MacBookでMacOS7.6を起動してシンプルな美しさに感動する。

SheepShaverを利用して、MacOS7.6を起動してみた。今更、そんな古いOSをどうしても使わなければならない必要性というのは皆無だが、10年以上前にリリースされたGUI環境を眺めて、操作してみて、純粋にその操作感の心地良さに感動した!

モノトーンがベース
1670万色を利用できるカラー性能を持っていながら、OSが提供するGUIは敢えてモノトーンを基調にしていて、長い間画面を見ていても疲れない。
アイコンが好き
アイコンは最大で32x32の線画のイラストだ。34色に制限されている。でも写実的なOSXのフルカラーアイコンよりも、むしろ見やすい。(車を運転している時、もし道路標識が写真だったら...と想像してみた。きっと、記号やイラスト風の今の標識の方が見易いと思う。)
小さくても読み易いフォント
小さな文字でもストレスなく識別できるようなフォントが使われている。小さい画面でも多くの情報が表示できるので、デスクトップの広さを感じる。

今のMacOSXの基本機能は、MacOS7.6の機能と、ほとんど同じだ。派手さはないけど、GUI部品の操作方法も同等で、操作に対すリアクションも同じように返ってくる。違いは、OSXにはリアルな影があって、透明感があって、カラフルで、視覚に訴えるアニメーションがあること。OS7.6の時代は、ハードウェア性能がおそらく今の1/20以下で様々な制約があり、とても実現不可能なことだったと思う。でも、その制約が逆にシンプルな心地良さを作っている感じ。
仕事で使う社内の業務システムなら、モノトーンベースのOS7.6の方が、むしろデザイン的に良いんじゃないだろうか。社外にアピールする必要がないのだから、余分な装飾は必要なく、目的のことが素早く操作できるのが一番。シンプルなGUIは、余分なところで気が散らないし、目が疲れない。今後のwebアプリケーションを作る時のお手本にしたい。

準備したもの

  • MacBook
  • MacOS7.6インストールCD
  • SheepShaver2.3
  • PowerMacintosh7500/100
  • CopyROM
    • 上記ページの左メニュからDownloadをクリック、プルダウンでCopyROMを選択、Next>>ボタンを押す、もう一度Next>>ボタンを押す、一番したのI Agree>>ボタンを押す、Download The Programをクリックして、ようやくダウンロードが始まる。

ダウンロードする場合の注意

  • MacBookでは完全にOS9以前の環境を切り捨てている。そのため、OS9で暗黙のうちに利用されている、リソースフォークの存在も無視されている。(と思う。)
  • OS7.6環境にインストールするファイルを、MacBookOSX環境でダウンロードしても、リソースフォークが無くなってしまうため、正常に起動できない。
    • ただし、すでにSheepShaverでOS8.6等をインストールしていて、その環境でダウンロードしたファイルなら正常に機能する。
    • SheepShaver自体は、OSX環境で動くソフトウェアなので、気にしなくても大丈夫。

MacOSのバージョンとMac OS ROM

基本的にMacBookでMacOS8.6を起動する手順と同じだが、違いは1つ。ハードウェアからMac OS ROMファイルを抽出しなければならない。Mac OS ROMは、購入時インストールされているOSバージョンが、7.6以前(これからインストールしたいOSのバージョン番号以下)のハードウェアから抽出する必要がある。

Mac OS ROMの抽出

Mac OS ROMの抽出には、CopyROMをインストールして、アイコンをクリックするだけで良い。簡単だ!しかし、その前後でちょっと苦労してしまった...。具体的には以下のタイミングで。

  • CopyROMをインストールするとき。
  • 抽出したMac OS ROMファイルをMacBookに転送するとき。

つまり、MacBookとPowerMacintosh7500の間で直接、双方向のデータをやり取りする方法がないので、ひと工夫必要になるのだ。自分の場合は以下のようにやってみた。

  • PowerMac7500にMacOS7.6をインストール。
  • PowerBookOS9環境*1で起動して...
    • CopyROMをダウンロードして、解凍しておく。
  • PowerMacintosh7500のファイル共有を開始する。
  • PowerBookのアップルメニューのセレクタからAppleShareを選択して、上記PowerMacintosh7500をマウントする。
    • 解凍済みのCopyROMを転送。
    • PowerMacintosh7500でCopyROMをダブルクリックして、Mac OS ROMファイルを抽出する。(ファイル名を PowerMacintosh7500ROM にした。)
    • PowerBookに、上記Mac OS ROMファイルを転送する。
  • PowerBookOSX環境で再起動する。ファイル共有を有効にしておく。
  • MacBookから、PowerBookのボリュームをマウントする。
    • Mac OS ROMファイルを、SheepShaver-2.3フォルダへコピーする。

その後のインストール

SheepShaver-2.3フォルダに、Mac OS ROMをコピーしてしまえば、こっちのものだ。後はMacBookでMacOS8.6を起動する手順と同じだ。シンプルな美しさに感動できる、といいな...。

いろいろ

  • MacBookとPowerMac7500だけでは、ファイル転送の互換性の問題のため、OS7.6のインストール方法が思い付かない。Classic環境が利用できるOSX起動マシンがどうしても必要になりそう。
  • 最初、PowerMac7500にMacOS8.6をインストールすれば、もっと楽に作業出来たかもしれない。
  • しかし、その場合でも取り出したMac OS ROMファイルを直接MacBookに転送する方法が...。もしかしたら、web共有を使えば、ファイルの転送が可能かもしれない。
  • MacOS7.6をインストールしても、ハードディスクを60MB程しか消費していない。このコンパクトさが素晴らしい。SheepShaverで起動に必要な時間は15秒だ。
  • シンプルなGUIの使い心地はいいが、対応するソフトウェアの進化が止まってしまっている...。webブラウザもiCab2.9.9bが最新になるが、ユニコードに対応していなかったり、最近のJavaScriptCSSが正常に機能しなかったりと、不便を感じる。残念!

リンク集

ソフトウェアをインストールするためにはwebブラウザが必要になり、ダウンロードしたファイルは解凍しなければならない。OS7.6環境で、そんな始めの一歩を踏み出すためのリンク集。(最初のwebブラウザは、MacOS8.6インストールCDからコピーしている。)

調べていたら、以下のサイトに素晴らしいリンク集!

昔のMac情報が満載で面白いページ

*1:OSX環境下のClassic環境ではなく、OS9の起動ボリュームから直接起動する必要がある。Classic環境とMacOS7.6環境では、ファイル共有の互換性がなく、接続できなかった。