Leopard プレビュー.appのプロファイルの設定方法

カラープロファイルをちゃんと理解するには、現状の自分では知識不足。以下の参考ページを精読して、必死に理解を深めてみる。(素晴らしい解説に感謝です!)

参考ページ

そして、自分なりに理解して以下のように考えてみた。(以下、文章としては断定しているけど、その正確さにあまり自信はない...。)

色空間

  • コンピュータの中で画像は、1ピクセルあたりのRGB(赤緑青)の輝度信号として処理されている。
    • 例えば、MacBookではRGBそれぞれが256階調の違いを表現して、1677万7216色(256の3乗)を表現可能な環境だ。*1
  • このような輝度信号をモニタに表示するのだが、その時問題になってくるのがその輝度信号をどのように解釈するかということ。
    • 例えば、RGB=(255, 0, 0)という輝度信号をどれくらい赤く発色させるかあらかじめ決めておかないと、モニタごとに好き勝手な色で表示されることになってしまう。
  • そのルールを規格として決めて、標準的に広く利用されているのが、sRGBやAdobe RGBだったりする。
  • 3色の輝度信号は0〜255の範囲で互いに相関し合って複雑な色を表現している。これはよく以下の図のように表現される。


  • Dが120度左に回転したようなカラフルな領域が、目で認識できるすべての色を含んでいる。
  • Xを頂点とする三角形の内側に、その規格で表現可能な色が含まれている。
  • このように領域として表現されるので、この規格のことを色空間、色域、カラースペースなどと言う。
  • sRGBやAdobe RGBが目で認識できる色空間よりもだいぶ狭いのは、実際に画像を入出力する機器の性能に合わせているため。
  • より広範囲の色空間にした方が良さそうな気がするが、実際に表示したり、印刷する機器が対応していないと、再現される色が本来の輝きを出せなくて逆に不自然な画像になってしまうのだ...。

カラープロファイル

そして、その画像がどの色空間で作成されたものかを知るために、一つ一つの画像に色空間を示す書類を添付することにしている。この書類のことをカラープロファイルと言っている。

その他プロファイル

カラープロファイルとその他のプロファイルを混同してしはいけない。同じプロファイルと言う名前だが、意味が違うと思う。
カラープロファイルで定義された絶対的な色を、機器の性能に合わせて少しでも忠実に再現する、あるいは取り込むために以下のようなプロファイルもあるのだ。

モニタのプロファイル

カラープロファイルで正確な色を定義しても、それを表現するモニタが正確に再現できなければ意味がない。しかし、メーカーや機種の違いによってその性能は様々だ。だからその性能に合わせてモニタのプロファイルを設定して、なるべく正確に表現できるようにする。

  • システム環境設定 >> ディスプレイ >> カラー の補正ボタンで、より詳細に補正することができる。
  • しかし、手動で行う詳細な補正は自分にとって相当難しく、結局既存の カラー LCD を選択してしまっている。
プリンタのプロファイル
  • カラープロファイルで定義されるデータを、紙に印刷する場合になるべく正確に表現できるようにするプロファイル。
  • キヤノンのプリンターを利用している自分の環境では、以下二つのプリンタのプロファイルを確認することができた。
    • BJ Color Printer Profile 2000
    • Canon IJ Color Printer Profile 2005
カメラのプロファイル(現像のプロファイル)
  • 撮影した情報(RAW形式)をsRGBやAdobe RGB等のJPEG形式に変換するためのプロファイル。(カメラのファームウェアに含まれる)
  • 撮影した情報そのままのRAW形式であれば、RAW形式を現像処理するソフトウェアで指定したプロファイルを利用することになる。
  • ちなみに、RAW形式を現像処理した画像に、sRGBやAdobe RGB等のカラープロファイルが添付される。

デフォルトのカラープロファイル

  • カラープロファイルが添付されていない画像では「一般RGBプロファイル」というカラープロファイルが添付されていると解釈されるようだ。(プレビュー.appの場合)

カラープロファイルが対応した環境かどうか

  • いくら画像に正確なカラープロファイルが添付されていても、以下の状況ではその効果を感じることが出来ない。
    • それを表示するアプリケーションが対応していない。
    • アプリケーションは対応しているが、モニタやプリンタが対応していない。
  • 以下のページを表示してみると、そのブラウザがカラープロファイルにどの程度対応しているか、簡単に分かる。
  • ちなみに、カラープロファイルの有無に関係なく、FirefoxIEでは画像を常にsRGBと見なすらしい。
    • モニタやプリンタも基本的にsRGBを前提に調整されている。
    • だからsRGBの画像にしておくことで、より多くの環境で満足できる可能性がある。
    • Safariの場合は、カラープロファイルが添付されていなければ、一般RGBプロファイルとなってしまうが...。
  • icc version 2・icc version 4対応のFirefoxにしておく
    • URLに about:config を入力して開き、細心の注意を払って使用するボタンを押す。
    • gfx.color_management.enabled でフィルタして、falseをダブルクリックしてtrueにする。
    • Firefoxを再起動すれば、icc version 2・4対応に!

調整

モニタを調整する時に役立ちそうなページ。まだ試してないけど、後でやってみる。(素晴らしいページに感謝です!)


カラープロファイルの理解が深まったところで、ここでようやくプレビュー.appのプロファイル機能を試してみる。

プレビュー.appのプロファイル機能

どちらも、現在のカラープロファイルを、指定したカラープロファイルに変更する機能なのだが、以下の違いがある。

ツール >> プロファイルに合わせる...
  • モニタに出力される色の変化が最小になるように、
  • 画像データのRGBを変化させる。
      • 基本となるRGBが変更されてしまうので、何度も繰り返すのは良くないかも...。

想定される利用状況...

  • 出力する環境に最適になるように、カラープロファイルを変換することができる?
  • 例:Adobe RGBのままwebページの画像として活用してしまうと、多くのブラウザやモニタが対応していないために、不自然な画像が表示されてしまう...。
  • カラープロファイルをsRGBに変更すれば、より多くのブラウザやモニタで自然な画像が表示できる。
ツール >> プロファイルを割り当てる...
  • 画像データのRGBは変化させない。
  • モニタに出力される色は、指定したプロファイルによって補正されるので変化する。

想定される利用状況...

  • カラープロファイルが添付されていなかったり、間違って添付されていた時に、正しいプロファイルを指定することができる?
  • もし正しいプロファイルを指定できれば、その画像はより自然に表示される可能性がある。
カラープロファイルの確認
  • 上記操作をしても、プロファイルに合わせる...・プロファイルを割り当てる... のColorSyncプロファイル:のプルダウンリスト選択項目は変化しないが...
  • ツール >> インスペクタ command-I で確認すると、ちゃんと適用されている。
    • 左側のインスペクタのColor Syncプロファイル:e-sRGB
    • 右側のプロファイルを割り当てる...のColor Syncプロファイル:一般 RGB プロファイル


所感

  • カメラで撮った画像、それを確認するモニタ、印刷するプリンタ等、すべてのカラープロファイルを統一しておかないとその恩恵を感じることが出来ない。
  • sRGBよりも色空間が広いAdobe RGBやPro Photo RGBを利用してみたくなるが、対応した環境に統一するのは大変なこと。(対応していない環境では逆に不自然な画像になってしまう。)
  • sRGBなら広く一般的に対応しているので、少しの努力で環境を整えることができそう。
  • 特別な理由が無い限り、今のところは自分の場合はsRGBで統一した環境にするのが良さそう。

やっと、カラープロファイルのことが少しだけ分かった。これで、モニタで確認した画像を、プリンタで印刷する時に満足できるようになれば良いのだけど...。

*1:実際にはさらに透明度を表現する256階調の信号も利用されている。