電源を確保する
かつて、でんこちゃんがいつも言っていた。「電気を大切にね!」
全くそのとおりだった。電気は大切だった。停電を経験して、しみじみ実感する。にもかかわらず現状、自力ではほとんど確保できていない。電力会社からの供給に頼るだけ。どうにかしなければ、と思い始めた。
電気が必要な状況
- いざという時は、夏の冷房は諦める。
- 冬の暖房は、石油ストーブでもいい。
- 明かりはロウソクでも、サラダオイルランプでも良い。
- しかし、電気がないとどうしても動かないものもある。
- テレビやラジオ。それからiPhone・iPad・MacBook等の情報端末などである。
- 手回し発電機付きのラジオは持っている。テレビの音声も入る。
- でも、テレビ・ラジオの報道は、一次情報としては良いが、自分の行動を決める長期的な情報源としては不十分だ。
- 東日本大震災の報道を見て、明らかにそう感じた。
- 一方、WEBにはデマや煽りもあるが、テレビや新聞では報道されない貴重な情報も多い。
- 多くの情報を自らの意志で自由に閲覧して、判断するための情報端末を動かすには、どうしても電気が必要になる。
- 非常時は携帯電話の通話・SMSは不通になることも理解した。
- 3Gパケット通信・無線LAN経由のインターネット通信は可能だった。
- でも停電になると、無線LANも使えなくなってしまう。
- ADSL信号は届いていても、ルーターや無線LANの電源がオフになってしまうためだ。
- ルーターの電源さえ確保できれば、停電でもADSL経由のインターネット接続は可能なはずだ。
そういった電源を確保したいと思っている。
充電可能な電池
ソーラー充電器
- しかし、充電する電源は電力会社に頼っている。停電していたら充電できないのだ。
- それは困る。ではどうするか?多くの人が考えるように、自分も太陽電池に走った。
- その結果、どうなったか?
- お手軽なソーラー充電器は、ほとんど売り切れ。
- 在庫があっても以前の倍近い価格だったりする。
→諦めた。
ポータブル電源
- ソーラー充電器を検索中に、発電機やポータブル電源も見つかった。
- 発電機については、燃料が必要なこと、騒音があること、高価なことから家庭の電源としては使いづらいと感じた。
- 一方、エネループの何百倍もの充電容量を持ったポータブル電源は、かなり魅力的に感じた。
- 普段から満充電にしておけば、いざという時にかなり頼れそう。
- しかし、自分が魅力的に思えば、他人も同じように思うのは常。
- 上記のソーラー充電器と同様に、売り切れ、あるいは高額な販売価格になっていた。
→諦めた。
自作電源
- ポータブル電源とは何かと言えば、バッテリー + 充電器 + インバーター出力 + シガーソケット出力 + USB出力、のようなものである。
- あれあれ、それなら自分で作れそうな気がしてきた。
- 基本的にバッテリーやその他必要とする機器をそろえて、プラスとマイナスを間違えずに繋げれば完成するはずだ。
- バラで部品を集めると割高になるだろうか?調べてみると、必要そうな工具・配線まで含めてもポータブル電源よりも割安なくらい。
- それなら自作することで、電源の知識も増えるし、必要な改造も思いのまま、修理やメンテナンスも容易だ。
→電源を自作した方が絶対良さそう!ポータブル電源が売り切れだったことに感謝する。(負け惜しみ?)
ソーラーパネルの追加
- ポータブル電源に太陽電池パネルを追加することで、電力会社に頼らない充電が可能になる。
→それは魅力だ。自作電源にも追加することにした。
- ソーラーパネルは部品としてある程度のサイズになれば、正常に流通している。入手し易い。
システム電圧
- パッテリー・ソーラーパネルの電圧は、12V用システムとして統一することにした。
- 12Vは一般的な乗用車が利用する電圧なので、多少の知識もある。
- 接続機器や便利な部品も揃っていて扱い易い。情報も検索し易い。
目的
用意した機材
- 充放電コントローラー(DENRYO SHS-6)
- ソーラーパネルからの電圧を、充電に適した電圧に調整する。
- バッテリーの過充電・過放電を防止する。
- バッテリー(WP20-12I)
- 電気を蓄える。
- 12V20A(20時間率)の容量。
- 車のバッテリーは、空になるまで放電してしまうと性能が著しく低下する。
- このディープサイクルバッテリーは、空になるまで放電しても性能は維持される。
- 但し、空の状態のままは良くない。すぐに満充電を目指して充電しておくべき。
- シガーソケット メス(エーモン工業 線付ソケット(メス) E329)
- シガーソケットを用意しておくことで、車用の多様な機器を利用できる。
- シガーソケット用USB端子(PLANEX 車載USB充電 シガーソケットチャージャー エコモデル (iPad/PSP/iPod Touch/iPhone3GS・3G/iPod/iPod nano) PL-UC04-CC)
- ケース
- ソーラーパネル以外の機材を収納しておく予定。
- 加工して、機材を取り付け易い素材が良さそう。
- 電装工具や部品も一緒に収納して、いざという時にも必要な修理ができるようにしておく。
- 配線ケーブル・ギボシ端子・電工ペンチ(エーモン工業 E2 ターミナルセット E2)
- 配線ケーブルは太さによって、許容される電圧・電流が決められている。
- 車の配線に習って、配線の末端をギボシ端子に加工して、簡単に脱着可能な状態にする。
作業開始
- 配線コードを適当な長さに切り出して、末端の被覆を5mm剥がして、片側をギボシ端子に加工した。
- 端子を圧着する前に、絶縁用のカバーを付け忘れないように。
- 充放電コントローラーのプラスと、それに接続する各機材のプラス同士がオスとメスの関係になるように。
- ソーラーパネルの末端もギボシ端子に加工した。
- バッテリーとの接続は、6mm径の丸形端子に加工して、ボルトで取り付けた。
- 充放電コントローラーを中心にバッテリー・ソーラーパネル・シガーソケット メスを接続する。
- 端子の加工が間違いなくプラス同士、マイナス同士が接続できる関係になっているか注意しながら。
- マニュアルによると、充放電コントローラーに接続する順序があるらしい。(果たして重要なことなのか?)
充放電コントローラーの詳細
- 充放電コントローラーは、バッテリーを常に最適な状態に保ってくれる。
- 最初は14.3Vでどんどん充電する。(バルク充電)
- 容量の7、8割近くまで満たされると、PWM方式で電圧・電流を調整しながら、少しずつ充電する。
- 満充電で太陽電池パネルで発電し続けても、過充電になることはない。
- バッテリーと同じ電圧で電流0Aの状態にして、バッテリー劣化なく満充電を保持するモードになる。(フロート充電)
- 28日周期で1、2時間だけ、不揃いになった各セルの電圧を過充電にすることで揃える。(均等化充電)
- 充放電コントローラーは、8mAの電流を消費する。
- つまり、充放電コントローラーを繋いでおくだけで、およそ40日(1000時間)で8Aを消費することになる。
- 充放電コントローラーは、過放電を防止してくれる。
- バッテリー電圧が11.5V以下に低下すると、直流負荷(シガーソケット出力)は切断される。
- バッテリー電圧が12.6V以上に回復すると、直流負荷(シガーソケット出力)は接続される。
参考ページ(感謝です!)
ルーターの電源
所感・追記
- 掌サイズのソーラー充電器では、単三サイズを1本充電するだけで、8時間くらいかかってしまう...。
- 状態のいい太陽光が連続8時間も照射することは稀で、おそらく満充電までに二日必要になるだろう。
- せめて以下の製品程度の充電性能でないと、とても実用的とは言えない。
- かなり魅力を感じてポチリそうになったが、こらえて、電源を自作することにしたのだった。
- 結果として、電源を自作してよかったと思っている。
- ソーラーパネルやバッテリーに関する知識が増えた。
- それらの知識は、故障したり想定外の事態になった時、きっと役に立つはず。
- 完成されたソーラー充電器を使っていたら、いつまで経っても知り得なかった知識だ。
- 折り畳み式のソーラーパネルというのもあった。(上記PowerFilm社のパネルの小売りらしい)
- 収納すればA4サイズ、広げて150cm×100cm、60W/3.6A。かなり魅力的。但し、高価。
- エネループには、USB出力付きUSB接続の充電器もある。
- SANYO USB出力付き充電器セット KBC-E1S KBC-E1S
- 自作電源の機材にはリストアップしなかったが、USBメインな電源では必要なアイテムになりそう。
- 上記商品のUSB出力を利用して、
*1:充放電コントローラに書かれている数字の順