バッテリーショートの怖さ

バチッ、パチパチッ!
それは一瞬の出来事だった。音とともに閃光が見えて、電源コードから白い煙が立ち上る。周囲には何か特有の臭いが充満した。一瞬の出来事で唖然としたが、すぐに状況を理解した。やってしまったのだ...。12Vのバッテリーをショートさせてしまったのだ。
ショートとは、ショートサーキットを略した言葉で、日本語では短絡。何らかの原因で負荷(電球・モーター・充電出力など)をショートカットして電気回路が接続してしまい、そこに大電流が流れてしまう現象。
ショートは危険、ショートさせてはいけない、といった知識はあって、今まで気を付けてはいた。しかし、幸運にもこれまで目の前でショートした状況を経験したこともなく、どれほどマズい状況になるか実感を持っていなかった。ショートさせないことに気を遣ってはいたが、その心構えは十分ではなかったのだ。

ショートした電源コード

  • 12Vバッテリーでショートすると、電源コードはこんな状態になってしまう...。


  • 絶縁ビニールの被覆は溶けて、銅線が剥き出しになっている。
  • 人の感覚で瞬間的な1、2秒のショートでも、このような状態になってしまう。
  • さらに長時間ショートが継続したら、間違いなく発火するはず。

火災の原因になる!

ショートの原因

  • 以下の写真は、とりあえずバッテリー端子にガムテープを被せて絶縁しているが、当初は絶縁カバーを付けていなかった...。

  • そのガムテープがない状態で、先端が剥き出しのギボシ端子オス(プラス)が、バッテリーのマイナス端子に接触してショートしてしまったのだ。
  • 太陽電池パネルとバッテリーは充放電コントローラーを介して接続している。
  • 通常は一旦接続してしまえば、頻繁に取り外したりすることはないのだが、現在は太陽電池パネルやバッテリーの運用方法に試行錯誤している状況。
  • 設置場所を移動したり、バッテリー節約(充放電コントローラー自体が8mAを消費する)のため、頻繁にバッテリーと充放電コントローラーの接続を外すことが多かったのだ。


対策

  • バッテリー端子に絶縁カバーを付けて、不意の接触さえあり得ない状態にする。
  • ギボシ端子メス(マイナス)を外して、回路を切る運用にする。
  • ギボシ端子メスは、絶縁カバーで覆われているので、接触してもショートしない。


  • 仮にバッテリー端子に絶縁カバーを付けていない状況でも、この運用なら今回の事故は防げた。
  • 何らかの原因でバッテリー端子の絶縁カバーが外れた場合の保険にもなる。
  • オス側を外すか、メス側を外すか、些細な違いだが、事故防止には大きな効果がある。(大切なノウハウである)

太陽光発電の経過

  • ところで、電源を確保する以来、iPhone2台、iPad1台の充電は、すべて太陽光発電で賄われている。
  • 15Wの太陽電池パネルは、縦41.3cm×横36.4cm×厚さ2.6cmのサイズ。少し太めなA3と言えば想像できるだろうか。
  • 発電した電気は12V 20A(20時間率*1)240Wのバッテリーに蓄える。
  • iPhoneがおよそ5W、iPadはおよそ25Wのバッテリー性能らしいので、十分過ぎる余裕がある。
    • 240W ÷ 35W ≒ 6.86、つまりiPhone2台、iPad1台のフル充電を7回くらい繰り返せるのだ。
  • そして、15Wの太陽電池パネルは、4月・5月頃の晴れの日なら、一日8時間以上は直射日光の当たる環境に設置できる。
    • 15W×8=120W、つまり二日間晴れの日があれば、240Wのバッテリーをフル充電可能なのだ。
    • 途中で曇ってしまったり、充電時のロスを考えても、3日間あればフル充電は可能だろう。

教訓

  • 12Vバッテリーが出力する電力は、想像以上に強力。
  • ショートさせれば、簡単に発火してしまう。
  • 今回は幸運の神様が、目の前でショートを実演して、火災を回避してくれたのだ。
  • もし、今回の事故を経験しなかったら、そのままズボラな運用が続いて、ボヤあるいは火災といった深刻な事態に陥っていたかもしれない。
  • 取扱い注意。At your own risk.(自己責任)肝に銘じておく。

*1:20時間かけてトータル12V 20Aの電気を出力できる性能。つまり、1時間当たり12V 1Aを20時間継続できる性能。12Wh × 20 = 240W。