最高の電子書籍はどこにあるのか?
伝記スティーブ・ジョブズ1・2、ようやく読み終わった。今回は電子書籍で購入した。かつて、アラン・ケイが夢見たDynabook、それを実現してしまったジョブズ渾身の傑作iPadで、長編書籍(しかもジョブズ自身の伝記という内容)を果たしてどこまで快適に読めるのか、身を持って体感するため。
iPadで、伝記スティーブ・ジョブズが読める電子書籍リーダーにもいろいろある。このブログを書いている時点で7つの電子書籍リーダーを選択できた。果たして自分はどの電子書籍リーダーで読めば良いのだろう?探ってみた。
一覧比較
- 最初だらだらと調べていたのだけど、いろいろな要素があって非常に分かりにくい...。
- とりあえず、iPadで伝記スティーブ・ジョブズを読む状況に限定して調べてみた。
ebiReader | Kinoppy | honto | パブリ | BookLive | Voyager | アプリ | |
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価格 | 1995円 | 2000円 | 1995円 | 1995円 | 1995円 | 1995円 | 1900円 |
ストア機能 | Safari | あり | Safari | Safari | Safari | あり*1 | あり |
フォーマット | ebi.j | ? | .book | .book | ? | .book | MCBook |
フォント | 画像扱い | 秀英明朝 | 秀英横太明朝 | 秀英横太明朝 | 凸版明朝 | 秀英横太明朝 | リュウミンL |
ページの記録 | 前回ページと栞1つ | 前回ページ | 前回ページ | 前回ページ | 前回ページ | 前回ページ | 前回ページと栞複数 |
文章のマーキング | なし | あり(メモ書き可) | なし | なし | なし | なし | あり(6色・メモ書き可) |
検索 | 本文 | 本文・Google・Wikipedia・辞書 | 本文 | 本文 | なし | 本文 | 本文・Google・Wikipedia・Yahoo!・辞書など |
複数端末対応 | 3台まで | ○ | 3台まで | ○ | 3台まで | ○ | ○ |
再ダウンロード期限 | 無期限 | 無期限 | 1年 | 1年 | 無期限 | 無期限 | 無期限 |
フォント比較
- フォントはiPadで読むか、iPhoneで読むかによって印象も変わってくると思う。
- iPhone3GSや、さらにはRetinaディスプレイ化されたiPhone4以降なら、また違った印象になるはず。
- 個人的には、iPadで読むなら秀英横太明朝が横のラインも鮮明で読みやすいと思った。
現状の選択
- 実は、このように詳細に比較することもなく、フォントの読みやすさの印象だけで「パブリ」で購入してしまったのだった。(早く読みたかったので)
- iPadで読む場合、秀英横太明朝は自分好みのフォントである。
- 紙の本と同じ感覚で読み進めることができた。
- 実際に電子書籍で読み始めると、当初は考えていなかった、いろいろな欲求が湧いてくる。
- 当初は、快適に読む以上のことは考えていなかったが、伝記スティーブ・ジョブズは、単なる本以上にAppleを知る資料となる。
- そうなってくると、マーカーを引きたいとか、付箋を貼ってメモ書きしたいとか、思うようになる。
- また、知らない単語は今までと同じように辞書を引けば良いのだけど、書籍リーダーが辞書と連携していると快適である。
- Google検索等のWeb検索とも連携していれば、なお嬉しい。
- 電子書籍には、紙の本にはない素晴らしい機能もある。本文検索である。
- 紙の本は検索できないので、索引を設けて参照ページを記載している。
- 電子書籍の良いところは、自分の興味のある単語をキーに、自由に検索できることである。
- 特にこの本を資料と考えれば、この検索機能は絶大なメリットになる。
- 以上のことを考えると、「Kinoppy」で購入しておくのがベストだったのではないかと、後悔している...。
- 読み易さを優先すると、秀英横太明朝の「パブリ」が良さそう。
- しかし、資料となる書籍ならマーキングやメモ書き機能も欲しい。
- となると、Kinoppyかアプリ版なのだが...
- フォントはKinoppyの秀英明朝の方が好み。
- Kinoppyには、アプリ内にショップ機能(立ち読み・購入する機能)がある。
- Kinoppyでは、購入した書籍以外にも、自炊したPDF・テキストなども本棚で管理し、閲覧もできる。
近い将来
- ところで、上記の電子書籍には大御所が二つ抜けている。
- AppleのiBooksと、AmazonのKindleである。
- iBooksとKindleは、現状では日本語・縦書きフォーマットに対応していないのだ...。
- あるいは対応しているかもしれないが、何らかの事情で日本語の書籍を取り扱っていない。
- 実は、英語版のSteve JobsもKindleで購入している。
- amazon.comで$11.99(≒924円)と非常に安価だ。
- Amazonで購入すると即、iPadとiPhoneのKindleに反映され、読めるようになった。(どうゆう仕組みなんだ?)
- iPadのKindleで読んでいるページをiPhoneのKindleに同期して続きを読むなんてことも当然のようにできた。
- もちろん、本文検索・Google検索・Wikipedia検索・辞書・マーキング・メモ書き・Tweetなどの機能もある。
- iOSに準拠したUIであり、その操作感は期待を裏切らず、迷わない。
- Kindleの日本語書籍ストアができたら、間違いなく繁盛しそうな気がする。
- iBooksの日本語書籍ストアもしかり。
その他雑感
- 1000ページ以上めくっていると、紙の本を模したページめくりアニメーションより、シンプルなスライドアニメーションの方が好きになった。
- ページを移動する時のアニメーションは重要。
- 瞬時にページが切り替わってしまうと、ページをめくった気がせず、不満が残る。
- 誤操作によるページめくりにも気付きにくく、次に進んだか、前に戻ったのかも分からない。
- 読書に集中していても、ふとした時に時間を知りたくなる。
- 今、全体のどこまで読んでいるのか?という情報も気になる。
- 紙の本であれば、見開きした左右の紙の厚みで、暗黙に確認できていた情報である。
- 電子書籍でも、常に、あるいはページをめくる時には、表示して欲しい情報である。
- パブリで購入したのは.bookフォーマットのスティーブ・ジョブズ。
- .bookはKinoppyでも閲覧可能なフォーマットだ。
- しかし、現状はパブリで購入したものは、パブリでしか読む術がない。
- Kinoppyでも読めれば良いのに。
- 例えKinoppyで読めたとしても、T-TimeのUIを超える操作性は期待できないのだろうか?
- マーキングやメモ書き機能に憧れる。
以下、一覧比較の元となる調査データ
電子書籍・コミックリーダー ebiReader
立ち読み・購入(1・2 各1995円)
- 一旦、ブラウザでネットストアへアクセスする必要あり。
ファイルフォーマット
- ebi.j(.ebija)
- イーブック・イニシアティブ・ジャパンが開発したフォーマット。
- 文字データも画像として扱っている。
- 漫画の品揃えが豊富。
フォント
- 画像なので紙の書籍のフォントに準ずるのか?
機能
- 栞(記録されるページ)
- 前回開いていたページ
- 栞を挟んだページ(栞は1つしかない)
以下の機能はすべて不可能(文字は画像扱いなので)
- 本文検索 なし
- 辞書 なし
- メモ書き なし
- マーキング なし
紀伊國屋書店Kinoppy
- インフォシティ(bREADER - 青空文庫)が開発。
立ち読み・購入(1・2 各2000円)
- 電子書籍リーダー内ですべて完結する。
ファイルフォーマット
- .book、XMDF、EPUB3.0の縦書きに対応
フォント
- 秀英明朝
honto BOOK
立ち読み・購入(1・2 各1995円)
- 一旦、ブラウザでネットストアへアクセスする必要あり。
対応フォーマット
- .book、XMDF、MCBook、イメージビューア形式
フォント
- 秀英横太明朝
機能
- 栞(記録されるページ)
- 前回開いていたページ
- 本文検索
- 単語を選択して検索できない。
- キー入力する必要があり面倒。
以下の機能はすべて不可能
- 辞書 なし
- マーキング なし
- メモ書き なし
複数デバイス対応
- アプリの会員IDを登録した一つの端末でのみ閲覧できる。
- 同時に複数端末では閲覧できないらしい。(試してないが、説明を読んで理解したこと)
ダウンロード期限
- 伝記スティーブ・ジョブズには、365日のダウンロード期限が設定されている。
- ダウンロード期限内であれば、何度でもダウンロードできる。
- ダウンロード期限を過ぎると、ダウンロードできなくなる。
- ダウンロード期限を過ぎても、ダウンロード済の書籍については継続して閲覧できる。
電子文庫パブリ
立ち読み・購入(1・2 各1995円)
- 一旦、ブラウザでネットストアへアクセスする必要あり。
対応フォーマット
- .book、XMDF
フォント
- 秀英横太明朝
機能
- 栞(記録されるページ)
- 前回開いていたページ
- 本文検索
- 単語を選択して検索できない。
- キー入力する必要があり面倒。
以下の機能は.bookフォーマットではすべて不可能(但し、XMDFフォーマットならすべて可能になる)
ダウンロード期限
- 伝記スティーブ・ジョブズには、2012/11/08のダウンロード期限が設定されている。
BookLive! Reader
立ち読み・購入(1・2 各1995円)
- 一旦、ブラウザでネットストアへアクセスする必要あり。
対応フォーマット
- .book、XMDF
フォント
- 凸版明朝
機能
- 栞(記録されるページ)
- 前回開いていたページ
以下の機能はすべて不可能
- 本文検索 なし
- 辞書 なし
- マーキング なし
- メモ書き なし
複数デバイス対応
- 端末登録して、最大3台の端末で閲覧できる。
Voyager Books
立ち読み・購入(1・2 各1995円)
対応フォーマット
- .book
フォント
- 秀英横太明朝
機能
- 目次は本文へのリンク
- 栞(記録されるページ)
- 前回開いていたページ
- 本文検索
- 単語を選択して検索できない。
- キー入力する必要があり面倒。
以下の機能はすべて不可能
- 辞書 なし
- マーキング なし
- メモ書き なし
複数デバイス対応
- ログインした複数端末で閲覧できる。
スティーブ・ジョブズ(アプリ)
立ち読み・購入(1・2 各1900円)
- アプリ内ですべて完結する。
- 無料アプリをダウンロードして、アプリ内決済によって行う。
- このアプリが、スティーブ・ジョブズ専用の電子書籍リーダーなのだ。
対応フォーマット
- MCBook
フォント
複数デバイス対応
- アプリをインストールした複数端末で閲覧できる。
参考ページ
以下のページがたいへん参考になりました。感謝です!