浄化槽のエアーポンプ修理

ここ数日、浄化槽のブロワー(エアーポンプ)の作動音がかなり大きくなっていた。静かな夜中はかなり気になるレベル。10年近く使っているので、寿命かもしれない...。

対応型番

現状のブロワーの型番を調べてみると、日東工器 LA-28Bであった。現在LA-28Bは廃番となっており、対応する型番はLA-30Eが販売されていた。

  • 消費電力が29W→27Wになって、若干2W省エネ。
  • 風量が28L/分→30L/分になって、若干2Lアップ。

ピストン式とダイヤフラム式

家庭用の小さな浄化槽で使うブロワーが空気を送る仕組みには2種類あった。

  • 日東工器はピストン式。
    • その名の通り、高速でピストンを動かして空気を送る仕組み。
  • その他のメーカーはダイヤフラム式。
    • ダイヤフラムとは、腹式呼吸における横隔膜のようなもの。
    • 変形可能なドーム状?のゴムを高速でペコペコ動かして空気を送る仕組み。

交換か、修理か、

金額も半額以下だし、ここは試しに修理してみることを決意する!

修理

発注後、到着した交換部品がこれ。

  • ピストン本体

  • フィルターとゴムパッキン


ピストンの取り出しは、付属の説明書のとおり行った。

      • 注意:カバーを開けると、シリンダー部分の金属がかなりの高熱になっていた。確実に火傷するレベル!十分冷ましてから作業に入った。
  • 本体四隅のネジを外して、カバーを開ける。そしてシリンダーを開くのだが...
  • おっと、シリンダーカバーに出っ張りのある側のネジは決して外さないようにと書いてある。

  • ピストンを取り出す時は、反対側のシリンダーカバーに凹みのある方からアクセスするのだ。

  • ピストンにアクセスする4カ所のネジはかなりきつく締まっている。
  • ドライバーでは確実にナメる(ネジ山が潰れる)ので、8mmのソケットレンチがベター。
  • 4カ所のネジを取り外しても、シリンダーカバーは圧着している。
  • マイナスドライバーでこじる凹みがあるので、ドライバーを差し込んで捻ると「ぱかっ」とカバーが外れた。

  • シリンダーカバーを大きく開いて傾けると、ピストンが落下してくるので、それを引っ張りだす。

  • ゴムパッキンの交換も忘れずに。

  • こちら側にもゴムパッキンがある。
  • 取り出したピストンはこちら。左側が新品、右側が取り出したピストン。

  • ガスケットの半周が完全に摩耗して、さらにピストン本体まで大きく削れていた。

  • ここまで損耗していては、シリンダー側にも相当なダメージがあるはず。
  • シリンダーの奥に指を入れて触ってみると、案の定ざらざらした感触だ。
  • シリンダー側もかなり削れている。
  • これはもしかしたら、ピストンを交換しても手遅れかもしれない...。
  • そんなことを思いながら、新品のピストンを挿入して、カバーを閉じた。

動作テスト

  • カバーを閉じたら、浄化槽に取り付ける前に動作確認をしてみた。
  • コンセントに差し込むと、以前よりは静かな作動音で動き始める。
  • 空気の排出口に手を当てると、ぽこぽこと風を感じる。
  • 見た目は正常に作動していることを確認できたので、浄化槽に取り付け直した。
  • 最後に浄化槽の蓋を開けて、空気の供給状態を確認してみる。
  • すると、以前の倍くらいの泡がボコボコと沸き上がっていた。

所感

これなら今のところは大丈夫そうだ。

  • しかし、シリンダーの損耗が激しいので、ピストンとの摩擦が大きく、すぐまた駄目になるかもしれない。
  • 悔しいけど今回は、ピストンのみの交換修理ではなく、ブロワー全体を交換するべきだった。

今後のために...

  • ブロワーの異音を感じたらすぐに電源を抜いて、停止してしまう。(シリンダーの保護)
    • ブロワーが停止しても24時間くらいは微生物による浄化作用は持続するらしい。
  • ピストンを取り出して、シリンダーの損耗状態を確認する。(指で触ってみる)
    • ピストンのガスケットが全周に残っていれば、シリンダーのダメージも少ないと思われる。
  • シリンダーがすべすべしていたら、ピストンの交換のみでOK。
  • ピストンのガスケットの一部が完全に摩耗して消えてしまっていると、シリンダーのダメージも大きいはず。
  • 指で触ってザラついていたら、諦めてブロワー本体を交換する。


このあと、同じショップで新品のLA-30Eを発注しておいた。(5800円はお勉強代となった)

動作温度

  • ピストン交換後、ブロワーを触ってみたが、まったく熱くない。
  • 交換前はピストンとシリンダーが損耗して、異常な摩擦が発生したため、大きな動作音と異常な高温になっていたと考えられる。
  • 正常に動作している時の温度を覚えておくと、触った時の温度でも異常を感じ取れるかもしれない。