ボケる広角が欲しかった

カメラを初めて手にした時、俄然、望遠レンズに憧れた。遠くのものが大きく、詳細に写る、裸眼では確認できなかったものが見えるようになることに純粋に感動した。だから、自分の初期のカメラ選びは、光学何倍ズームが付いているかが重要だった。5倍よりは10倍を魅力的に思っていた。デジタル一眼を手にしても、その考えは暫く変わらなかった。標準キットレンズで満足していたのだ。まだ見ぬ素晴らしいレンズの世界があることに、気付く余地もなかった。

ところが、D40に明るい単焦点レンズを付けてみて、全く別の世界があることに初めて気付いた。(付けたレンズは以下)

撮りたいモノ以外がボケる世界の魅力を知ってしまったのだ。すると、標準キットレンズの明るさでは物足りなくなる。自分が撮りたいものの多くは、身近な人・モノ・植物・風景である。考えてみれば、遠くのものを望遠レンズで大きく写す必要性なんて、自分にはほとんどなかったのだ。大きく写したいのなら、被写体に近付けば良いのだ。それに気付いた時に、今度は広角レンズが気になり始める。

最初はCX4の28mmで撮っていた。光の明るさが十分なら、結構綺麗に撮れた。しかし、一度でもボケる世界を知ってしまうと、やはり広角の28mmでも綺麗にボケてもらいたい。CX4でボケを活かすには、被写体にかなり近寄る必要があった。物足りない。多少離れても、背景が若干ボケて欲しいと感じていた。

目指すは明るい広角レンズだ。同じ焦点距離なら、F値が小さいほど、撮像素子(感光する部分)が大きいほど、被写界深度は浅くなりボケやすくなるだ。

D40の交換レンズ

  • 一眼レフ用に様々なレンズがあって、もちろん明るい広角レンズ28mmもある。
  • しかし、D40に28mmのレンズを取り付けても、撮像素子がAPS-Cサイズなので周辺部はトリミングされ、1.5倍の約42mm相当の画角になってしまう。
  • D40で28mmの画角を得るには、18mmのレンズが必要なのだ。
  • 残念ながら、単焦点レンズには18mmという選択肢はなかった。
  • 以上のレンズは、かなり魅力を感じたが、ただ一つ、気になる点があった。

それは、デカくて、重いこと。

  • どちらも90mmの長さ、400〜500gの重さ、である。
  • 手軽に持ち歩くには、ちょっと大きさと重さを感じる。

手軽に持ち歩ける広角を求めて

  • 一眼レフのファインダーを覗いて、カシャカシャ撮るのは好きだ。本物のシャッター音も心地良い。
  • しかし、スナップの魅力は日常の中にあり、常に大きな一眼レフを携帯する気にはとてもなれない。
    • 本体とレンズの形状からどうしてもかさばる構造である。
  • 欲を言えば、コンパクトなデジカメ形状なのだけど、ボケる広角が欲しいのだ。(ファインダーを覗けないのは寂しいけど)

選択要素

いろいろな選択肢があった。

  • 上記のミラーレス一眼も有力な選択肢の一つだが、
  • 広角でボケを活かした撮影が出来れば、特にレンズ交換できなくてもよいと思っていた。
  • よって、シグマ DP1系も良さそうな気がしてくる。
  • ライカ系という選択肢もあるが、ちょっと高価過ぎて手が出ない。
  • FinePix X100も魅力ある。
  • 散々悩んだのだが、基本に戻って綺麗にボケることに重点をいて考えれば、以下の要素が重要になるはず。
    • より明るいレンズ(F値が小さい)
    • より大きな撮像素子
    • なるべく被写体に近付けること
  • さらに、コンパクトなサイズで持ち運びが楽ならば、言うことなしなのだ。

撮影

  • 早速、撮影してみた。







  • ボケる!ついついF2.5解放にして撮ってしまう。楽しい!

レンズ交換

  • 最近はライカM互換マウントユニットまで出てしまったらしい。(マニュアルフォーカスのみ)
  • レンズと撮像素子をユニット化したGXRの拡張性には驚く。
  • 今後、どのような面白いユニットが出てくるのか、楽しみ。
  • いつか、ライカのレンズを付けて、撮影してみたい。