標準電波を追跡する

標準電波


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停波

  • 3/11より、地震原発・落雷の影響を受けて、断続的な停波を繰り返し、現在停波中なのだ...。
  • 標準電波の受信範囲は、腕時計で半径500Km、置き時計で半径1000Kmと言われている。
  • 首都圏では...
    • 置き時計なら佐賀県 はがね山標準電波のほぼ受信範囲になるが、
    • 腕時計では受信できない状況になってしまうのだ。

シミュレーター

ここにJJY SimulatorというiPhoneアプリがある。iPhoneから標準電波を出力して、電波時計の時刻合わせをしてしまうのだ!

あれ?iPhoneって、BluetoothWiFi・3G帯域以外の電波も出力できるのかな?と思っていたら、なんと!iPhoneにヘッドフォンを接続して13.333KHzの高い音を再生することにより、その3倍の39.999≒40KHz(=標準電波の周波数)の電波を出力する、という想定外のすごい技を使ったアプリだったのである。その仕組みは、本家のページ(JJYシミュレータ)が詳しく解説してくれている。

  • つまり、ヘッドフォントとは、小さなスピーカーが付いたアンテナのようなもので、
  • そこに13.333KHzの音を変調した電流を流せば、13.333KHzの電波も発信されるのだ。
  • しかし、必要なのは40KHzの電波。ヘッドフォントと出力回路に、その周波数を再生する能力はない。
  • ところが、音量を最大にすることで、ヘッドフォンの能力を超える電圧をかけ、音が割れる状態を作る。
  • 音が割れる状態とは、ピークの波形がきれいなカーブを描かずに、頭打ちになって平坦になってしまう状態。
  • この波形は、元の周波数の3倍・5倍・7倍...というように、奇数倍の周波数を合成することで表現できる。
  • 逆に考えれば、ピーク平坦な波形には、元の周波数の3倍・5倍・7倍...の電波(高調波)が含まれているのだ。
  • さらに、この高調波には、3倍の周波数の出力割合が最も大きく含まれる。
  • だから、40KHzは出力できないけれど、その1/3である13.333KHzを出力することで、効率的に40KHzの電波を発信できるのであった。

感動した!素晴らしすぎる!

  • このような原理を知って、実際にコーディングして、アプリケーションを作ってしまう能力。そんな能力を自分も身に付けたい...。
  • こんな発想のできる人は、きっとサバイバル能力に長けているのだと思う。
  • どんな逆境であっても創意工夫で問題をどうにか解決してしまう力がありそう。

試用

  • こうゆう好奇心をくすぐるアプリはすぐさま試したくなる。
  • 実際に試してみると、時間が調整されて、さらに感動した。
  • 標準電波を出力できない仕様のiPhoneが、電波時計を調整してしまう不思議と感動をたっぷり味わえたのであった。
  • 実際に調整したのは、置き時計型の電波時計であった。
  • 残念ながら(幸運なことに?)自宅は、佐賀県 はがね山標準電波の受信エリアでもあるので、時刻はピッタリ合っている。
  • そこで、iPhoneの 機能 >> 一般 >> 日付と時刻 で自動設定をオフにして、あえて手動で異なる時刻に修正して試してみた。
  • 最初、佐賀県 はがね山標準電波の影響のためか、iPhone付属のイヤホンで試した時は、うまくいかなかった...。
  • そこで、安物のテレビ視聴用の長ーいイヤホンを置き時計にぐるぐる巻き付けてみると、iPhoneと同じ時刻になった!
  • 時計に音を聴かせるのではなく、イヤホンのコードをアンテナに見立てて標準電波を発信する、と考えてセッティングするとうまくいく気がした。

面白い!

標準電波の仕様

  • 文字で読み続けていると、何のこっちゃ?となってしまうが、
  • 図の解説を読みながら、YYJ Simulatorを起動していると、だんだん分かってくる。

http://jjy.nict.go.jp/jjy/trans/timecode1.html
  • つまり、標準電波は1分間かけて、西暦・月・日・時・分・秒・曜日などの情報をパルス発信している。
    • 秒以外の情報は、60桁の二進化十進数として表現されている。
    • 秒の情報は、1秒周期で発信されるパルスのタイミングで合わせる。

JJY Simulatorで表示される緑基調の縞模様は、標準電波のパルス情報を視覚化した表現だったのである。