悔しい...。勿体無い。
  • 実はこの1週間、いろいろな作戦を考えていた。
ボルト2本作戦
  • 室外リモコンと固定するボルト3本のうち1本を使わなければ、5mmくらいバックセットを短くできる。
    • 取付強度は低下するが、ボルト2本の固定でもなんとか使えそうな気がした。
  • しかし、それでもあと5mmくらいバックセットを短くする必要がある。
ストライク取付穴あけ作戦
  • また、ストライクを取り付ける側のアルミサッシ枠を削れば、7mmくらいバックセットを稼げそう。
    • 上記と合わせれば12mmの調整ができる。
  • しかし、ストライクを取り付ける位置に、大きな四角い穴を開けるのは、かなり難しい。
    • しかも木材ではなく金属なので、加工も格段に難しいはず。
  • ストライクの位置も自由に調整できなくなってしまう。
  • きれいに仕上げる自信がない。きっと満足できない...。

取付ボードの作成

  • ドアの厚みが足りない場合、間にゴム板や木板を挟んで取り付ける、という説明を見て閃いた!
  • まず、室外リモコンと大きめの木板を3本のボルトで固定してしまう。
    • これで大きめの木板の上は、広大な取付スペースとなる。
  • 電子錠本体には、室外リモコンと組み合わせなくても、ネジ5本で固定する穴が空いている。
  • ネジ5本で木板に固定することで、バックセットに縛られずに自由な位置に取り付け可能になるのだ!
  • とりあえず、この木板を使った方法が有効かどうか、今ある工具で思うままに加工してみた。

  • ボルト穴3つと、室外リモコンの配線を通す穴を空けた。
  • ボルトが出っ張ると邪魔になるので、板の厚みの半分の深さまで10mmの穴を掘った。

  • ドリル1本で掘ったので雑すぎるが、これで用が足りる。

取り付け

  • まず、差し金と鉛筆で穴あけの位置をマーキングしておく。
  • そしてポンチを打って、ドリルで下穴を開けた。

  • ホールソーで30mmの穴を開けた。


  • 反対側からも穴あけして無事完了。


  • 穴あけ後、まずこの木板と室外リモコンを固定する。


  • そして、木板の上に電子錠本体を取り付ける。


  • 引戸を閉めてストライクの取付位置を確認して、固定する。

  • 取付完了!白木の板がダサいけど、ちゃんと動作している。

  • 室外リモコンは、壁にぶつからないギリギリの位置。まさに、紙一重の隙間しかない!


加工精度を高める

  • 1週間使ってみて、木板に取り付けても問題なく使えている。ぐらつきもない。
  • しかし、柔らかいパイン材に雑に加工した状態で使い続けるのも、さすがに不安を感じた。
  • もう少し硬い木板を必要最小の大きさにカットして、より正確に加工した取付ボードを作成してみた。
図面と材料


  • 1x4規格(幅89mm・厚み19mm)の木材がちょうどいい感じ。
    • 幅は、多少違ってもOK。
    • 厚みは、18mm以上ないと、付属の木ネジは突き抜けてしまうかも?
揃えた工具

工具は大事。適切な工具がないと、綺麗に仕上がらない。

  • 座ぐりドリル
    • 太いドリルで穴を空けると、周囲が割れて、上記でやったような雑な仕上がりとなる。
    • 座ぐりドリルを使うと、大きな穴でも非常に美しい仕上がりとなる。時間はかかるが。
  • のみ
    • スリット状の穴を空けるため、ドリルで連続して空けた穴の側面を削って、一つの細長い穴になるよう加工した。

  • 上記工具を活用して加工。

  • そして、取り付けてみる。



  • 電子錠本体のサイズとほぼ同じなので、見た目は以前よりスッキリした。




使用感

使い心地は想像以上にいい!

メリット
  • 暗闇で鍵穴を探る必要がなくなった!
  • 鍵の向きを間違えて、差し替える必要がなくなった。
    • TOSTEM エルミナの鍵は非対称なので、向きを間違えると差し込めない仕様。
    • しかも、内と外から鍵をかけるタイミングによって、鍵穴の向きがしょっちゅう変わる。
    • 毎日のことなので、向きが違って差し込めないとストレスになった。
  • オートロックで運用しているので、鍵を締めるひと手間がない。締め忘れもない。
  • 鍵を持たない家の女子が帰ってきた時も、暗証番号で解錠して中に入れる。
    • 今までは帰宅時間に家で待機している必要があり、ちょっと負担だった...。
  • ジョギングする時など、鍵を落とすリスクを考えて、屋外の秘密の場所に鍵を隠していたのだが、
    • 暗証番号で解錠できるようになったので、鍵を隠す必要もなくなった。
  • 同じ暗証番号を繰り返し押していると、その部分に指紋が残り、推測されやすくなるが...
    • 最初と最後に複数の指でキーパッド全体をタッチしてする運用する方式なので、
    • 指紋がキーパッドに満遍なく付着する。暗証番号を推測するのは難しいと思う。
  • よく考えられた運用方法だと思う。
  • 暗証番号は12桁まで設定できる。タッチパネルなので素早く、ストレスなく入力できる。
    • 幼稚園児でさえも、暗証番号を覚えて、自ら解錠できるようになった。
デメリット
  • 唯一のデメリットは、引戸を全開できなくなってしまうこと。
    • 室内に取り付けた電子錠本体が邪魔になって、戸先の20cmほどが開き切れなくなってしまう。
    • これは引戸の物理的な構造上、どうしようもない。

  • そのため、うっかり電子錠が内側の引戸にぶつかることを忘れて勢いよく開いてしまうと、電子錠にかなりのダメージを与えてしまう...。
  • そこで、外側のレール上に適当な長さに切った木材を置いて、それ以上開けないストッパーにした。

  • また、壁側に取り付けたストライクが出っ張っているので、慣れるまで身体をぶつけることがある。(痛い)


利用可能なICカード



これで、iPhoneをかざすだけで、改札も通れるし、玄関の鍵も解錠できる!

充電池

  • 常用電源として、単3(AA)サイズのアルカリ乾電池(1.5V)を指定されている。
    • アルカリ乾電池4本を直列つなぎでセットするようになっている。
    • 1日10回の使用(解錠と施錠で1回?)で、1年間持続できるらしい。
  • ところで、今回取り付けた玄関の場合、余裕で1日10回以上出入りするはず。
  • たぶん30〜40回は出入りすると思う。
  • そうなると3〜4ヶ月ごとに電池交換することになる。
  • ならばエネループ等のニッケル水素充電池を使いたい。
  • しかし、ニッケル水素充電池の電圧は1.2V。アルカリ乾電池の電圧は1.5V。
  • 4本直列につないだ場合の電圧の差は、4.8V−6.0V=1.2Vもある。
  • 果たして、ニッケル水素充電池は使えるのか?試してみた。

使えた!今のところ問題なく使えている。

  • 満充電の状態から1週間継続して使えている。
  • 但し、アルカリ乾電池より早い交換サイクルになるかもしれない。
  • どれくらいの交換サイクルになるか、ただいま試験運用を継続中。

付随費用

  • 取付・運用のためにかかった費用をまとめてみた。
差金 648円
ノギス 898円
センターポンチ 1180円
ホールソー29mm 2080円(小さ過ぎた)
ホールソー31mm 2380円
鉄鋼ドリル 1317円
木工ドリル 841円
座ぐりドリル 709円
のみ 1480円
糸のこ 480円(使わなかった)
SK垂直ドリルガイド 2053円(使わなかった)
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工具代 計 14066円


エネループ8本 1790円
9V角形アルカリ電池 385円
Mifareシール2枚 1026円
MifareULシール1枚 462円(使えなかった)
磁気干渉防止シート 580円
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運用代 計 4243円
  • 合計18309円、結構かかってしまった...。

所感

  • Web上で、電子錠を玄関引戸に取り付ける実例を見つけられない理由がわかった。
  • 引戸では取付スペースが小さすぎて、想定された手順では取付できなかったのだ。
  • 今回やったように、自作の取付ボードを利用することで、どうにか取り付けられる。
  • 一度電子錠を体験してしまうと、次に住む家の玄関でもきっと電子錠を使いたくなると思う。
    • 一度リモコンドアロックの車に乗ってしまうと、次に買い換える時もリモコンドアロックが欲しくなる、
    • あるいは、パワーウィンドウを使ってしまうと、パワフルウィンドウには戻りたくないのと、似ている。
  • ちょっとした便利さでも、一度体験してしまうと、その便利さ以前に戻りたくないという心理が働くのだと思う。
  • 電子錠には、それ用に開発された新たな技術は使われていない。
  • 既存技術の組み合わせと、それをコントロールするソフトウェアとインターフェースで勝負している。
  • iPhoneなどのスマートフォンが、既存技術の組み合わせとOSの操作感で勝負しているのと似ている。
  • 電子錠では、徹底的に試行錯誤を繰り返して、考え抜かれた結果の操作となっているように思う。
  • バックセットの範囲内にあれば、30mmの穴を空けるだけで取り付けられる手軽さも素晴らしい。
  • 押し開くタイプのドアなら、既存のシリンダーの穴を使えば、穴あけの手間なしで取り付けられる。
  • 電話の主流がスマートフォンになってしまったように、いずれ鍵の主流も電子錠に移行していくのかもしれない。