クレセント錠の修理

クレセント*1錠とは、窓枠に付いているあのクルッと回す鍵のこと。そのベランダへ通じる掃き出し窓の大型クレセント錠のテンションが完全にゆるんでグラグラになってしまった。例えそのような状態でも、鍵としては十分機能する。
が、問題は鍵を開けてベランダに出て、窓をばたんと閉めると、グラグラになったクレセント錠がクルッと回転して、意図せず施錠されてしまうこと。そう、閉め出しを食らってしまうのだ。誰かに開けてもらうまで、ベランダから脱出する術はない。

そこで修理を依頼するために業者から取った見積が以下。

材料代  3000円
工賃  15000円
諸経費  3000円
消費税  1050円
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合計  22050円

ク、クレセント一つ交換するだけで、2万?あり得ん、自分でやる。

クレセント錠を探す

  • 当初、クレセント錠を交換するつもりでWebで探していた。
  • 製品は不二サッシ製なのだが、型番が分からず。
  • もしかしたら10年以上前のものだから、既に同じものは販売されていない可能性もある。
  • 互換性のありそうなものはないか、も含めて探していたが、これなら大丈夫というものがなかなか見つからない。
  • クレセント錠自体(ロック機能とか無しの、至ってシンプルなモノ)の部品代は、どんなに高くても3000円以内には収まるだろう。

クレセント錠の取り外し

  • 決め手に欠けるので、クレセント錠を取り外してみることにした。
  • 取り外すのはプラスドライバーが1本あれば、2箇所のネジを外すだけ。簡単である。
  • 但し、調子に乗って2箇所同時に外してしまうと、あとで痛い目に遭う可能性もある。
  • クレセント錠は、サッシ内側に付いたナットの役割をする部品をネジで締め付けて固定する仕組みである。
  • しかし、2箇所同時にネジを外してしまうと、サッシ内側のナットの役割の部品が落下あるいは位置ズレして、ネジ穴が見えなくなってしまう可能性があるのだ。
  • 自分の場合は位置ズレしてネジ穴が見えなくなってしまったが、わずかに見える穴の隙間に針を刺して持ち上げ、復旧することができた。
  • 仮に、経年劣化でナット部品がサッシ内側に落下してしまったら、一大事である!サッシを分解して組み直すしかない。2万どころの費用では済まない。
  • そうならないために、ネジは決して2個同時に外してはならない
  • ネジを緩めたら、まず1箇所外してクレセントを45度回転させる。
  • そしてまた外したネジを取り付けて、ナット部品を保持しておく。

  • このような状態にした上で、もう一箇所のネジも取り外せば安心。


グラグラの原因

  • クレセント錠を取り外すと、テンションが緩みまくってグラグラになっていた原因が分かった。
  • バネが切れていたのだ!
  • ならば、これと同じサイズのバネを見つけて交換すれば問題は解決するはず。
  • しかし、そんな都合の良いサイズのバネが果たしてあるのか?
  • 諦め半分で検索してみると、あっけなく見つかってしまった!

    • 上側は切れたバネ、下側が交換するバネ
  • 今時の検索エンジンの高性能さ、情報発信して頂く方々の努力に脱帽です!

バネ発注

上記のサイト経由で、以下のバネを発注した。

取付

  • 指にちょっと力を込めるだけで、簡単にバネの取り付け完了。

  • あとはまた、ネジを片方ずつ外して、クレセントを元どおりに組み付けるだけ。
  • クレセントの位置は、上下左右に微妙に位置をずらせる。
  • 最も無理なく軽快に施錠できる位置に調整して作業完了!


節約効果

  • 22050円 ー 868円 = 21182円
  • いや、元の値段が高過ぎるのでこれ程の効果はないか...。
  • それにしても、たったこれだけのことに工賃と諸経費が分かれているとか、あり得ない。工賃も高過ぎ。

設計思想

  • 不二サッシのクレセント錠は、設計思想が悪い。
  • 上げ施錠、下げ解錠の仕組みにしておくだけで、中のバネが切れても安全に使えるはず。
  • 仮に、真冬の札幌の高層マンション(あるのか?)で閉め出し事故が発生したら、シャレにならない。
  • そういえば阪神大震災以降、水栓のシングルレバーは、上げ吐水・下げ止水の仕様に統一されたそうだ。
  • 震災で上からモノが落下して、水が出しっ放しの状態になることを防ぐためである。(水道の復旧に影響があるらしい)

今は、クレセント錠も統一されているのだろうか?

*1:クレセント=crescent=三日月、三日月形という意味があるそうである。なるほど。