酸味の利いた美味しいコーヒーを目指したメモ

コーヒーが好きで、よく飲む。ただし、缶コーヒーは大嫌いで全く飲まない。同じく、インスタントコーヒーも全く飲まない。好きなのは、直前にコーヒー豆を挽いて、抽出したコーヒー。しかも、苦みが強いコーヒーよりも、酸味が利いたコーヒーが大好き。温かくても、冷たくても、どちらにしても酸味が利いていることがポイント。ホットコーヒーは何も入れずにそのまま、アイスコーヒーにはよくガムシロップをいれる。

真夏の昼下がりに、ヘトヘトに疲れながら入ったコーヒー屋さんで、そんな酸味の利いたコーヒーが出てくると、それまでの疲れが吹き飛んで、午後のもう一踏ん張りの活力になる。

ところが、そんな酸味の利いたコーヒーにはなかなか巡り会えない。家でも、コーヒー豆は常備している。自分で挽いて、ペーバーフィルタでドリップしているが、酸味の利いたコーヒーを落とすには、繊細な注意が必要だったりする。自分自身、どんなことに注意してコーヒーを淹れているか、書き出してみることにした。見直すことで何か発見があるかもしれない。

      • 以下は、数あるコーヒーの淹れ方の一例であり、間違いなく、さらなる美味しさを追求した淹れ方があるのだと思う。その方法を知りたい!

抽出方法

  • コーヒーの抽出方法にもいろいろあるが、自分の場合はほぼ、ペーパードリップ
  • たぶん、最も一般的で、シンプルな方法だと思う。
  • 準備から後片付けまで、トータルで考えて、手間も時間も最小になる。
  • しかも、コーヒーマシン(メーカー)にはできない、微妙な調整も自在だ。
  • 少しでも美味しいコーヒーを、毎日、お茶感覚で、手間をかけずに飲むには、面倒臭がりな自分にはぴったりの方法だった。
  • いつも一人分を、カップに直接ドリップしている。

コーヒーの構成要素

  • コーヒーの99.9%以上は水である。(99.9%は勘)
  • 注いだお湯に、コーヒーの味や香り・色が溶け出して、あのコーヒーとなる。
  • しかし、溶け出す物質の量は、微々たるものだろう。
  • その微々たる要素が、様々な味や香りを楽しませてくれる。

  • よって、コーヒーの99.9%以上を構成する水は、コーヒーの味を決めるかなり大きな要素になると思われる。
  • どんなに良い豆でも、ベースとなる水が美味しくなければ、せっかくの味や香りが消されてしまう。
  • 美味しさを求めていくと、必然的にミネラルウォーターを利用することになった。
  • しかし、ミネラルウォーターにも実に様々な種類がある。いったい、どれを選ぶべきか?
  • 自分の場合は、「硬度」に注目して選んでいる。
  • 「硬度」が高いほど、マグネシウム・カルシウムの含有量が多い水だそうだ。
  • 「硬度」によって、軟水(60mg未満)・硬水(60mg以上)と分類されている。
  • そして、酸味の利いたコーヒーを目指すためには、より硬度が低い「軟水」を選ぶべきである。
  • 軟水と硬水で、同じ豆を使って比べてみると、その違いははっきり分かる。
  • 明らかに「軟水」の方が酸味・香りが引き立っているのだ。
  • マグネシウム・カルシウムはコーヒーの成分と結びついて、味や香りに影響を与えるそうだ。
  • 軟水であれば、その含有量が少ないので、コーヒー本来の味が引き立つらしい。

コーヒー豆

コーヒー豆の品質が重要なのは、当然のこと。

豆の素性
  • モカキリマンジャロと豆の種類を指定しても、あまりにもその対象になる地域が広過ぎて、品質によっては同じ豆と思えない違いがある。
  • 可能であれば、農園単位で豆の種類を指定できる店で購入する方が、安心感がある。
焙煎度合い
  • 深炒りになるほど、コーヒー豆から酸味は消えてゆく。
  • 酸味を大事にするなら、中炒りを指定した方がいい。
  • しかし、浅炒り過ぎると苦み・香りが薄過ぎて、何だか物足りない感じ。
  • 十分な酸味が残りつつ、程々の苦みもあって、バランスの取れた中炒りに仕上がっていると嬉しい。
  • 店ごとの違い、また人それぞれ好みもあるので、3段階くらい焙煎度を変えて、自分の好みを知る必要がある。
焙煎からの経過時間
  • 焙煎したての豆は、香ばしく、酸味も強く感じる。
  • 時間が経過するほどに、湿気て、香りは弱まり、酸味も消えてゆく。
  • できることなら1週間以内に、長くても2週間以内に飲み切りたいと思っている。
  • しかし、多くの場合、豆を一括購入した方が、送料も含めてお得になる。
  • 品質を考えればこまめに発注。経済性を考えると一括発注。悩みどころである。

ミル

コーヒー豆は、ドリップするごとに挽いた方が、酸味も香りもより楽しめる。

  • 挽いている最中から、豆の芳香が漂い始め、それがまた良い。
  • 淹れたコーヒーも美味しい。
  • 挽いた状態で保存するよりも、豆のまま保存した方が、美味しさも長持ちする。

良いことばかりである。

粒度の均一さ
  • ミルに求める性能は、均一な粒度になるかどうか。
  • ミルは、ネジを回して粒度を調節できるようになっている。
  • しかし、ミルの刃が悪いと、挽く時に粉末になる割合が増える。
  • 粉末(小麦粉のような)は、不要な雑味の元になり、求めている酸味や香りの邪魔をする。
  • 良いミルは、粉末の発生が少なく、狙った大きさで粒揃いとなる。
  • 粉末が、味にどのように影響するか、体験する方法がある。
  • 挽いたコーヒーを、茶こしに入れて、篩ってみる。
  • きっと、コーヒー粉末が下に落ちるはず。
  • 茶こしに残ったコーヒー豆だけを使って、ドリップしてみる。
  • いつもと違う、コーヒーに出会うと思う。
  • ただし、徹底して粉末を取り除いてしまっても、何だか味気なく、物足りなさを感じる。
  • 何事も程々が良いみたい。
粒度の細かさ
  • 粒度が細かいと、苦み・渋みが強くなり、酸味は弱まる傾向になる。
  • 粒度が粗いと、苦み・渋みは抑えられ、酸味が強い傾向になる。
  • しかし、粗過ぎても味気ない。
  • また、粒度が粗いほど、コーヒーは薄くなる傾向にある。
  • 使用するコーヒー豆の量を増やせば、濃度は調整できるが、経済性も悪くなる。(水を少なめにしてもOK)
  • 自分の好みと経済性を考えて、満足できる粒度を探すしかない。
挽く前の準備
  • コーヒー豆を挽いた直後のミルには、静電気によって、粉砕された粉や薄皮が付着する。
  • そのような付着物は、次回挽く時に、受けに落下したり、隙間に入り込んだままになっていることが多い。
  • その状態で次の豆を挽くと、酸化した付着物が、不要な雑味の原因になる可能性もある。
  • そこで、コーヒー豆を投入する前に、ミル本体や受けを横にしたり、逆さにして、振動を与えながら余分な付着物を叩き落としている。

ペーパーフィルター

  • コーヒー無しでフィルターをセットして、実際にお湯を注いでみて、落下したお湯に余計な味や香りが付かなければ合格。
  • 粗悪なフィルターでは、余計な雑味が付いて、せっかくの美味しいミネラルウォーターが不味くなってしまう場合がある。
  • 価格に惹かれて、粗悪なフィルターだけは使いたくない。せっかくの美味しい水と、品質の高い豆が台無しになる...。

ドリッパー

フィルターをセットする漏斗のような器具。すごくシンプルな器具だが、設計思想が形に現れている。

  • 台形型
    • メリタ式(小さな1つ穴)
      • 抽出時間はドリッパーに空いた穴が調節してくれる。
      • お湯を一気に注ぎ過ぎても、小さな穴によって、一定の抽出時間を確保してくれるのだ。
      • しかし、自分の好みに合わせて調節することはできない。
    • カリタ式(小さな3つ穴)
      • 抽出時間はお湯の注ぎ方によって、自分で調整する。
      • 穴が3つ空いているのは、注いだ分のお湯が無駄に停滞せず、素早く落下することを狙っている。
  • 円錐型
    • コーノ式(中心に大きな1つ穴)
      • カリタと同じく、抽出時間はお湯の注ぎ方によって、自分で調整する。
      • 小さな3つ穴分よりも、さらに大きな面積の一つ穴なので、透過したコーヒーは何の抵抗もなく落下して行く。
      • 円錐型では、コーヒー豆が中心に堆積するため、メリタ・カリタよりも、お湯が通過するコーヒー豆の層が厚くなる?
  • そして、自分が利用しているのは、円錐型(コーノ式)のハリオのドリッパー。
  • メリタ・カリタよりも、コーヒーがマイルドな感じで仕上がる気がしたので。

ヤカン

  • 当然だけど、沸かした時に、お湯に余計な味や香りが付かないこと。
  • 湯は少しずつ注ぎたいので、注ぎ口が細くなっている方が注ぎやすい。
  • ヤカンが小さ過ぎて底の面積が狭いと、ガスコンロでの熱効率は悪くなる。
  • 自分が使っているのは、ごく普通のヤカン。注ぎ口は細くない。若干、小さめではある。
  • でも、慣れれば十分少しずつ注げる。これで十分。
お湯の温度
  • お湯の温度が高過ぎると、コーヒー豆の苦み・渋みが強く出て、酸味が弱まってしまう。
  • 酸味を重視するなら80度以下の温度だと思う。
  • 毎回温度計で測るのは面倒なので、音と作業で目指す温度のお湯を手に入れる。
  • ガスコンロに掛けたヤカンから「シュー」と音がしたらすぐに火を止める。
  • すぐにはコーヒー豆に注がない。一旦、カップに注ぐ。すぐにヤカンに戻す。
  • これで自分の環境では、お湯の温度は70度くらいになる。
  • このくらいの温度のお湯でドリップした時が、酸味を感じやすいと思った。
  • ドリップ後のコーヒーの温度も熱すぎず、適温で飲みやすい。
お湯の注ぎ方
  • 最初は乾燥した粉全体を一気に湿らす。
  • ゆっくり10数えて、蒸らす。
    • 蒸らし時間が長過ぎると、コーヒーに不要な雑味が多く出てしまう。
    • 逆に短過ぎても、せっかくの美味しさが出切らずに終わってしまう。
    • 焙煎後の鮮度が良ければ、蒸らしている間に、多少也とも表面が盛り上がってくる。
  • その後、ヤカンの口から細く、静かに、フィルターに生成されるコーヒーの層を壊さないように注いでいる。
    • お湯を注ぐ時間をかけ過ぎても、コーヒーの不要な雑味が多く出てしまう。
    • 逆に短過ぎても、せっかくの美味しさが出切らずに終わってしまう。
  • 最後に残ったお湯が、なかなか落下しない場合は、ドリップの途中でも捨ててしまっている。
    • すべて落下するまで待っていると、時間がかかり過ぎて、不要な雑味が多く出てしまう気がしたので。

保存方法

  • コーヒー豆を購入するとき、経済性を考えれば、ある程度のまとめ買いをすることになる。
  • しかし、焙煎してから時間が経過するほど、コーヒーの美味しさ、特に酸味が損なわれてゆく。
  • まとめ買いをしても、できることなら新鮮な美味しさを維持したい、そう考えていろいろ試してみた。
  • 冷蔵庫に保存する。
    • 冷蔵庫は保存場所としてはベストなのだけど、問題は、出し入れする時の温度差にある。
    • 温度差によって、コーヒー豆に結露が発生し、湿気ってしまうのだ。
    • 湿気ったコーヒー豆の味は、確実に落ちる。(どのみち、ドリップする時はお湯を掛けるのに不思議なものだ)
  • 小分けして、冷蔵庫に保存する。
    • 何度も出し入れして、結露を繰り返すことが問題かと思い、ジップロックに一杯分ずつ小分けして、必要な量だけ取り出すことにしてみた。
    • しかし、それほどの改善は見られなかった。
    • 冷えた缶ビールを取り出したとき、缶の周囲は瞬時に結露する。
    • 小分けしたコーヒー豆も瞬時に結露して、瞬時に湿気ってしまうのかもしれない。
  • 常温で、温度変化のが少なく、湿度が低い場所で保存する。
    • 結局、結露を避け、常温で保存することにした。
    • エアコンの入・切によって温度変化しない場所、なるべく、湿度が低そうな場所で保存することにした。
    • 梅雨時から真夏の高温多湿な季節には、乾燥剤を使って、強制的に乾燥した環境を作り出すのも有効だと思う。


さて、今日も、酸味の利いた美味しいコーヒーを飲もう!

松屋式コーヒー

その後、美味しさを求めて彷徨っていると、以下のページに巡り会った。(素晴らしい情報に感謝です!)

  • トップページから辿れるその他の情報も、独自に実験をしながら、コーヒーを徹底的に研究していて、かなり説得力がある。必見!


ポイントは...

  • 3〜5分のとっても長い蒸らし時間。
  • 蒸らした粉全体にお湯を無駄なく透過させる注ぎ方。
  • 目標のコーヒー量の半分で抽出をやめ、コーヒー濃度はお湯で割って調節する。


今朝、松屋式を実践してみると...

  • 美味い!
  • 酸味がしっかり出ている!
  • さらに、苦み・甘み・香り等の旨味もしっかり感じられる!
  • カフェインも強い感じで、コーヒーを飲んだ後この日記を書いていると、みなぎる力が沸いてくる感じで、胸がドキドキしている!

これからは松屋式で淹れる!